「かんたん宅食ガイド ラクタさん」が独自に行なった宅配弁当満足度調査で、「美味しさ満足度」2位を獲得したのが「ベルーナグルメ」でした。カタログ通販の老舗である、株式会社ベルーナが手掛けている通販サービスです。
ベルーナグルメ利用者が「美味しい」と満足した理由は何なのか、どのようなこだわりをもって商品をお届けしているのか、株式会社ベルーナ 浅野さんにお話をうかがいました。
「ベルーナグルメ」インタビュー 目指すは特別な美味しさではなく、日常に溶け込む優しさ
最終更新日：2024年03月26日
フクハラノゾム
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プロフィール
株式会社ベルーナ
グルメ企画室 室長
浅野福太郎さん
ベルーナグルメ 公式サイト
産直から始まった「ベルーナグルメ」
どのような経緯で食品の通販サービスを始められたのでしょうか？
食品事業を始めたのは1992年で、今年で32年目になります。
当時は通販もまだ珍しい時代で、当時社長が「北海道でしか食べられないグルメを、産地直送で自宅に届けてくれるサービスを作ったら人気が出るんじゃないか」と始めたのがきっかけでした。
北海道に事務所を作って、カニとかお肉とかのコースを出したら大ヒットしました。
いわゆる生鮮食品の「産地直送」から始まったんですね。現在あるお惣菜やお弁当の配達を始めたのはいつからですか？
2005年頃からお惣菜の個包装パックを強化し始め、ヒットしました。
ただ個包装のお惣菜ですと1つずつ湯煎で解凍して、盛り付けをして、食べ終わった食器を洗ってと面倒くさいですよね。
少しでもお客様の手間を減らしたかったですし、ワンプレートタイプが各社から少しずつ出始めてきていたので、2016年からプレートタイプの販売をはじめました。
チルドタイプは昔から色々とありましたが、冷凍弁当はこの10年くらいで市場ができてきたと感じます。その中では比較的、早い段階から冷凍弁当をご提供できていると思います。
価格で差別化。企業努力で続けやすい安さを実現
「ベルーナグルメ」はどのような方に利用されていますか？
弊社は元々通販カタログから始まった会社なので、60代以上の方をターゲットにしています。この世代のお客様の悩みは主に2つあると考えています。
1つ目は時短や手間の軽減です。お子さんが巣立って夫婦の二人暮らしになると、趣味などに時間をかけて、食事はあまり時間をかけたくない、手軽にパパッと済ませたいというニーズがあります。
もう1つは食事制限です。年齢的にだんだん食事に制限が必要になってくる方も少なくありません。ですので、カロリー・塩分・脂質などの調整がされた商品をご用意しています。
最近流行っている冷凍弁当は若者がターゲットのサービスが多いですが、「ベルーナグルメ」はターゲットの部分で大きく違っていると思います。
「ベルーナグルメ」の強みはどういったところにありますか？
他社に対してコスパで差別化して、勝たなければいけないと思っています。お客様にとって買いやすい価格を意識して、冷凍弁当のなかでも常に最安値を出せるようにしていますね。
まずは冷凍弁当の利用者を増やさないとと思ってます。
「ベルーナグルメ」の安さはどのように実現しているのでしょうか？
値上げした原料は入れ替えるなど、メニューのリニューアルは常に行っています。
安い食材がまずいのかというと、決してそうではありません。美味しさというのは、味付けや加工の技術によるところも大きいので、工夫次第で値段を下げて美味しいお弁当は作れると私たちは考えています。
また提携しているメーカー様は、弊社とのお付き合いで初めて冷凍弁当を作るようになったところも多く、強い信頼関係を築いております。
価格を抑えながら、栄養面もしっかりと考慮されていますよね。
500種類ぐらいの商品があるのですが、管理栄養士さんに監修をお願いし、塩分とカロリーの調整をお願いしています。カタログにも1食ずつ塩分・カロリーを明記しています。
塩分を抑えようとすると味が薄くなりがちなので、だしで補うなどの工夫することで、お客様にご満足いただけるようにしています。
「食べて美味しい」は目指さない。しみじみと日常に寄り添う落ち着く味に
人気の商品は何ですか？
毎月20種、年間240種届くコースが人気ですね。
その中でも10種ずつ月2回届けるコースと、20種をまとめて届けるコースがありますが、10種ずつのコースの方が人気です。20個まとめて届くと冷凍庫に入りきらない方もいるので、10個ずつコースを選ばれる方が多いですね。
▲1回10種を2週に1回お届けのコース。送料無料で1食あたり500円台。
多彩なメニューの中で、浅野さんが特におすすめしたい商品はありますか？
実はあんまりないですね（笑）
突出した”角”のある商品は続かないと思ってます。定期コースにおける「美味しさ」は、「食べて美味しい」ではないんです。
仮にとても美味しいレストランに毎日行けたとしても、たぶん飽きてしまって食べられなくなると思います。だから「食べて美味しい」ではなく、「食べてて落ち着く」を目指しています。
優しく親しみやすい味が「美味しさ」であり、その最たるものがご飯と味噌汁です。「めちゃめちゃ美味い！」ではないけど、しみじみと美味しさを感じられる、ご飯と味噌汁のような日常の存在になりたいと思ってます。
編集部によるアンケート調査で、「ベルーナグルメ」が「美味しさ満足度」2位に選ばれていました。利用者もその日常の美味しさを実感されているのかもしれませんね。
ありがとうございます。
私たちが商品作りで意識していることがもう1つありまして、「美味しいものを入れる」ではなく、「まずいものを外す」をずっとやっています。
お客様からの声で「この副菜が美味しくなかった」というお声をいただいたら、必ず味を確かめ、微妙なものはリニューアルで外したり、加工の見直しを行ったりしています。
温めのムラも「まずいものを外す」のひとつでしたね。お弁当に4つのポケットがあり、それぞれ温めに必要な時間が微妙に変わります。味、見た目、解凍のバランスの調整を行い、冷たいところが残らないように改善しました。
コールセンターへのお問い合わせやネット上のレビューは、常にチェックしています。
食でたくさんの幸せを演出していきたい
今後の「ベルーナグルメ」の予定や展望を教えてください。
直近では、ごはん付きの冷凍弁当が6月頃にリリース予定です。最近は冷凍ご飯の技術が進んでいて、とても美味しいご飯をご提供できると思います。
長期的な展望としては具体的にまだ言えないんですけど（笑）、ロスの少ない効率的なビジネスモデルを確立して、さらに高品質かつ低価格の商品をご提供できる体制を作っていきたいと考えています。
我々は食を通じて幸せを提供したいと思っています。「美味しいものを食べて幸せな気持ちになった」「好きな人とあれを食べて美味しかった」「孫に出したらすごく喜んでくれた」みたいな、食で演出できる幸せはたくさんあります。そういうものをどんどんご提案して、多くのお客様に喜んでいただけるものをご提供していきたいです。
