ミネラルウォーターの中でも「安全性の高さ」を比較し、身体に優しいミネラルウォーターをランキング形式で紹介。選定は「水の硬度」「水の種類」「水の成分」「製造過程での安全性」の4つのポイントで行っています。
「安い水は危険」「ミネラルウォーターは買ってはいけない」という意見も耳にしますが、その真偽についても触れていくので、市販のペットボトル水に不安を感じる方はぜひチェックしてみてください。
安い水は危険? 身体に優しいミネラルウォーターのおすすめランキング
最終更新日:2024年08月19日
身体に優しいミネラルウォーターランキング【TOP5】
「水の硬度」「水の種類」「水の成分」「安全性への意識」の4つのポイントを考慮し、身体に優しいミネラルウォーターをランキング形式で紹介していきます。
【5位】ピジョン 赤ちゃんのピュアウォーター
おすすめポイント
- 加熱殺菌された「純水」
- ミルクの調乳がしやすい
- 余計な物が入っていないため素材の味を引き出せる
子育て用品の製造販売を行っている「ピジョン」が販売しているミルク用の調乳に合う水です。厳密にはミネラルウォーターではなく、限りなく水分子(H2O)に近づけた「純水」となっています。また加熱殺菌が施されており、「赤ちゃんが飲みやすい」ように様々な工夫がされています。
ミネラル分がほとんどないので飲用水として飲むと物足りなさを覚えますが、料理やコーヒーなどに使うと素材の風味を最大限に活かせるので子どもがいなくても利用する価値はあります。
水の種類 | ボトリングウォーター |
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メーカー | ピジョン |
採水地 | 長野県安雲野市 |
硬度 | 0mg/L |
pH値 | 非公開(中性) |
【4位】財宝 天然アルカリ温泉水
おすすめポイント
- "温泉水"を原水にしたミネラルウォーター
- アルカリ性で身体に優しい
- 4mg/Lの超軟水
鹿児島県にある「財寶温泉」を原水にしたミネラルウォーター。特徴的なのはpH約9のアルカリ水なのが特徴です。人間は糖分や脂質を取りすぎると身体が酸化していくので、アルカリ性の水を摂取することで体調の改善が期待できます。
硬度は4mg/Lの超軟水で赤ちゃんからご高齢の方まで親しみやすく、ナトリウムがやや多いため水分補給におすすめです。
水の種類 | ナチュラルミネラルウォーター |
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メーカー | 財宝 |
採水地 | 鹿児島県桜島 |
硬度 | 4mg/L(軟水) |
pH値 | 8.9(アルカリ性) |
【3位】尾鷲名水 熊野古道水
おすすめポイント
- 世界遺産「熊野古道」が原水
- 硬度10mg/Lの軟水でごくごく飲める
- しっかりと湧水の風味がある
和歌山県にある、歩ける世界遺産「熊野古道」を原水にした、硬度10mg/Lの超軟水なナチュラルミネラルウォーター。参考までに、よく売られているミネラルウォーターの硬度は30前後が多いです。低い硬度ながらも、飲んでみるとしっかりと湧水の風味が感じられます。
安全性の観点ではミネラルウォーターとしての混ざり物の少なさ、飲みやすい硬度、加えて飲料水としての美味しさの観点から3位となりました。
水の種類 | ナチュラルミネラルウォーター |
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メーカー | ライフドリンクカンパニー |
採水地 | 三重県尾鷲市長柄町(熊野古道) |
硬度 | 10mg/L |
pH値 | 約7.1(中性) |
【2位】アサヒ おいしい水
おすすめポイント
- 美味しさと安全性を両立させた独自製法
- 飲みごたえを感じる30mg/Lの軟水
- ラベルレスなど、環境に優しい取り組みもしている
「天然水のおいしさ」と「安全性」を両立した「非加熱×ろ過無菌製法」を採用しているミネラルウォーターです。地下水を外気に触れないように組み上げ、非加熱のままミクロフィルターでろ過を行うことで無菌化する独自の製法で安全性の高い水を製造しています。
