声のプロが書籍を朗読してくれる「オーディオブック」。ながら作業に適しており、活字の本にはないメリットが盛りだくさん。
本記事では「オーディオブックとは何か?」からオーディオブックの特徴、利用シーン、おすすめアプリ(無料あり)の紹介・比較まで幅広く解説。これから読書を始めようと思っている方はぜひご一読ください。

オーディオブックとは?
「オーディオブック」は本や小説などの書籍を朗読して収めた音声コンテンツ、一言で表現すると「聴く本」です。
日本の場合、古くは1980年代ごろの「カセットブック」の流行に端を発し、CDを経て、インターネットで音声データをダウンロードする形式が主流に。これが現代のスマートフォン文化とマッチし、現在では多くの人気書籍がオーディオブック化されています。
オーディオブックの6つのメリット
オーディオブックにはどんなメリットがあるのでしょうか。まずはその一例を見てみましょう。
オーディオブックの6つのメリット
- 「ながら読書」で多忙な人でも読書ができる
- 目が疲れていてもしっかり頭に入ってくる
- 聴き放題・毎月1冊本をもらえるなどのお得なプランあり
- いつものスマホが本棚に
- お手軽で聴きやすい! 読書が苦手な方にもおすすめ
- リスニング能力が鍛えられる
「ながら読書」で多忙な人でも読書ができる
オーディオブックは耳で聴くだけなので、家事や運転中でも効率よく「ながら読書」ができます。
仕事や家事など、日々忙しく動き回る現代人に残された時間はわずか。読書に時間をあてる余裕がない方も多いはず。忙しい人こそオーディオブックを利用してみる価値はあります。
目が疲れていてもしっかり頭に入ってくる
オーディオブックなら目を使わなくても読書ができるので、目が疲れてしまっているときでもしっかり内容を理解できます。
仕事ではパソコンや車の運転、プライベートではテレビにスマホなど、現代人は目を酷使しています。目を休ませながら読書ができるのは、オーディオブックのメリット。
普段からよく読書をする方も、たまには目を休ませるためにオーディオブックを利用してみてはいかがでしょうか。通常の読む読書とは違った楽しみ方・良さを実感できます。
聴き放題・毎月1冊本をもらえるなどのお得なプランあり
オーディオブック1冊あたりの価格は1,500円~3,000円程度と、紙の書籍や電子書籍と比べると少々高め。しかし、オーディオブックを提供しているサービスのなかにはお得なプランが用意されたものがあります。
たとえば「audiobook.jp」には月額880円で対象の約1万冊が聴き放題になるプランや、月額料金に応じたポイントボーナスが毎月もらえるお得な月額会員プランがあります。
また、Amazonが提供する「Audible」では月額1,500円で12万タイトル以上のオーディオブック、ポッドキャストが聴き放題。さらに個別で購入したいタイトルは定価の30%オフで購入できるようになります。
いつものスマホが本棚に
これは電子書籍と共通のメリットですが、オーディオブックは本棚やカバンの中を圧迫しません。いつも使っているスマホが、どこでも持ち運べる自分だけの本棚になります。
聴きたい本は容量の限り好きなだけスマホの中に入れられ、紙書籍のように劣化がないため管理も簡単。
お手軽で聴きやすい! 読書が苦手な方にもおすすめ
時間や場所を準備したうえで取り組む読書と違い、オーディオブックは再生ボタンを押すだけ。作業をしながらでも聴けるので、読書よりも手軽に利用できます。
多くのオーディオブックサービスでは声優やナレーターなど朗読のプロが読み上げてくれるため、聴き取りやすいです。自分で文字を追う読書が苦手な方にもおすすめ。
なかには有名な声優や俳優も参加しており、アニメファンやメディア化した作品から原作に興味を持った方には特に嬉しいコンテンツとなっています。
リスニング能力が鍛えられる
オーディオブックで語学本や洋書を聴けばリスニング能力も鍛えられます。これは紙書籍や電子書籍ではできない、オーディオブックならではのメリットです。
たくさんの語学本がオーディオブック化されているため、種類も内容も充実。再生速度を遅くすればゆっくり聴けるので、発音が難しい文章も聴き取りやすくなります。
オーディオブックの利用シーン
家事や作業をしながら
オーディオブックでは本と違って両手が空くため、「ながら作業」にピッタリ。作業用BGM代わりとしてもおすすめです。
車や電車などの移動中に
オーディオブックは車の運転中や電車に乗っているときなど移動中の時間も有効活用できます。
