Googleが新型スマートフォン「Pixel 9a」を3月19日に発表、4月に発売予定となっています。
Google の Pixel “a” シリーズは、フラッグシップモデルの主要機能を手頃な価格で提供するラインとして人気。昨年発売された Pixel 8a は優れた機能、バッテリー寿命、長期ソフトウェアサポートなどバランスの取れた性能で高い評価を受けました。
その後継となる Pixel 9a が発表され、ほぼすべての面でアップグレードされて登場し、早くも注目を集めています。
本記事では両モデルのスペック、カメラ、バッテリー、ディスプレイ、価格、デザイン、新機能の違いを比較し、最終的にどちらを選ぶべきか解説します。


【比較】Pixel 9a vs Pixel 8a どっちを買うべき? 性能・価格の違いを解説
最終更新日:2025年03月20日

Pixel 9a / Pixel 8a / Pixel 9 比較表
項目 | Pixel 9a | Pixel 8a | Pixel 9 |
---|---|---|---|
ディスプレイ | 6.3インチ 有機EL 最大輝度2700nit | 6.1インチ 有機EL 最大輝度2000nit | 6.3インチ 有機EL 最大輝度2700nit |
リフレッシュレート | 最大120Hz | 最大120Hz | 最大120Hz |
本体サイズ / 重さ | 154.7x73.3x8.9mm / 185.9g | 152.1x72.7x8.9mm / 188g | 152.8x72x8.5mm / 198g |
バッテリー容量 | 5,100mAh | 4,492mAh | 4,700mAh |
CPU | Google Tensor G4 | Google Tensor G3 | Google Tensor G4 |
メモリ(RAM) | 8GB | 8GB | 12GB |
内蔵ストレージ(ROM) | 128GB / 256GB | 128GB | 128GB / 256GB |
防水防塵 | IP68対応 | IP67対応 | IP68対応 |
メインカメラ | 4,800万画素(広角) + 1,300万画素(超広角) | 6,400万画素(広角) + 1,300万画素(超広角) | 5,000万画素(広角) + 4,800万画素(超広角) |
サブカメラ | 1,300万画素 | 1,300万画素 | 1,050万画素 |
急速充電 | 最大23W | 最大18W | 最大27W |
価格 | 499ドル (約7.5万円) | 72,600円 | 128,900円~ |

スペックの違い|プロセッサ・RAM・ストレージ・OS

Pixel 9a ではプロセッサが最新の Google Tensor G4 (Google Tensor G4はGoogleが開発したプロセッサで、Google Pixel 9シリーズに搭載されています。Tensor G3のリフレッシュ版とも言えるチップセットで、AI機能によりカメラ体験や編集機能の向上を実現しています)に刷新され、Pixel 8a が搭載する Tensor G3 から性能向上しています。
実際、Tensor G4 は前世代より CPU 性能で約10~20%向上しており(日常使用でよりスムーズに動作します)、グラフィックス性能も同等か若干向上しています。
どちらのモデルも RAM 8GB、ストレージ 128GB(256GB モデルも販売)で、容量面の違いはありません。
発売時のOS は Pixel 8a が Android 14 で登場し現在は Android 15 までアップデート済み。一方 Pixel 9a は発売時点で最新の Android を搭載。加えて両機種とも発売から最長7年間のOS・セキュリティアップデート提供が約束されており、長期にわたって安心して使い続けられます。
Tensor チップ搭載による AI 機能の充実も Pixel シリーズならではです。

カメラ性能の違い|メインカメラ・超広角・夜間撮影・動画など

カメラは Pixel シリーズの強みで、両モデルともデュアルカメラ構成(広角+超広角)ですが、メインセンサーが異なります。Pixel 8a は 6400万画素(F1.9)の広角カメラを搭載し、Pixel 9a は4800万画素(F1.7)の広角カメラに変更されています。
一見すると画素数が減ってダウングレードに思えますが、Pixel 9a の48MPセンサーはサイズが大きく、画素あたりの受光量が多いため、暗い所でもより多くの光を取り込めます。
その結果、夜景モード(Night Sight)や天体写真(Astrophotography)でよりシャープで明るい写真が期待できます。
実際 Google は Pixel 9a でこれら夜間撮影機能の強化を謳っており、大きなセンサーとTensor G4の画像処理によって暗い場所での撮影が進化しています。
超広角カメラは両機種とも 1300万画素で画角も同じ約120度程度となっており、スペックに大きな違いはありません。
動画性能も両モデル共に4K 60fps(フレームレート)※録画に対応し、手ブレ補正や各種撮影モード(ポートレートモードやシネマティック効果など)はPixel独自のソフトウェアで強力にサポートされます。
Pixel 9aでは新たにマクロフォーカスモードが追加されており、超広角レンズとAI処理を組み合わせることで被写体により近づく撮影が可能になりました。
一方 Pixel 8a はマクロ撮影用の専用モードは搭載していません。このように、日中の撮影や超広角での画角はほぼ同等ですが、Pixel 9a は新しいセンサーと機能で夜景やズームでの撮影など特定シーンでの撮影性能が向上している点が大きな違いです。
※ 60fps(フレームレート)とは、1秒間に60枚の画像で動画が構成されていることを意味します。動画やゲームにおいて、なめらかな映像表現を可能にする値として重要視されています