また近年ではペットボトル商品のラベルレス化が進んでいますが、大手メーカーでラベルレスを採用したのはアサヒ飲料が初。環境にも優しい商品の開発を進めています。
水の種類 | ナチュラルミネラルウォーター |
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メーカー | アサヒ飲料 |
採水地 | 静岡県富士宮市、兵庫県神戸市、山梨県富士吉田市 |
硬度 | 約30mg/L(軟水) |
pH値 | 約8(アルカリ性) |
【1位】サントリー 天然水
おすすめポイント
- 徹底された検査体制
- 採水地で風味が違う
- 水のクセが少なく、お米を炊くのにも使える
第1位はサントリーの天然水シリーズです。特に『南アルプスの天然水』が人気で、Appliv TOPICS内のアンケート調査でも「よく買っている」という意見が多数寄せられていました。硬度30前後の軟水でごくごく飲めるのはもちろん、クセの無さを利用してお米を炊くときに使用する人も多いです。
料理によく使われるこの水ですが、安全性には非常にこだわっており、放射性物質や微生物検査はもちろんのこと、実際に製造員が飲んで以上がないかを確認したり、人間の目で水の濁りをチェックしたりしています。厳しい検査体制による安全性の高さが、商品の人気の秘訣にもなっています。
水の種類 | ナチュラルミネラルウォーター |
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メーカー | サントリー |
採水地 | 山梨県北杜市白州町(南アルプス) 鳥取県江府町(奥大山) 熊本県嘉島町(阿蘇) |
硬度 | 南アルプス:約30mg/L(軟水) 阿蘇:約80mg/L(軟水) 奥大山:約20mg/L(軟水) |
pH値 | 約6.7(中性) |
身体に優しいウォーターサーバーランキング【TOP3】
近年ではウォーターサーバーも家庭で多く導入されるようになってきました。コスト面ではペットボトルの水より少々高く感じますが、すぐに冷水・熱湯をだすことができたり高品質なミネラルウォーターがいつでも飲めたりするので便利です。
今回はそんなウォーターサーバーの中でも「安全面」「衛生面」にこだわっているおすすめサービスをランキング形式で紹介していきます。
【第3位】フレシャス
おすすめポイント
- 国際規格「FSSC22000」を認証取得
- サーバーにクリーニング機能搭載
- 無菌エアレスパックで雑菌が入りにくい
「富士」「朝霧高原」「木曽」の3つの採水地の天然水が味わえるのが特徴のウォーターサーバー。その製造元である富士吉田工場は国際的な食品安全規格である「FSSC22000」を取得しています。
一番のポイントはサーバー本体のデザイン性と機能性を拡充させている点。スタイリッシュでおしゃれなデザインはそのままに、サーバー内の水を循環する機能と、温水を巡らせてサーバー全体の循環を行う2つのクリーン機能がついています。
フレシャスのウォーターパックはほとんど空気が入らない「無菌エアレスパック」を使用しており、雑菌が入りにくく安全性の高い状態で水が飲めるのもポイントです。
水の種類 | 天然水 |
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チャイルドロック | 有(2段階) |
卓上タイプ | 有 |
ボトル交換のタイプ | 下置き |
抗菌・除菌機能 | クリーン機能有 |
【第2位】信濃湧水
おすすめポイント
- 北アルプスの硬度16mg/Lの水が味わえる
- ウォーターサーバー業界初、国際安全規格を2つ取得
- 「エコサーバー」には自動クリーニング機能搭載
北アルプスの硬度16mgの超軟水が体験できるウォーターサーバーです。硬度は低いほどミネラル含有率が低いので、内臓が未発達な赤ちゃんにも飲ませやすくなります。
製造ではウォーターサーバー業界で初のISO22000・FSSC22000という国際規格を取得。採水からお届けまでに関わるすべての情報を明確化するなど、厳しい審査をくぐり抜けてきただけあって徹底した品質管理を行っています。
