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  • 身近に潜む違法動画の危険性 民放連「違法だよ!あげるくん」が訴えるコンテンツとの正しい向き合い方
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近年話題になっている違法アップロード問題。スマホの普及により手軽にインターネットにアクセスできるようになったため、実は誰でも違法なコンテンツを利用してしまう可能性を秘めています。

今回はそんな違法にアップロードされた動画、違法動画の現状について「違法だよ!あげるくん」のCMで有名な日本民間放送連盟(民放連)の関係者にお話を伺いました。

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今回インタビューを受けてくれた方 ※役職名は取材当時のもの

・川辺 竜之(日本民間放送連盟 知財委員会知財専門部会不正流通対策部会主査(テレビ朝日・ライツマネジメントセンター長))
・品田 聡(同副主査/(日本テレビ放送網・著作権契約部長))

違法配信撲滅キャンペーンを実施、民放連ってどんな組織?

- 民放連はどんな活動をする組織なのでしょうか?

品田:まず日本民間放送連盟(以下、民放連)は地上波に限らずBS局も含め (※)全国の放送局が集まって成り立っている組織です。

その中に色んなことを検討する委員会や部会などが組織されていて、私が今担当しているのは、放送番組の知財に関わる問題を扱っている「知財委員会」の下部組織である「不正流通対策部会」というものになります。川辺さんが主査をしており、私日本テレビの品田がその副主査を務めさせていただいております。

※CSは除く

品田副主査

▲不正流通対策部会副主査の品田 聡氏。違法配信撲滅キャンペーンに取り組んでいる。

- この不正流通対策部会というのは結構昔からある組織なんですか?

川辺:放送番組の流通について検討する組織は20年以上前からありましたが、そのなかで、少しずつ放送番組の海賊版対策についても扱うようになり、2014年の「不正流通対策ワーキングチーム」を経て、2018年度から現在の「不正流通対策部会」という名称になりました。違法配信撲滅キャンペーンについては2014年度からやっています。

- デジタルの不正流通を扱われているという感じなのでしょうか?

品田:はい、おっしゃる通り今はデジタルでの不正流通対策がメインとなっています。

そもそも違法アップロードとは? "誰でも"アップロードできてしまう違法動画の現状

- 違法アップロードとはどういう行為を指しているのでしょうか?

品田:違法アップロードは、著作権者の許諾を得ないまま勝手にアップロードしてWeb上に公開する行為を指しています。

・違法アップロードが摘発された場合

著作権法第119条第一項に基づき、権利者の許可なく動画をアップロードした場合は「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定められています。

- 実際に今、どのような違法動画がアップロードされているのでしょうか?

品田:つい最近で申しますと、宮城県警の方が協力して逮捕された「ファスト映画」の事件ですね。ファスト映画問題については、各放送局でも対策を考えています。

・「ファスト映画」とは?

法律上の権利を無視して権利者に無断で映画の映像や静止画を使用し、字幕やナレーションを付けて10分程度の短い尺でストーリーを明かす違法動画のことを指す。いわゆる「ネタバレ」系コンテンツ。また映画だけでなくアニメやドラマの展開を短くまとめているケースも含んでいる。

- 2014年から8年が経過していますが、違法アップロードの手法なども変化しているのでしょうか?

品田:はい。デバイスはどんどん増えていますし、今は普通の人が違法動画をあげてしまう事例も多いです。特にスマホがこれだけ日本中に広まったことが一番の原因なんだと思います。

本当に気軽に罪の意識なくアップロードできてしまいますので。そういった背景があるため、違法配信撲滅キャンペーンで製作した「違法だよ!あげるくん」はカジュアルユーザーを対象にしています。

- 本人は「違法である」という認識をせずにやっているということでしょうか?

品田:中にはそういう方もいるでしょうね。小学生くらいの子どもにもスマホが普及しているので、お子さんが罪の意識なくテレビ画面をスマホで撮影して、SNSにアップしてしまう場合も想定されます。

スマホが身近になっているのでネットリテラシーの意識こそ高まっているものの、そこが置き去りにされてしまっている部分もあるかもしれません。

- 2014年から2022年までで違法アップロードの件数はどう推移していますか?