価格の違い|発売時の予想価格・コストパフォーマンス

価格面ではGoogle は Pixel 9a でもPixel 8a と同じ発売価格 ($499) を維持しました。
米国での発売時価格は両モデルとも 128GB モデルが 499ドルで、256GB モデルは 599ドル です。
イギリスでは 499ユーロ、オーストラリアでは 849オーストラリアドル と、こちらも Pixel 8a から据え置きとなっています。
日本国内で Pixel 8a の発売価格は72,600円でしたが、Pixel 9a も大きくは変わらない水準になると見込まれます。ただし、為替レートによる若干の差調整はある可能性があります。
価格据え置きで性能面での向上を図った Pixel 9a はコストパフォーマンスで考えると非常に魅力的と言えるでしょう。
一方、2024年8月22日に発売された Pixel 8a は値下げやセールによってより安く入手できるケースも出てきています。
実際、価格.comを参照すると、Google Pixel 8a SIMフリー端末は安いものだと5万円台、複数の販売業者が60,100円で販売しており、予算を極力抑えたい場合は在庫限りの値下げ品として今がカイドキとも言えます。
キャリアの乗り換え割引やキャンペーンを利用すれば、Pixel 8a を大幅割引で手に入れられることもあるでしょう。ただし長期的なスペック差やサポート期間を考慮すると、最新モデルである Pixel 9a の方が将来的な安心感は高いです。

デザインの違い|サイズ・重量・カラーバリエーション・素材

Pixel 8aは Pixel 7〜8シリーズと同様、背面にカメラバー(横一直線のカメラユニット)を備えたデザインでした。サイズは高さおよそ152.1mm×幅72.7mm×厚さ8.9mm、重さは約188グラム と、スペック上 Pixel 9a(約152.8mm×72mm×8.5mmで重さ約198グラム) とほぼ同等の大きさです。
Pixel 8a のデザインはエッジが丸みを帯びたラウンド形状のフレームで手になじみやすく、背面はマット仕上げのプラスチック製となっています。
フレーム(側面部)にはアルミ素材が用いられ、IP67 等級の防水防塵にも対応しており、水しぶきや埃への耐久性を備えています。
カラー展開は Obsidian(黒)、Porcelain(白)、Bay(ブルー)、Aloe(グリーン) の4色で、Pixel 7aから一新された明るめのカラーリングがPixel 8a の特徴でした。
Pixel 9a はデザインに大きな刷新が加えられていて雑に言えばiPhoneに近い形状。Pixel 8a との最大の違いは、背面のカメラバーが廃止されていること。
この新デザインによりカメラの出っ張りは極めて小さく抑えられ、背面はほぼフラットになっています。
またフレーム形状も Pixel 9/9 Pro と同様にフラットな側面デザインに変更されており、iPhoneのような直線的でシャープな手触りになっています。
このフラット化により見た目の印象は大きく変わりましたが、好みによって評価が分かれるところかもしれません。
Pixel 9a の本体寸法は高さ154.7mm×幅73.3mm×厚さ8.9mm で、Pixel 8aよりわずかに高く幅はほぼ同じ、厚みも同程度です。
興味深いのは重量でPixel 9a は約185.9g と Pixel 8aより約3グラム軽量化しています。
わずかではあるものの画面の大型化とバッテリー容量増にも関わらず軽くなった要因として、カメラバーの撤廃による部品削減や内部設計の効率化、素材変更が考えられます。
防水防塵も等級が一段上がり、Pixel 8a の IP67 から IP68へと強化されました。また、バッテリー容量も4492mAhから5100mAhに増量されています。
カラー展開は Pixel 9a も8aと同じく4色ですが、カラーに変更が加わりました。定番の Obsidian(黒) と Porcelain(白) は共通ながら、新色として Peony(ピンク) と Iris(淡いパープル) が追加されました。一方 Pixel 8a で展開されていた青系や緑系(BayやAloe)はラインナップから外れています。
Peony は Pixel 9で採用された華やかなピンクで、Iris は薄紫で上品な色合いとなっており、デバイスの個性をより引き立てています。
このように Pixel 9a はデザイン面で大きく生まれ変わり、よりミニマルで洗練されたルックスと、強化された耐久性を実現しています。