さらに「エコサーバー」には自動クリーニング機能も実装。サーバー内部を温水循環することでサーバー内部の衛生的に保ってくれます。
水の種類 | 天然水 |
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チャイルドロック | 有(2段階) |
卓上タイプ | 有 |
ボトル交換のタイプ | 上置き |
抗菌・除菌機能 | 一部の機種に自動クリーニング機能有 |
【第1位】クリクラ
おすすめポイント
- 安全性重視のRO水
- 空気清浄機に使われるHEPAフィルター搭載
- チャイルドロックのセキュリティを強化
「赤ちゃんにも優しい水」をテーマに家族で利用しやすいウォーターサーバー作りをしているサービスです。未成熟な子どもが利用することを考慮し、安全面重視のRO水を採用。ウィルスレベルのろ過処理をし、赤ちゃんのミルクに使いやすい成分調整をしています。
またサーバー内には空気清浄機に使われるHEPAフィルターを採用し、ウィルス対策をしっかりしているのがポイントです。
チャイルドロックはセキュリティを強化しており、子どもが何気なく触っただけでは開けることができません。「安全面重視のRO水採用」「子どもへの配慮」「サーバー内の衛生環境」といった要素を考慮し、堂々の1位とさせていただきました。
水の種類 | RO水 |
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チャイルドロック | 有 |
卓上タイプ | 有 |
ボトル交換のタイプ | 上置き |
抗菌・除菌機能 | フィルター機能有 |
ランキングの基準4つと安全性の高い水の選び方
今回作成したランキングの基準は、以下のポイントで判断しています。どれも安全性の高い水を選ぶうえで重要なポイントとなっているので、ぜひチェックして参考にしてみてください。
ランキングの基準4つのポイント
- ポイント1:水の硬度
- ポイント2:水の種類
- ポイント3:製造過程での安全性
- ポイント4:成分表示
ポイント1:水の硬度
水の硬度とは水1Lの中に含まれるカルシウムとマグネシウムの含有量のことです。
含有率が高い水を硬水、低い水を軟水と分けています。硬水は運動後の水分補給に最適ですが、カルシウムやマグネシウムが豊富な分、飲んでみると苦味を感じたりします。一方で軟水は口当たりがよく、さっぱりとした風味です。
具体的な基準値は以下のとおりです。日本国内と世界では基準が微妙に異なるので、海外の水を輸入して飲む際には注意しましょう。
一般的な日本の基準※
区分 | 硬度 |
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超軟水 | 0~50mg/L 未満 |
軟水 | 50~100mg/L 未満 |
中程度の硬水 | 101mg/L ~300mg/L未満 |
硬水 | 301~1000mg/L未満 |
超硬水 | 1001mg/L以上 |
WHO(世界保健機構)の基準
区分 | 硬度 |
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軟水 | 0~60mg/L未満 |
中軟水 | 60~120mg/L未満 |
硬水 | 120~180mg/L未満 |
非常な硬水 | 180mg/L以上 |
硬水はマグネシウムやカルシウムが多く含まれるほか、その他多くのミネラル成分が含まれています。身体に悪いわけではないですが、飲みすぎると一時的な不調を起こすことも。
そこで今回のランキングテーマは「身体に優しい」「安全性が高い」ということで、大量に摂取しても健康被害の出にくい「軟水」、特に50mg/L以下の硬度の水を中心にセレクトしました。
ポイント2:水の種類
販売されているミネラルウォーターは「天然水」と「RO水」に分けられており、単純に安全性の高さで比較するならウィルスレベルの「ろ過」を行うRO水の方が優れています。
しかしRO水はミネラル分を調整していない場合、風味は天然水に劣ってしまいます。なのでランキングではRO水を評価しつつも、衛生面での管理がしっかりしている天然水は評価対象にしています。
天然水