品田:一概に増えた減ったというのは算出できませんが増えているのかな、と感じます。実際の摘発はコストがかかるため、正確には言えないんです。

- アップロード自体は増えていますけど、事件として取り扱うのが難しいレベルのものが多いということでしょうか?

品田:そうですね。大きな事件としての件数は少ないですが、先ほど挙げた数秒レベルの違法アップロード件数は挙げればキリがない話です。海外に違法アップロードのサーバーを移すなど相手も巧妙になってきているので、なかなか一筋縄ではいかないですね。

- 海外の違法アップロードも問題視されていますが、やはり海外まで行ってしまうと対処が難しいのでしょうか?

品田:その国の協力体制によると思います。組織的にやっているようなものであれば、そういった捜査に比較的協力的ではない国にサーバーを設置するなどもやっているだろうと推測されています。

- かつての「漫画村」や「Anitube」といった事件よりもっと小規模な、個人レベルでトラブルに発展することはあるんでしょうか?

品田:一個人の方が摘発されたかどうか、ということであれば先ほどあげた「ファスト動画」の事件がそうです。逮捕されたのは男女3人のグループでした。それこそ「皆のために」「善意で」やっているような個人の方がいらっしゃって、「そうじゃないんだよ」っていうことを世に知らしめたのかな、と思っています。

どこまでが違法動画? ネタの切り抜き投稿やブログのネタバレ感想もNG

- SNSでは短尺での切り抜き動画を一般の方が上げていたりしますけど、合法か違法かの区別ってあまり付いていないように感じます。どこまでが許される行為なのでしょうか?

品田:権利者に許諾なくアップロードしているものは基本的に違法という認識です。たとえそれが数秒の動画であっても、です。量や時間の問題ではないということですね。

そのうえで例えば引用など例外的に合法になる場合もあります。ですが法律で認められる引用にはいくつもの前提条件があるため、慎重な判断をしてください。できれば正規の配信サービスでコンテンツをご覧になっていただきたいです。

- ファスト映画の特徴としてあらすじや本筋がわかってしまうという点があげられますが、ブロガーさんなどが自分の感想を交えながら解説する記事などもありますよね。その線引きはどうなのでしょうか?

品田:事前にPRとして放送局等に認定されていて「本編を見てくださいね」という記事であれば問題ないかとは思うんですけども、当然そうではないケースが多いですよね。

ブロガーさんには単純に皆に知ってほしいという方もいれば、下心あって広告収入を得たいというような方もいるかもしれません。"善意"と言いながらも結局そこであらすじがわかってしまうことによって、映画館に行かない、番組を見ない、DVDを買わないという行動に繋がってしまいます。そういったブログで無断で番組をアップロードしていれば、そのほとんどが違法というのが答えになります。

- ではそういったネタバレをする場合に作品を見たくなるようなネタバレの仕方、それを知ることで作品視聴に貢献するなど作品に対する愛があってもダメなのでしょうか?

品田:その線引きっていうのがなかなか難しいところですね。我々とは関係ない第三者がそれをやっているので、仮に私個人は良いと考えていても、他の権利者はそれを良しとしない(※)ということもあります。

権利者には本当にいろいろな方がいるので、中々どれならOKと決めるのは難しいんじゃないかと思います。なので放送局が作為的に仕掛けて、ライターさんに記事執筆を依頼するのは将来的にはあり得るかもしれないですが、やはり現状は愛があっても無断で番組をアップロードするのは違法であることに変わりはないですね。

※ 映画やドラマといった映像作品には監督だけでなく脚本家や演出家、俳優、楽曲ディレクターなど様々な権利者が複雑に絡みあって成り立っている。脚本家や監督には「ネタバレなしで観て欲しい」といったクリエイターとしての思いもあるかもしれない。そのうえで合法でネタバレ記事の中で映像作品の一部を使いたいのであれば、それらすべての権利者から許諾を受ける必要がある。

それ実は危険かも。投稿されやすい違法動画のジャンルと、SNSで気軽に投稿してしまう背景

- 単純な興味なんですが、違法アップロードが多いジャンルなどはありますか?