Pixel 9a の進化したポイント
Pixel 9a ではハード面の進化に加え、ソフトウェア機能やAI機能の充実も見逃せません。最新チップ Tensor G4 の搭載により、Pixel 9 シリーズで導入されたさまざまな新機能が Pixel 9a でも利用可能です。ここでは Pixel 8a には無かった Pixel 9a 独自の主な新機能を紹介します。
高度な写真編集「Add Me」機能
Pixel 9a は集合写真に後から自分を合成できる「Add Me」 機能に対応しています。
これは2枚の写真(自分抜きのグループ写真と、自分を含めた写真)を撮影し、AI がそれらを合成することで、最初から一緒に写っていたかのような1枚に仕上げてくれる機能です。
例えば家族写真を撮る際に撮影者だけ写っていない、という場合でも Add Me を使えば違和感のない合成写真を作れます。

画像生成ツール「Pixel Studio」
Pixel 9a にはテキストを入力することで画像を生成できる 「Pixel Studio」 機能も導入されています。
これは生成AI(Gemini)を活用した画像クリエーション機能で、ユーザーが入力した文章の内容に沿ったイラストや画像を生成してくれるものです。最新の機能アップデートでは人物を含むイメージの生成にも対応し、より多彩なシーンの画像作りが可能になりました。
創造的な画像加工やイラスト制作をスマホ上で手軽に行えるという点で、Pixel 9a のユニークな魅力となっています。

「Gemini」による次世代AIアシスタント
Pixel 9a では、Google の次世代AIである 「Gemini」 がシステム全体に統合され、より賢いアシスタント機能が利用できます。
例えば受信した Gmail の内容からイベント情報を見つけ出したり、画面に表示中のレストラン情報を検出して友人にテキスト送信したりといった操作をAI が文脈を理解してアシストしてくれます。
また 「Gemini Live」 機能により音声アシスタントとの対話がより自然なものになり、人と会話するようにスムーズなやり取りができるとなっています。
※ただし、一部高度なAI機能(例: 動画を使った対話型AI機能)は Pixel 9 Pro など上位モデルのみ対応・または有料サブスクリプションが必要な場合があります
その他の進化ポイント
Pixel 9a は Pixel 8a に比べ細かな改良点が多数あります。例えば超広角カメラを活用したマクロ撮影モードの追加、電話の自動応答・要件確認を代行する「Call Screen(自動通話スクリーン)」の精度向上、スクリーンショットや検索連携の新ジェスチャー「Circle to Search」対応、動画撮影時の手ブレ補正強化や夜景ビデオモードの搭載など、ソフトウェア面のブラッシュアップが図られています。
また Pixel 8a で導入された最大7年間のアップデート保証も踏襲しており、発売後も新機能の提供やセキュリティ更新が長期にわたって行われます。総じて Pixel 9a は「AI フル活用のスマートフォン」として、前モデルには無い機能が充実していると言えるでしょう。
どちらを買うべき?

スペックと機能の比較から明らかなように、Pixel 9a は Pixel 8a をベースに多くの改良を加えたモデルです。画面はより大きく明るくなり、カメラは新センサーの搭載と機能強化によって、さらに多様なシーンでの撮影が可能になりました。バッテリー持続時間も向上し、デザインも一新されています。
それにも関わらず、アメリカなど海外では価格が据え置かれているのも魅力です(日本での価格はまだ公開されていません)。
加えて、最新チップによる将来的なソフトウェアアップデート対応や AI 機能の拡充も考慮すると、長期的な視点でも Pixel 9a の購入をおすすめします。
ただし、Pixel 8a も依然として 「約5万円で買える最高の Android スマホ」 であり、日常利用には十分な性能を備え、カメラも優秀な端末です。発売から時間が経過したことで、値下げやキャンペーンによる割安感も出ているため、予算を優先するなら Pixel 8a も選択肢として魅力的です。
どちらも魅力的なモデルであり、最終的には用途や予算によって選ぶべきですが、筆者としては 新しい Pixel 9a をおすすめします。
理由として、今後の AI 機能の活用を考えると、Pixel 9a の方が長く快適に使える可能性が高いからです。
日本での発売日はまだ発表されていませんが、おそらく 4月~5月初旬 になると予想されます。続報を楽しみに待ちましょう。
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