高齢者が使いやすい宅配弁当の選び方 目的別おすすめサービス8選

1位に輝いたのは「ワタミの宅食」。2位は「nosh（ナッシュ）」、3位に「三ツ星ファーム」と、知名度の高い宅配弁当サービスが続いています。

非常に興味深い結果ですが、高齢者の健康状態や生活環境によっては、もっと素晴らしい宅配弁当サービスが見つかる可能性も。

実際に30社以上を経験・調査してきたラクタさん編集部が、高齢者が抱える食の悩みに着目した選び方やおすすめの宅配弁当サービスを紹介します。

実際に、ラクタさん編集部で新たに高齢者の食生活に関する調査を実施した結果、60代以上の男女673人のうち19.5%（131人）もの高齢者が「栄養バランス」に悩みを抱えているとのこと。

栄養バランスはさまざまな見方があるので、健康状態や目的をしっかりと把握しておくことが大切です。

高齢者用に用意されたり買ってきたりした食事に、家族と同じものが食べられない孤独感や疎外感を感じるケースも少なくありません。

高齢者に喜んでもらえる宅配弁当サービスを選びたいときは、普通食と変わらない見た目、健康な人が食べても美味しいと思える味付けであるかを意識しながら比較してみましょう。

「みんなと一緒の食事が食べられる」といった安心感が得られるような宅配弁当サービスを選ぶのがおすすめです。

ラクタさん編集部が調査した宅配弁当サービス35社の料金相場は、1食あたり652.23円（送料込みで700.90円）でした。（※2024年4月1日時点）

特に自社配送をおこなっているサービスは配送料が安いケースが多いため、送料込みでも1食あたり300～400円台で購入できる場合があります。

ただ追加で見守りサービスなどを希望する場合、コスパは良いものの少し値が張るため、1食あたり500円以上を想定しておくと良いでしょう。

「mealtime（ミールタイム）」は糖尿病・高血圧・痛風など、悩み別に選べる約400種類以上のメニューを提供しています。1食ずつ好きなメニューを選べるプランも魅力的ですが、特に「栄養士おまかせ定期便（※電話注文のみ）」は高齢者におすすめです。

「ミールタイム」専属の栄養士が、血液検査の結果や医師による食事指導をもとに、一人ひとりの健康状態に適したオーダーメイドのプランを提案。ただ制限するのではなく、高齢者に必要な栄養バランスを満たしつつ、病気の予防・数値改善を目指せるのがメリットです。

さらに、平日13時までの注文なら翌日配達も可能。解約・退会するまでは外食や間食などを含む、日頃の栄養相談もすべて無料＆無制限で利用できます。

「タイヘイファミリーセット」は、糖尿病の専門医が監修する冷凍宅配弁当『ヘルシー御膳』を食べられます。『ヘルシー御膳』の栄養バランスは、実際の食事療法にも用いられる「食事療法用宅配食品等栄養指針」に基づいている点も強みです。

さらに主食付きではPFCバランスを考慮し、1食あたり12品目以上の食材を使用するなど、医学・栄養学的視点から工夫・製造されています。また創業48年以上の実績と信頼を誇る老舗サービスなので、宅配弁当が初めての方でも安心して利用できます。

「メディカルフードサービス 健康うちごはん（MFS）」は、医療・介護食の専門メーカーが作る冷凍宅配弁当サービスです。

『MFSやわらか食』では広島県の特許技術「凍結含浸法」を使い、歯茎で潰せる固さまで柔らかく加工しています。普通食との違いはほぼ食感のみ。形状・風味・彩り・栄養はそのままなので、普通食と変わらない美味しさをキープした介護食が味わえます。

他社と比べてやわらか食やムース食が充実しているので、噛む力・飲み込む力に不安がある高齢者におすすめです。また、平日15時までの注文なら当日出荷で対応してもらえるのも嬉しいポイント。急な予定変更で食事を届けてほしいときにも便利です。

「ウェルネスダイニング」は食事制限専門の宅配弁当・宅食サービスです。

制限食や介護食のほかにも、ダイエット向けの宅配弁当やミールキットなど幅広い商品を取り扱っています。制限食に特化したサービスだからこそ美味しさへのこだわりも強く、高齢者に限らず家族みんなで目的に合わせた食事を選択できるのが魅力です。

さらに、制限食に限らず普通食に関する内容も含め、食事に関するさまざまな悩みを専属の管理栄養士に無料相談できるのも大きな強みです。

「まごころ弁当」はご飯付きで1食345円から送料無料で利用できる、日替わりの配食サービスです。お正月（1月1日～3日）を除き、年中無休できたての常温弁当を届けてくれます。

無料試食キャンペーンを使えば、事前に味やボリュームも確認できるので初めての人はぜひ活用してみてください。

また、個々の要望に応じて食材の大きさ・形・固さを細かく指定できるのも魅力です。アレルギー・おかゆ・きざみ食など、すべて無料で対応しています。

同系列の「配食のふれ愛」は「まごころ弁当」とサービス内容はほぼ同じです。配送可能エリアに若干の違いがあるので、各サイトの郵便番号検索を活用してみてください。

▶「まごころ弁当」の郵便番号検索
▶「配食のふれ愛」の郵便番号検索

「ワタミの宅食」は1食あたり380円から送料無料で利用できる宅配弁当サービスです。初回1食分が無料になるお得なキャンペーンも開催中（※冷蔵弁当のみ）。

置き配を希望すれば、不在時も保冷剤付きの専用BOXで商品を受け取れます。また、初回は地域担当の配達スタッフが事前にあいさつに訪れてくれるのもポイント。

人の入れ替わりが少ないため、継続するほど配達スタッフとの信頼関係・安心感が深まります。別途有料で見守りサービスも登録できるので、利用シーンに合わせて活用してください。