両手が空くので車の運転中や、電車内でつり革をつかんでいる時も再生可能。移動の時間も本を聴くことで有効に使えます。
学習に
オーディオブックでリスニング能力が鍛えられるのは先述の通り。語学以外にもたくさんの学習書がオーディオブック化されているので、勉強にも使えます。
繰り返し聴いたり、再生速度を遅くして聴いたり、自分のペースで勉強できるのも嬉しい点ですね。「Audible」は洋書も豊富なので、英語の学習をしたあとに実際に聴いてみるなどの使い方もアリです。
入眠用BGMに
入眠用BGMとして枕元でオーディオブックを流すのもおすすめです。本と違い目を閉じていてもいいので、一層眠りにつきやすいはず。
また、指定した章で止まるようにタイマーを設定しておけば「寝落ちしてどこまで聴いたか分からない」などの心配もありません。「Audible」のようにスリープタイマーが付いたオーディオブックアプリもあるので、機能面でサービスを選ぶのもおすすめです。
オーディオブックの聴き放題プランはお得?
出典:audiobook.jp
オーディオブックサービスのなかには、定額で聴き放題になるサービスもあります。「audiobook.jp」を例に解説しますが、こちらは月額880円で対象作品がすべて読み放題になるというもの。
オーディオブックの相場は一律ではありませんが、どのサービスでも一冊の平均価格は1,500円程度です。聴き放題を終了すると手元に残らないデメリットもありますが、2,3冊程度聴けば簡単に元が取れます。
新作を読みたい人は、買い切りのサービスがおすすめ
最新の書籍は販売で売上を出したいため、聴き放題のラインナップにはない場合が多いです。そのため聴き放題には古い作品だったり、実用書系の本が多かったりと少し不満が残ります。
「とにかく何でも読みたい」という方であれば読み放題サービスがおすすめですが、「新作のタイトルを読みたい」という方は買い切りのサービスの方が良いでしょう。
オーディオブックサービスの選び方
無料体験で使い勝手を試してみる
オーディオブックは無料の体験期間がある場合が多いです。それぞれのサービスを実際に使って、朗読の声質の好みや聴き取りやすさ、倍速機能などを確認してみましょう。自分に合うオーディオブックサービスが見つかるはずです。
ジャンルや配信数で選ぶ
オーディオブックによって配信されている作品数やジャンルは異なります。ビジネス本や文芸作品を多く配信している、洋書の配信数が多いなど自分の好みのジャンルでオーディオブックを選んでみましょう。
聴き放題や買い切りなどプランで選ぶ
オーディオブックには、会員になると本を購入できる買い切りのプランと、幅広いジャンルの本が聴ける聴き放題のプランがあります。
あまり多くの作品を読まない、1冊をじっくり読みたい方は買い切りプランがおすすめ。多くの作品を読みたい方は聴き放題のプランがおすすめです。
おすすめオーディオブックアプリ6選 機能・特徴を比較
ここからは、オーディオブックを配信しているアプリ(サービス)を紹介します。聴き放題プランあり・小説特化などアプリによって特色はさまざま。サービス選びの参考にどうぞ。
比較表
サービス名 | 作品数 | プラン | 無料作品 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Audible | 40万冊以上(洋書含む) | 月額1,500円で12万タイトルが聴き放題 | なし(30日間の無料体験あり) | 圧倒的な作品数。退会してもタイトルを聴ける |
audiobook.jp | 約2万7000冊 | 月額550円~の会員制度と、月額880円の聴き放題プラン | なし(30日間の無料体験あり) | 和書の作品数はNo1 |
Google Play ブックス | 約2万7000冊 | 通常購入のみ | あり | オトバンクの提携サービスで、audiobook.jpより単価が安め |
kikubon | 616冊 | 月額550円~5,500円までの4プラン | あり(200冊以上) | ライトノベル、小説に特化 |
himalaya(ヒマラヤ) | 2万6000冊以上 | 月額750円の聴き放題プラン | あり | ビジネス関連のタイトルが多い |
HQ | 50万冊以上(ラジオ番組作品を含む) | 250円の有料版(買い切り) | あり(1万3千冊) | 古典、海外作品が多い |
でじじ | 1,000冊以上 | 1,500円の有料版(買い切り) | - | 毎月2冊無料で買える |
「Audible」月額1,500円で12万タイトル聴き放題!
