6月に開催された「WWDC 2016」において『Apple Design Awards』の発表がありました。
『Apple Design Awards』とは、Apple社が直々に優れたアプリを表彰するもので、150万個以上もあるアプリの中から12個の秀逸な作品が選ばれています。そのうち5つはゲームアプリでした。この記事では、選ばれた5つのゲームを紹介しつつ受賞理由について考察してみました。
『Apple Design Awards 2016』発表。世界で最も洗練されしゲーム5作品
最終更新日:2016年06月16日
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『Chameleon Run(カメレオン・ラン)』
なぜこのアプリが受賞したのか
ラン&ジャンプゲーム自体は似たようなアプリがたくさんありますが、その中でなぜ本アプリが選ばれたのでしょうか。
ビジュアルの差別化とクオリティの高さが大きかったように思います。類似ゲームは大抵2D・横スクロールですが、本アプリは奥行きある3Dグラフィック。まるで高層ビルの間に平均台を渡したような世界観も緊張感があります。大量の類似ゲームを見てきた審査員にとっても、「これは新しい」と感じさせたのでしょう。
『Lara Croft GO(ララ・クラフト・ゴー)』
なぜこのアプリが受賞したのか
ビジュアルの美しさやゲームの面白さもさることながら、本アプリが受賞したのはストーリー性が大きかったのではないかと思います。
ステージをクリアするごとに、画面を覆い尽くすほどの大蛇の尻尾がちょろっと見えたり、これまで進んできたルートが岩崩れで後戻りできなくなったり、「えっ……これからどうなるの?」と不安になる意味深なカットが挟み込まれます。製品に込められた文化や物語を大切にするAppleにとって、本アプリのさりげないストーリー性が刺さったのでしょう。
『INKS.』
なぜこのアプリが受賞したのか
ピンボールはずっと昔からあるゲームの古典ですが、そこにインクを混ぜたことで「どんな絵ができるんだろう」と全く新しい楽しみ方が発生していますよね。大ヒットゲーム『スプラトゥーン』のようにインクがベチャっと塗りたくられる様子は、審査員の目を釘付けにしたに違いありません。
まだ誰もスマホという概念を思いつかなかった頃、故スティーブ・ジョブズ氏が「携帯電話」に「パソコン」を組み合わせた結果生まれたのがiPhoneです。
「ピンボール」と「インク」──全く異なる2つのものを組み合わせることで、新しい価値が生まれる。Appleの文化を象徴するようなゲームだからこそ堂々の受賞となったのでしょう。
■学生賞受賞アプリ
ここからご紹介する2つのアプリは、学生によって手掛けられたものです。すでに高い完成度を誇っていて、これからの活躍が楽しみです。
『Linum』
なぜこのアプリが受賞したのか
一目見てわかる通り、極めてシンプルなデザインです。余計なものをとことん削ぎ落とし、「点と線を目標地点に合わせていく」というゲームの本質だけに絞られた画面は、まさにシンプルさを追求するAppleの方針と調和しています。
「フラットデザイン」であることも高く評価されたポイントのひとつでしょう。これは立体感や光沢感の無いデザインのことで、近年のIT業界で主流となっている手法です。
『Dividr』
なぜこのアプリが受賞したのか
これまで紹介してきた4つのアプリはどれもビジュアルが美しかったですが、本アプリは単調で、そこまで美しいとは言いづらいですよね。
ではどこが良かったのかというと、開発者にしか見えない技術的なポイントが大きいように思います。6s / 6s Plus からのiPhoneは画面を押す指の圧力を検知できるようになっており、この技術を目いっぱい利用したゲームなのです。
親指をほんのちょっとずらすだけで、圧力の変化を正確に読み取ってドットがスムーズに動くんですね。新技術をいち早く取り込み、快適なゲーム性に仕上げたことが評価されたのでしょう。
※iPhone 6以前の端末でも問題なく遊べます
以上、2016年のApple Design Awardsで表彰された5つのアプリをご紹介しました。このうち3つは有料ですが、いずれも「こんなゲームやったことない」「類似アプリとは全然違う」という感覚があり、十分満足できるでしょう。
気になるアプリがあれば、プレイしてみてください。