採水地からろ過・沈殿・加熱殺菌のみを行なってそのまま出荷している水です。ミネラル分が豊富に含まれており、ほんのりと味が感じられます。
天然水の中には、風味を残すために非加熱処理のものがあります。食品衛生法で定められた検査基準をクリアしているため、当然ながら飲んでも問題はありません。
しかし85度で30分以上加熱もしくはそれと同等の熱量を加える方法で行う加熱処理は、数ある殺菌方法の中でも高い殺菌作用が期待できる処理方法です。身体のことを考えるのであれば、加熱処理した水のほうが安全性は高いと言えます。
RO水
RO(逆浸透)膜というフィルターを使って、約0.0001ミクロン単位のろ過を行なって出荷される水です。ウィルスでも0.1ミクロン程度の大きさなので、純水に近く非常に安全性の高い水が生成できるのが特徴です。細菌レベルで安心できる水が飲みたい人であれば、RO水を選びましょう。
味を構成するミネラル類までろ過してしまうので風味は天然水に負けてしまいますが、赤ちゃん用のミルクを作るときにはより安全かつ混ざりやすいというメリットがあります。
近年ではRO水にミネラルを配合してより美味しい水を提供するサービスもあります。
ポイント3:製造過程での安全性
主にそのメーカーが「ISO(International Organization for Standardization)」という、安全に関する国際規格を取得しているかどうかです。
その中でもミネラルウォーターやウォーターサーバーのボトルについては、品質マネジメントシステムの「ISO 9001」と食品安全マネジメントシステムの「ISO 22000/FSSC 22000」の2つが注目されます。
どちらも取得には厳しい条件があり、それらを満たしているミネラルウォーターは品質管理や衛生面などできちんとしたチェックが行われている証となります。
その他、販売元のサイトなどで製造時の検査内容などがきちんと明示されているような製品は、安全性が高いと言えるでしょう。
ポイント4:成分表示
ミネラルウォーターの成分は主にナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムの4つですが、それ以外にも様々な成分が含まれていることがあります。
例えばサルフェートやシリカ(ケイ素)、バナジウムなどです。どれも人体に良い影響を与えることが多いのですが、摂りすぎると身体に毒となってしまうこともあります。カルシウムやマグネシウムも摂りすぎると内臓に負担を掛けることがあるため、ランキングでは普段飲みやすい、ミネラル分の少ない軟水を選んでいます。
ミネラルウォーターへの不安をインタビュー
ミネラルウォーターに不安を覚えている人は少なくないでしょう。しかし実際にどんなところが危険だったり、不安だったりするのでしょうか?
そこでAppliv TOPICS編集部では、普段ペットボトル飲料水を購入していない方をターゲットに、どんな点が不安なのかをインタビューしてみました。
今日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
まずペットボトルの水について、率直にどのような印象を抱いていますか?
ほとんど購入しないので、勝手な偏見が入ってしまうのですが、保存料が入っていたり、産地などが本当かな?と思っていたりします。
保存料は確かに不安に思う方はいると思います。ですが飲料水に多い「ナチュラルミネラルウォーター」は品質表示ガイドラインの関係で、添加物を加えることはできません。
1つ気になったのですが、普段の飲料水はどうしていますか?
あまり水そのものは飲まないのですが、家で麦茶を煮沸した水道水から作っています。
冷水で溶かすタイプもありますが、わざわざ煮沸してから作るんですね。
はい、必ず煮沸はします。
なるほど。実際にミネラルウォーターは非加熱の製品もありますが、加熱殺菌されているものもあります。こういった商品についてはどのように感じますか?
それなら割と安心できる気がします!
なるほど。つまり加熱されてれば安心しやすいのですね!
そうですね、安心のひとつの材料になります。
「ひとつの材料」ということは、他に安全かどうかの目安などはあるのですか?