●Audibleの会員特典
- オーディオブック、ポッドキャストが12万タイトル聴き放題
- 購入する際も、全タイトルが30%OFFで購入可
- 交換した本は退会後も残る
「Audible」はAmazonを母体にしたオーディオブックサービスです。ビジネス書、小説、ラノベなど約40万冊、20カテゴリー以上の豊富なラインナップ。大半が洋書ですが和書も1万2千冊あり、角川スニーカー文庫などここでしか聴けない作品も多数あります。
「Audible」は2022年1月27日より、月額1,500円の会員プランでオーディオブックやポッドキャストなど12万以上のタイトルが聴き放題になりました。
なお、購入したタイトルは退会後も引き続き聴けます。
これまでと聴き放題制の違い
これまで | 聴き放題制(1/27〜) | |
---|---|---|
価格 | 1,500円 | 1,500円 |
聴き放題の対象 | ポッドキャストのみ | 12万以上のオーディオブック、ポッドキャスト |
コイン | 毎月1枚もらえる | 支給終了 |
再生方法 | オフラインのみ | オフライン/ストリーミング |
2022年1月26日までは毎月1枚もらえるコインで、オーディオブック1冊と交換するシステムでしたが、現在は12万タイトル以上が聴き放題になりました。
これまでより格段に多くのタイトルを聴けるようになった「Audible」を30日間の無料体験で試してみてはいかがでしょうか?
詳しくはこちら
「audiobook.jp」月額880円で聴き放題 オーディオブックの老舗
「audiobook.jp」は株式会社オトバンクが運営する老舗サービスで、収録数は2万6千冊以上。国内最大級のオーディオサービスであり、和書に限定すれば「Audible」に匹敵するラインナップです。
最大の特長は、1万冊以上が対象の聴き放題プラン(月額880円、初回14日間無料)があること。ほかにもオーディオブックをお得に買える月額会員プランが金額別で用意されています。
なお、「audiobook.jp」の聴き放題プランは退会した時点ですべての作品が聴けなくなってしまう点に注意してください。
「Google Play ブックス」audiobook.jpと要比較。ちょっとお得かも
Androidのスマホではプリインストールされており、iOSでも利用できる「Google Play ブックス」。そこでもオーディオブックが販売されています。「audiobook.jp」を運営する株式会社オトバンクが提供しているため、配信ラインナップは基本的に同じ。
ただし、Google Play ブックスの方が単品価格が安い傾向にあります。「audiobook.jp」と見比べて、より安い方を選びましょう。
iOSの方は、オーディオブックの購入はWeb版から
音声ブック - Google Play の書籍
上記の画像のように「audiobook.jp」(左)より「Google Play ブックス」(右)の方が価格が安い場合があります。気になるタイトルは購入前に要チェックです。
「kikubon (キクボン) 」小説特化。映像化された人気作品も多数配信
「kikubon」は、小説に特化したオーディオブックサービス。「銀河英雄伝説」「創竜伝」など、ここでしか配信されていないタイトルが目白押しです。
また、無料会員特典として「kikubon」限定配信のラジオや対談が盛りだくさん。さまざまなコンテンツが目白押しなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
書籍の購入はWeb版から
耳で聴く本(キクホン) _ kikubon(キクボン)
「Himalaya(ヒマラヤ)」ビジネス向けのコンテンツが豊富