「宅配クック123」は高齢者専門の宅配弁当サービスです。お正月（1月1日〜3日）を除き、年中無休で配達。朝・夕の注文があった場合は、1日2回に分けて出来たての日替わり弁当を手渡しで届けてくれます。

安否確認（見守りサービス）は、手渡しする際に随時おこなわれているのでオプションで依頼する手間がありません。昔の思い出に関する質問を投げかけたり、敬老の日にはプレゼントを用意したりと、配達スタッフ側から積極的にコミュニケーションを図ってもらえるのも魅力です。

原材料や栄養バランスへの配慮はもちろん、食べやすい容器の形状・サイズ・重さなど、高齢者ならではの悩みに寄り添ってさまざまな対策がおこなわれています。

地域によって取り扱い商品が異なりますが、「コープのお弁当宅配」では通常食のほかに介護食や医療食・健康管理食などの日替わり弁当を届けてもらえます。

事前に取り決められた行政機関などの連絡先へ通報・連絡をおこなえるよう『地域見守り協定』の締結が全国各地で進められているのもポイント。離れて暮らす高齢者だけでなく、単身赴任中の家族や独り立ちした子どもも対象としています。

ほかにも、ネットスーパーのように日用品や食品も一緒に購入できるので、食事以外の買い出しの負担も効率よく最小限に抑えられます。

高齢者が宅配弁当サービスを利用するときのデメリットは、以下の4つです。

料金は宅配弁当サービスによって異なりますが、自炊の平均食費と比べると割高になる傾向があります。宅配弁当サービスの平均価格は1食あたり652.23円なので、価格重視の方は注意しましょう。

自炊や買い物の手間が省けるメリットを考慮し、「満足度が高い」「コスパが良い」と感じられるかどうかがサービス加入の決め手です。

お弁当の内容に満足できるかがポイントになってきますが、「まごころ弁当」や「ワタミの宅食」のように、1食400円以下（送料込み）と安く利用できるサービスもあります。とにかく価格を抑えたい方は検討してみてください。

高齢者が宅配弁当を積極的に取り入れたときの、おもなメリットを5つ紹介します。

宅配弁当は電子レンジで温めるだけで食べられるため、買い出しや調理が不要です。

体力の衰えや免許返納などの理由で買い物・調理作業が困難な高齢者でも、短時間で簡単に食事を用意できます。当日注文による配送や置き配などに対応している宅配弁当サービスもあるので、ぜひ活用してみてください。

宅配弁当サービスの多くは管理栄養士による監修のもと作られており、なかには「カロリー」「塩分」「たんぱく質」「糖質」などの制限食があるサービスもあります。

手軽に栄養をコントロールできるため、健康維持はもちろん、持病に合わせて食事内容を制限しなければならないときにも便利です。

「まごころ弁当」や「宅配クック123」などの高齢者向け宅配弁当サービスでは、70歳に必要な栄養バランスを基準とした商品も販売しています。

ただし、たとえ制限食メニューであっても宅配弁当を食べるだけで高血圧や糖尿病は治らないことは覚えておきましょう。持病がある場合は、必ず医師の診察・治療を受けるようにしてください。

宅配弁当サービスのなかには、きざみ食やムース食など高齢者が食べやすい介護食に対応しているところがあります。

料理を作ったあと、高齢者が食べやすいようさらに手を加えるのは非常に大変です。こういった作業を省略できるのは、高齢者が宅配弁当サービスを利用する大きな利点といえます。

宅配弁当サービスなら、介護食がコンビニ弁当と同じくらいの値段で購入できるのも嬉しいポイントです。

宅配弁当サービスには、日替わりで献立が変わったり、時期に合わせてメニューが入れ替えられるところがあります。なかには季節ごとの特別メニューなどを用意している宅配弁当サービスも。

用意されているメニュー数はサービスによって異なりますが、基本的には全種類食べるのは難しいほど品揃えがいいので、飽きずに続けやすいことも宅配弁当サービスのメリットといえます。

宅配弁当サービスのなかには、手渡しで配達することで高齢者の安否確認が同時におこなえるものもあります。

例えば「ワタミの宅食」の「みまもりサービス」は、宅配弁当の配達時に高齢者とコミュニケーションをおこない、アプリを通じて家族に状況や会話の内容などを報告してくれます。

すべての宅配弁当サービスが対応しているわけではなく、対象地域も限られるケースが多いですが、高齢者の安否確認もしたい方には嬉しいポイントです。

高齢者の食事サポートを目的としていても、宅配弁当サービスに介護保険は使えません。

介護保険は最低限の生活支援を目的としているため、ホームヘルパーによる介護訪問や家事代行などであれば介護保険が適用できます。しかし、より豊かな生活を促す宅配弁当サービスは介護保険適用外です。

高齢者が宅配弁当サービスを利用する場合、一定の条件を満たすと自治体の補助金支援を受けられる場合があります。

介護保険を適用するためにホームヘルパーや家事代行を依頼しなくても、補助金で自己負担額を減額できるのが魅力です。

ただし、利用条件・提携サービスなどは、居住地域の自治体によって異なります。詳しくは各自治体のホームページを参照してください。

高齢者本人による注文が少ない理由には、「宅配弁当サービスの存在を知らない」「使い方がわからない」などが影響している可能性もあります。

高齢者（両親・祖父母・親戚など）の健康や食生活が心配なときは、ライフスタイルに適した宅配弁当サービスを積極的におすすめしていきましょう。