他には国内の産地がどこかや、あまり詳しくないですが衛生基準などがあれば満たしているのかなどが気になります。
産地も大事ですが、衛生基準は気になりますよね。実は商品として世に出ているミネラルウォーターには食品衛生法上で43項目の検査基準が設けてあり、その条件をクリアしている商品しか販売できないんです。
これを聞いてみてどうでしょうか?
そうなんですね、尚更安心できます。勝手に偏見を持っていましたが、安心できそうですね!
ありがとうございます。ちなみに、そういった衛生面への不安はどうして発生したのでしょうか?
ミネラルウォーターには保存料が入っているなどの情報をどこかで見た事があって、そこから感じていました。
ふむふむ。ではミネラルウォーターがより安全性が高く感じられるようにするためには、どんな情報が必要かアドバイスをください。
私のように衛生基準などのことを知らない人も多いと思うので、CMや商品説明に書いてあったらいいなと思いました。
なるほど。つまり衛生基準や産地・加工方法などの情報が明確化されていないのが不安に思う点の大きな要因となっているのですね。ありがとうございました!
ミネラルウォーターの危険性は?
ミネラルウォーターは「天然水」のイメージが先行していて、「そのまま汲んできたから衛生面が不安である」と思う方もいるかもしれません。しかし実際の製造では採水した水をきちんとろ過処理や加熱処理をした上で出荷しており、直前に品質検査まで行っています。
それでも不安が拭えないという方のために、ミネラルウォーターの危険性について以下にまとめてみました。
安全性を水道水と比較
水道水とミネラルウォーターを安全性で比較するなら、原則水道水のほうが安全性は高いです。というのも水道水とミネラルウォーターでは検査項目が異なっており、水道水の方が項目が多く厳しいからです(※)。
また水道水に含まれる塩素は殺菌作用があるため、長時間常温で置いた場合にミネラルウォーターより腐りにくいというメリットがあります。
しかしミネラルウォーターの検査基準は甘いかと言われればそんなことはなく、人体に影響が出ない範囲で抑えられています。また製造元がより厳しい検査を自主的に行っていることもあり、そういった商品は水道水より安全性が高いと言えます。
※水道水質基準について:厚生労働省
※ 商品別検査項目早見表:日吉オンライン検査Web (法定登録検査機関)
安いから「危険」ということはない
「価格が安い=怪しくて危険」と考えている人もいると思いますが、そんな事はありません。ミネラルウォーターを製品として販売するにあたっては、きちんとした検査項目をクリアした上で流通しています。
ミネラルウォーターが安く売られる背景は、主に販売側の発注ミスや販売促進のためのキャンペーンだったりすることがほとんどです。水の安全性の善し悪しで値段が決まるのではありません。
例えば海外が原水のミネラルウォーターは日本へ持ち運ぶコストで高くなったり、水の質は良くても採水量が多く流通しやすい水であれば安くなったりします。「価格が安い=怪しくて危険」は間違いです。
長期保存できるのは、添加物や薬品を使っているわけではない
ミネラルウォーターは長期保存できるため、災害時の備蓄用として購入する方も多いと思います。しかしAppliv TOPICS編集部のアンケートによれば、「長期保存できるのは添加物が入っているせい」だと思っている方がいるようです。
しかしこれは殺菌処理の回数や容器自体の影響によるものなので、ミネラルウォーター本体に保存料を入れているわけではありません。水が腐るのは菌の繁殖が原因で、ペットボトルの強度や密閉性を高め、そもそも腐らせる原因を作らないことで長期保存を可能にしています。
ペットボトルの危険性について
Appliv TOPICS編集部でアンケートやインタビュー調査を進めていると、「ペットボトルの成分が溶け出している気がするから怖い」という意見をいただきました。
では実際にペットボトルには有害物質が含まれているのでしょうか? 以前はプラスチックを燃やす時に出てくる「ダイオキシン」が話題となっていましたね。
