多くの会社が多様なサービスを展開している格安SIM(MVNO)業界。その中には、SNSや動画・音楽アプリが使い放題になる「カウントフリー」オプションを用意したサービスもあります。
YouTubeの動画が見放題になったり、TwitterやFacebookが使い放題になったり、またはApple Musicなどの音楽が聴き放題になったり……何が無制限になるかは各社異なりますし、料金もバラバラ。おすすめを1社に絞ることはできません。
自分で各社ホームページを1つずつ調べて回るのは骨が折れるので、この記事で各社サービスをわかりやすくまとめ比較しました。
格安SIM「カウントフリー」プラン6社比較 使い放題のアプリ、料金、注意点
最終更新日:2019年01月12日
カウントフリーとは?
モバイルネットワーク(Wi-Fiではない4Gや3Gの状態)で通信すると通信量がカウントされ、1ヶ月の上限に到達すると通信制限をかけられますよね。しかしカウントフリーの場合は、どれだけ通信しても通信量がカウントされません。
もちろんあらゆる通信がカウントフリーになるわけではなく、格安SIMごとに決められた一部のサービス(アプリ)だけ適用される仕組み。主にSNS・動画・音楽ストリーミングに適用されます。
カウントフリー全般に共通するメリット・デメリット
カウントフリーの具体的な内容は各社異なりますが、ほぼ共通している部分もあるので先にご紹介しておきます。
カウントフリーのメリット
YouTubeなどの動画視聴はもちろん、SNSでもタイムラインには写真・動画が溢れています。使えば使うほど通信量はどんどん減っていきますよね。それが一切カウントされなくなるのですから、ヘビーユーザーにとっては非常に嬉しいです。
またどのカウントフリーも料金がリーズナブル。使い放題というくらいだから数千円くらい加算されるのかと思いきや、だいたい月500円程度の上乗せだけで使えるところが多いです。利用するにあたっての設定作業なども必要ありません。
カウントフリーのデメリット
一般に、通信速度が少し遅めだったり、画質や音質を最低レベルにしないと使えなかったりする制限があります。通信量がカウントされず使い放題なのは事実ですが、今まで通りの快適さが保たれるとは限らない点にご注意ください。
また、いくつかの条件下ではカウントフリーの対象外になるケースがあります。各社具体的な条件は異なるものの、
●サードパーティのアプリを使った場合
●公式アプリ内で外部リンクを開いた場合
●テザリングでPCなどからサービスを使った場合
はカウントフリー対象外となるケースが多いです。
カウントフリー対象となるサービス比較表
SNSがカウントフリーになる格安SIM
動画サービスがカウントフリーになる格安SIM
音楽サービスがカウントフリーになる格安SIM
格安SIM各社の詳しい料金・特徴・注意点
カウントフリーオプションを付けるために必要な追加料金を含めた状態で、各社の料金表を作成しました。
DMMモバイル
カウントフリー対象:
LINE、Twitter、Facebook、Facebook Messenger、Instagram
料金
基本料金と、「SNSフリー」オプション250円を合算した表です。
特徴
●SNSがカウントフリーになる格安SIMの中で唯一『Facebook Messenger』アプリにも対応しています。頻繁にFacebookでメッセージ交換をする人には有力。
●利用料金の10%がDMMポイントとして還元され、DMM.com内で利用できます。電子マンガ・電子書籍の購読や、DMM・FANZAの動画視聴もでき使い道にはさほど困らないでしょう。
●1つの契約でSIMカードを2~3枚持てる「シェアプラン」もあり。単体で2~3枚契約するよりもかなり割安で、複数のSIMを使えます。
●「SNSフリー」オプションはもし不要なら解除して月額料金を250円安くできますし、必要なら再度申し込むこともできます。
●はじめの一定量だけ高速通信を行うバースト機能があるため、速度制限にかかっている状態でも比較的快適な通信ができます。
注意点
●Facebook Live(生配信機能)やFacebook Messengerの音声通話・ビデオ通話はカウントフリーの対象外となっています。
LINEモバイル
カウントフリー対象:
「LINEフリープラン」……LINE
「コミュニケーションフリープラン」……LINE、Twitter、Facebook、Instagram
「MUSIC+プラン」……LINE、Twitter、Facebook、Instagram、LINE MUSIC
料金
特徴
●最も安いプランであれば、データ通信量が1GBしかない代わりに月額500円と激安で契約できます。
●契約時に『LINE MUSICオプション』を申し込むと、LINE MUSICの月額料金がスタート2ヶ月は無料、3~6ヶ月目は500円、それ以降は750円で利用できます。通常なら月額960円なので、なかなかおトク。
注意点
●「MUSIC+プラン」の中にLINE MUSICの料金は含まれていません。アプリの通信量がカウントフリーになるというだけで、加入するには別途月額750円がかかります。
●LINE MUSICの音質設定は「中」以下が推奨されています。高音質の設定にもできますが、曲が途切れやすくなる可能性もあります。
●『LINE LIVE』アプリはカウントフリーの対象外。また『Facebook Live』やTwitterのライブ配信アプリ『Periscope』も同様です。
●最安のプランは月500円と激安ですが、容量は1GBで音声通話もありません。音声SIMでデータ容量も増やすと、ごく一般的な料金になります。
LinksMate
カウントフリー対象:
Twitter、Facebook、Instagram、AbemaTV、AWAほか多数のゲームアプリ・ゲーム関連サイト(下記)
カウントフリー対象のサービス一覧
ゲーム
●アークザラッド R
●アイドルマスター 各シリーズ
●あんさんぶるスターズ!