品田:やはりアニメが多い印象ですかね……。

川辺:最近はバラエティも多くなってきていますね。TwitterやTikTokなど、SNSのシェア機能を使って、動画を友人間でシェアしていく若者文化ができているように感じます。なので本当に悪気なく、「面白いものを皆でシェアしていこう」、「バズらせよう」と悪いことをしている感覚が無いままに違法動画が広がっているケースも多いと思います。

▲不正流通対策部会主査の川辺竜之氏。若者の違法アップロード動画について、わかりやすく丁寧に解説をしていただいた。

- つまり業者ではなく若者同士のコミュニケーションの中で、違法動画が拡散されていると?

川辺:はい。実際にバラエティの面白いところだけを切り取っているケースは最近増えてきています。全編まるまるアップロードしているものだけではありません。

これは以前だったら、翌日学校に行ったら「昨日のあの番組面白かったね」みたいな会話の流れがありましたが、現在はそれがSNS上で展開されていて、若者のコミュニケーションの中に切り抜いた違法動画が悪気無く入ってしまっているのかな、と。

- なるほど。芸人さんのネタが面白かったからそこだけ切り取ってシェアする、というようなことが起こっているんですね。

川辺:大きな話題となるお笑い番組の放送直後はどうしてもありますね。いたちごっこになってしまっていて、順次対処はしているのですが。

テレビを見ない若者が増えたとはいえ、中身はやっぱり今の世代に刺さる番組が多いのでしょうか?

川辺:リアルタイムでテレビの前で時間通り観るという習慣が若者の中で薄れたので、我々放送局も危機感を感じているんです。とはいえテレビコンテンツの中に、まだ面白さを感じてくれてはいるんですよね。だから切り抜き動画が投稿されると。

放送局としては正規の形でご覧になれるサービスを展開しているので、そちらを活用いただいて、テレビの文化を絶やさないような形で支えていただければありがたく思います。

違法動画の視聴は何故ダメなの? コンテンツ衰退の危機に繋がる!?

- 違法アップロードされたものを悪気無く利用している人も多いかと思いますが、そうなっていった場合にどのような悪影響が考えられるのでしょうか?

品田:なぜ悪いことなのか。この理由には二つありまして、一つは違法動画を見るということは、違法動画をアップロードした人をサポートすることになってしまうこと。閲覧回数が多くなれば広告収入が入るサイトもありますし、そうした収入を目当てに違法アップロードしている方もいらっしゃいます。

もう一つは、放送番組に関係する権利者の方々に適切な対価を還元できなくなってしまうことです。正規の視聴であればそれがそのまま売り上げにつながりますし、無料サイトでも正規サイトであれば広告収入が権利者に入ります。違法アップロード動画は、どんなに汗水を流して映像を作っても権利者に何も還元されません。権利者が収入を得られなくなれば、今後良質なコンテンツを継続的に提供できなくなってしまう可能性もあります。

ユーザーの視聴方法 違法アップロード業者 権利者
正規の配信で観る アップロードしても再生数が伸びず、徐々に衰退する 収益が権利者に入り、続編や新作を作りやすくなる
違法アップロード動画を観る アフィリンクや再生数による収益で違法業者だけが儲ける 収益が得られず、予算不足でコンテンツを作れなくなる

違法アップロードの見分け方、迷ったら公式配信サービスを使おう

- 見る側が違法なのかどうなのかわかっていない人もいるのかなって気もするんですけど、自衛の意味でも簡単に見分ける方法があれば教えていただきたいのですが。

品田:我々放送業界では公式配信サービスを展開しております。例えば民放全般で言えば「TVer」とか「GYAO!」ですね。またTV局の配信サイトはもちろん、YouTubeにある放送局の公式チャンネルなどでも正規の配信でご覧いただくことができます。

代表的なキー局の配信サービス

- 取り組みとしては「エルマーク」とかもありますよね。しかし公式と見せかけて違うパターンもあるんでしょうか?