PETボトルリサイクル推進協議会によれば、そもそもペットボトル本体を構成する元素は炭素・酸素・水素のみで、ダイオキシンの元となる塩素成分は含まれていません。
また主成分である「ポリエチレンテレフタレート」については、内閣府食品安全委員会の調査では安全性が懸念される結果は認められなかったと報告されています。
これらの報告を見ると、長期保存で多少成分がにじみ出るだけでは人体への影響は少なそうです。また直射日光による溶出でなければ、溶け出すこと自体が本当に長期で保存した場合に限定されます。
ヨーロッパのレポートにはペットボトルの触媒に使用した「アンチモン」という物質がペットボトルに溶出しているというものがありましたが、シーエムシー・リサーチのまとめているレポートによれば、日本ではそもそも「アンチモン」はほとんど使用されていません。
ミネラルウォーターが「身体に悪い」と言われる本当の理由
ここまで見ていただければ、ミネラルウォーターが身体に悪い訳ではないということは理解していただけたかと思います。ではなぜ、ミネラルウォーターが「身体に悪い」と噂されるのでしょうか。
それはミネラルウォーターに含まれるミネラルの一部は、「飲み過ぎ」により身体に悪影響を与えてしまう場合があるからです。特にカルシウムは腎臓の機能が弱っていると、きちんとろ過ができずに毒になる可能性もある点に注意しましょう。
とはいえそれは水に限らず、同じカルシウムが含まれる牛乳やマグネシウムが含まれるアーモンドでも同じこと。何事も「適量」が肝心です。
『コントレット』や『evian』といったミネラル成分の豊富な水は、一日の摂取量を考えて飲むようにしましょう。
摂りすぎてはいけない水の成分
以下に主な水の成分と、摂りすぎたときの症状・摂取目安量などを環境省や厚生労働省のレポートを参考にしてまとめました。食品に比べればミネラルウォーターに含有される量は微々たるものですが、気になる方はチェックしてみましょう。
成分名 | 摂りすぎたときの症状 | 1日の摂取目安量(基準年齢:25歳)※1 |
---|---|---|
カルシウム | 高カルシウム血症(便秘、多尿、喉の乾きなど) | 男性:789mg、女性:661mg |
マグネシウム | 高マグネシウム血症(低血圧、呼吸障害など) | 男性:340mg、女性:270mg |
ナトリウム | 血圧の上昇(高血圧) | 男性:600mg、女性:600mg |
カリウム | 高カリウム血症(腎不全、四肢のしびれなど) | 男性:2,500mg、女性:2,000mg |
バナジウム | 腹部不快感、下痢など | 特になし※2 |
シリカ(ケイ素) | 特になし(摂りすぎても尿で排出) | 特になし※2 |
サルフェート(硫酸塩) | 下痢症状 | 特になし※2 |
安全面を重視するなら、浄水器もおすすめ
単純に安全性の高い水を飲むのであれば、浄水器を使うのもおすすめです。浄水器は水道水の塩素や鉄・ぬめりなどを取り除いてくれるため、より安心できる水を飲むことができます。ただしただ浄水しただけの水はミネラルウォーターになることはないため、風味では天然水に負けてしまいます。
浄水器のおすすめについて詳しくはこちら
ミネラルウォーターが身体に悪い訳ではない
市販の安いミネラルウォーターが衛生面で細菌が混入していたり、身体に害があったりする訳ではありません。しかし飲む人によって合う、合わないといった違いや持病の有無で身体に害を与えてしまうケースがあるのは事実です。
ミネラル成分を多く含む硬水は一度に様々なミネラルを補給できますが、過剰摂取による副作用や内臓が未発達な赤ちゃんが摂取すると負担になってしまうこともあります。そういったリスクを踏まえた上で、ミネラルウォーターを買うときは自分の目で情報をチェックし、信頼できるものを購入するようにしましょう。
ペットボトル飲料水(ミネラルウォーター)を普段買いません。保存料の有無や、品質が気になっています。