「Himalaya」は無料コンテンツが充実した音声プラットフォーム。オーディオブックも多数配信していて、ビジネス向けポッドキャストも楽しめるサービスです。
キャリア、お金、テクノロジーなどのビジネスジャンルに強く、音声コラムやおすすめの本を紹介する放送などバラエティー豊か。有料のプレミアムコンテンツもありますが、無料でも十分楽しめます。
「HQ」古典や落語などの名作を無料で聴ける
海外のオーディオブックサービス「HQ」では50万冊のオーディオブックがあり、約1万冊が無料。海外製なので他言語のオーディオブックがメインですが、和書も取り扱いがあります。
数字だけ見ればNo1の書籍数ですが、ラジオ番組作品やインディーズ作品も含まれています。和書は古典、落語、語学、ライトノベル、ビジネス関連の作品が豊富。
「でじじ」毎月2冊分のオーディオブックが無料
オーディオブックダウンロードサイトの「でじじ」では、会員になると毎月2冊分無料でダウンロードが可能。他のオーディオブックよりも安く書籍を購入できます。「でじじ」は海外文学、日本文学の古典を豊富に取り扱っています。
気をつけたいのが「でじじ」には専用のオーディオブックアプリがないこと。そのためダウンロード後に自分でMP3プレーヤーになどに転送するか、iTunesなどのプレーヤーで聴く必要があります。
書籍の購入はWeb版から
でじじ:オーディオブック
オーディオブックで聴けるおすすめ作品3選
オーディオブックで聴ける作品の中で、注目の3作品を紹介します。
「モモ」著:ミヒャエル・エンデ ナレーション:高山みなみ
ドイツ人作家、ミヒャエル・エンデによる児童文学作品。1974年にドイツ児童文学賞を受賞。主人公の女の子「モモ」と時間泥棒の話です。
リモートワーク、オンライン授業などにより、時間の使い方が変化した現代人に読んでほしい古典的名作。児童文学なので、読みやすい文章になっています。
「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」著:オードリー・タンほか ナレーション:三輪夏紀
台湾のコロナウイルス対策の立役者となったオードリー・タン氏を取材したビジネス書。これからのAIと民主主義、AIと社会改革の関わりを論じています。
AI、5G、ビックデータなどのテクノロジーによって、どのように社会が動いていくのか彼の考え方を学べます。
「NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来」著:天羽健介ほか ナレーション:藤井剛
何かと話題なNFTについて勉強できるビジネス書。NFTの買い方・売り方 、出品の方法、将来的展望など、NFTビジネスの先頭を走る著者たちが語り尽くす1冊です。
「Audible」と「audiobook.jp」が二大サービス。競合他社も注目
本記事で紹介したオーディオブックサービスのなかでも、特におすすめは「Audible」と「audiobook.jp」。どちらも配信数が多いので、オーディオブックを本格的に使うのであれば、この2つのどちらかを選んだ方が良いです。
筆者のおすすめは「Audible」。月額1,500円で12万タイトルが聴き放題になるのは、買い切りのサービスと比べてもやはり魅力的。また会員になれば作品が常時30%オフになるので、読みたい作品を見つけたときにもお得に購入できます。
また「kikubon」は小説特化、「Himalaya」はビジネス向け、「HQ オーディオブック」は無料で気軽に始めやすいなど、それぞれに強みがあるので自分のスタイルに合ったサービスを選んでみましょう。
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