品田:それはあるかもしれないですね。手口が巧妙化していくととなりすましサイトのようなものが立ち上がって、ユーザー目線での区別がつかなくなってしまうでしょう。色々なモデルが出てきますよね。なのでユーザーがサイトだけを見て独断で合法かどうかを確認するのは難しいと思います。

・「エルマーク」とは?

レコード会社・映像製作会社から正規に提供され、配信されている音楽や映像、そして正規サイトに表示されるマーク。信頼できるサイトの指標になるがすべての正規配信サービスに付与されるわけではなく、エルマークが無いから違法とは言い切れない。

エルマークの発行サービス | 一般社団法人 日本レコード協会

- では私たちは何を参考にチェックすればよいのでしょうか?

品田:情報をきちんと見て、それがテレビ局だったり信頼のおける会社さんが運営されているサービスであることを確認しましょう。また我々もできる限り「ここで見て欲しい」というのを伝えていくべきだと考えています。

「違法だよ!あげるくん」とは? 制作時のエピソードやユーザーに与えた影響

- 「違法動画」に対する取り組みの中で、実施された施策などはありますか?

品田:民放連の枠組みの中でできるメインは啓発キャンペーンですね。違法配信撲滅キャンペーンの啓発として「違法だよ!あげるくん」があるので、このCMを積極的に放送で流したり、SNSにも動画を広告として出していたりします。

川辺:YouTubeでも「あげるくん」の動画を配信しており、直接ネットを利用するユーザーさんにもリーチできるようにしていますね。また、キャンペーンの成果を図るためのネット調査をかけて、皆さんの意識や認知度を測っています。

・「違法だよ!あげるくん」とは

放送番組の違法配信撲滅キャンペーンとして実施された、可愛らしいアニメCM。主な内容は「あげるくん」という男の子が違法動画をあげ、それに対して犬のキャラクター「トメ吉」がハスキーボイスで「つかまるよ、マジで。」と注意を促すというもの。現在は6種類あり、SNSなどでも反響を呼んでいる。

- 違法動画の危険性を伝えるために「あげるくん」という、わかりやすいアニメキャラクターを使ったプロモーションは、どういうきっかけで始めたんですか?

品田:前提として動画投稿サイトなどに違法と知らず動画投稿をしているユーザーも少なくなかったことから、2014年度から動画を通じて違法アップロードについての啓発プロモーションをする、放送番組の違法配信撲滅キャンペーンというのを開始しております。

最初の5年間は俳優の遠藤憲一さんにご出演いただき、刑事や学校の先生を演じるドラマ仕立てのCMを放送して、無断アップロードは違法であることをストレートに伝えるということを行ってまいりました。

2019年度からはカジュアルユーザー対策に焦点をあて、アニメを取り入れて大人から子供まで浸透するような親しみやすいキャラクターでメッセージを伝えることにいたしました。「違法だよ!あげるくん」は今年で4年目となりまして、今は6種類のCMがあります。

- あげるくんはどことなく某国民的アニメっぽい世界観(一同笑)を感じるのですが、あのような世界観にしたのは何か理由とかあるんですか?

品田:これは制作者側の意図もありますが、我々も企画を提案いただいた際は、親しみやすい、身近にいそうなキャラクターを評価して採用しました。なかなか最近土管があるような公園ってないんですけど(一同笑)。

そういう親しみやすさという点で、大人から子供まで人気の国民的アニメの雰囲気は近いものがあるかもしれません。「なんかこの子可愛いよね」とか、「でもこんなことやっちゃまずいよね」とかそういうコミュニケーションが生まれることを期待して作ったという経緯がございます。

- CMを公開されてからどのような反響がありましたか?