●オルタナティブガールズ2
●グランブルーファンタジー
●剣と魔法のログレス いにしえの女神
●Shadowverse
●戦闘摂理解析システム #コンパス
●刀剣乱舞 -ONLINE- Pocket
●ドラガリアロスト
●プリンセスコネクト!Re:Dive
●みんゴル
●妖怪ウォッチぷにぷに
●リネージュ2 レボリューション
ほか多数。19年1月10日時点で人気ゲーム46作に対応
SNS
●Twitter
●Instagram
●Facebook
その他コンテンツ
●AbemaTV
●AWA
●OPENREC.tv
●GameWith
●FRESH LIVE
●Mirrativ
●App Store/Google Play(カウントフリー対象ゲームのDLやアップデート)
ほか
全ての対応サービスはこちらで確認できます。
カウントフリーオプションについて | リンクスメイト -LinksMate-
料金
特徴
●多くのゲームアプリをカウントフリーにしている点が独特。多くの有名ゲームが対象になっており、随時追加されています。
●対象ゲームと連携することで特典をもらえるのも独自のメリット。一例として『グランブルーファンタジー』ならSSRキャラクターがもらえる、『シャドウバース』ならプレミアムオーブがもらえるなどの特典があります。
●格安SIMの大半はクレジットカード決済ですが、こちらはコンビニ・銀行・WebMoneyとクレカを持たない人向けの決済方法が充実。
●App StoreやGoogle Playで、対象アプリのダウンロード・アップデート・決済を行う通信もカウントフリー。外出先でもゲームの追加データをいつでもダウンロードできます。
注意点
●このカウントフリーサービスは完全なフリーではなく、通信量が90%オフになるとのこと。通信内容により10%ほどはカウントされていきます。
●端末間で直接通信(P2P)するアプリに関してはカウントフリー対象外になります。
●『Facebook Live』『Periscope』などライブ配信機能はカウントフリー対象外になります。
DTI SIM
カウントフリー対象:
YouTube、Twitter、マイナビ(就職情報サイト)、マイナビ学生の窓口(学生向け情報サイト)
※従来カウントフリーだった「radiko.jp」は2018年10月より対象外になりました。
特徴
●月の通信容量は7GBの一択。
●従来はWi-Fiルーターとセットになったプランもありましたが、2018年6月に新規受付を終了しました。
●『20’s SIM』は『DTI 見放題 SIM』の上位版的な位置づけ。iPhoneの画面割れを年1回2000円で修理できる(Androidは対象外)ほか、Wi-FiスクエアやBBモバイルポイントのWi-Fiスポット利用権も与えられています。
注意点
●格安SIMでは高速通信と低速通信を切り替えてデータ通信量を節約する機能がよくありますが、この格安SIMにはありません。
●解約時にはSIMカードの返却が必要で、指定期限までに返却されない場合は3,000円の紛失手数料を請求されます。
BIGLOBEモバイル
カウントフリー対象:
YouTube、YouTube Music、Google Play Music、Apple Music、AbemaTV、Spotify、AWA、radiko.jp、Amazon Music、U-NEXT、YouTube Kids
料金
特徴
●動画と音楽ストリーミングの主要サービスに幅広く対応しているのがメリット。
●テザリングでPCやタブレットから視聴しても通信量がカウントされません。他社SIMではテザリングはカウント対象になることが多いので、これは嬉しいポイント。
●1つの契約で、複数のSIMカードを持てるシェアSIMサービスもあり。2回線契約するよりも大幅にお得で、SIMの種別(データ専用SIM・音声通話SIM)もバラバラに選べます。
注意点
●音声通話SIMなら月額480円でカウントフリーオプションが使えますが、それ以外のSIMであれば月額980円必要です。
●多くの格安SIMには低速通信モードが用意されていますが、BIGLOBEにはありません。月々の通信量を使い切りがちなので、注意しながら使いたいです。
OCN モバイル ONE
カウントフリー対象:
Amazon Music、AWA、dヒッツ、Google Play Music、LINE MUSIC、Spotify、ひかりTVミュージック、レコチョクBest、050 plus、マイポケット、モバONEアプリ
特徴
●追加料金不要で主要音楽ストリーミングサービスが使い放題になります。
●音楽サービスの他に使い放題になる『050 Plus』はIP電話アプリ、『マイポケット』は月額制のクラウドストレージ、『モバONEアプリ』はOCNのアプリです。
注意点
●格安SIMは最低利用期間を設けていないところが多いですが、こちらは6ヶ月間の最低利用期間があります。
●カウントフリーは追加料金がかかりませんが、Webから登録をする必要があります。契約しただけでいきなり使えるわけではないのでご注意ください。
最適なSIMは人それぞれ。自分の用途に合ったサービスを見つけよう
格安SIMは料金システムもサービス内容もかなり異なるので、きちんと理解を深めることが大切です。
YouTubeを見放題にしたいなら現状『BIGLOBEモバイル』か『DTI 20's SIM』の2択。iPhoneの画面割れ修理オプションを必要としないなら、カウントフリー対象が幅広く料金も安めの『BIGLOBEモバイル』がおすすめです。
SNSを使い放題にするなら、LINEもカウントフリーになる『DMMモバイル』か『LINEモバイル』が1歩リードしていますね。LINE MUSICも聴くなら『LINEモバイル』でいいでしょう。
ゲームアプリの通信量を抑えるなら選択肢は『LinksMate』のみです。
筆者は普段BIGLOBEモバイルを利用していますが、格安SIMで噂されがちな通信速度の遅さも大したことはなく、快適に利用できています。携帯ショップに頼らず自分で申し込みや契約をするのは少し手間に思えるかもしれませんが、難しいことはないのでぜひ検討してみてください。