品田:目に見える成果としては、SNS上で実際に違法アップロードした人に対して、「違法だよ!あげるくん」というフレーズを実際に使って指摘する投稿などが見受けられるようになりました。

またあげるくんのキャラクターを好意的に受け止めてくださった方のお声もオフィシャルサイトに届いております。今年の初めにあげるくんの新作のCMをリリースしたときには、ネットニュースなどにも取り上げていただき大きな反響がありました。

毎年実施しているインターネット調査(※)で無断アップロードの違法性を認識している人は年々増えておりまして、ここ数年では8割以上の方が違法行為であると認識していることがわかってきました。キャンペーンを継続してきた効果はそれなりに出ているのかなと感じています。

※毎年3月ごろにインターネット調査会社を通じて市場調査を実施

- 以前のCM(遠藤憲一さん)と比較するといかがですか?

品田:ネット調査の結果では違法行為の認識者は増えているという風には聞いております。もちろん遠藤憲一さんの動画も反響はありました。俳優さんの人気にあやかっていることもあり、インパクトがあったと思います。

あげるくんはネットユーザーの方にいい意味でバズっています。すごく可愛がっていただいているという実感はありますね。

- CM以外の取り組みですと、何かありますか?

品田:各権利者の団体と連携(情報交換)して、お互いに「こういった違法動画があがっているよね」とか「これはどう対処しよう」とか、頻度は高くないのですがそういうお話をしています。

川辺:各放送局での取り組みになるのですが、番組の最後に「無料見逃し配信はTVerで」というテロップを出して公式サイトへ誘導するように努めています。

- 番組公式でショート動画をアップするというのも増えましたよね。

川辺:配信でどれだけ数をまわせるかというチャレンジをする中で、配信オリジナルというものにも最近は力を入れています。地上波では入りきらなかったおまけが観られます、みたいな。そこは違法アップロードサービスではできないことですから、我々放送局側の強みとして活かしていきたいなと思っています。

視聴者の私たちは何ができる? 最も大事なのは正規の配信サービスを利用すること!

- 実際にあげるくんを身近に見つけてしまった場合、私たちはどう対処したらよいのでしょうか?

品田:難しいですね……。中々あげるくんのCMのようにはすんなりいかないのかなぁとは思いますけど、私なら例えば家族だったり、自分の子供だったりがそういうことをしているのを発見してしまったら、それは違法だよって言っちゃうかもしれないですね(笑)。相手を選びながらになるとは思うんですけども、そういった、関係性に応じて指摘してあげるのは重要なことと思います。

- 違法アップロードされているサイトを見つけた時、 私たちにできることはありますか?

品田:やってくれたことの例として、違法アップロードサイトに上がっているコンテンツが例えば弊社のサービスであった場合は、視聴者センターに「日テレさんのが上がってますよ」って連絡をしてくださる方が日々いらっしゃいます。他の放送局さんもそうだと思います。

恐らくネット上であげるくんなどを見て正義感を感じた人が、そういった行動を取ってくださっているケースがあります。その点では本当に感謝申し上げています。

- では各テレビ局にそういったような窓口があるので、もし見つけた場合にはできればご報告をあげたほうが良いということでしょうか?

品田: 報告の数が増えるのは嬉しいのですが、真偽チェックも含めると時間がかかってしまい、全てに対応するのは現状難しくなっています。

- 結論として、ユーザーである私たちが良質なコンテンツを促進するためにできることは何なのでしょう?

品田:正規のものを購入する、観たいもの(見逃したもの)は公式の放送で観る、違法なコンテンツは利用しない。もうこれに尽きると思いますね。後は友人などから「こういうサイトいいよ」と誘われても「いや、俺はちょっとそっちは使わないかな」みたいな会話ができると良いかもしれません。もちろん強制はできませんが。そういった流れができてくるようになると嬉しく思います。

- 違法アップロード問題には、ユーザー全体の意識が重要になるということでしょうか?

品田:違法なことを皆で続けたり放っておいたりすれば、今後良質なコンテンツが出てこなくなってしまう事態になる可能性があると思います。やはりスタッフ(権利者)はそれを生業としてコンテンツを制作していますから、違法アップロードにより収入が減ればご飯を食べていけなくなってしまいますし、「じゃあやーめた」ということになりかねません。

それが全体的に広がれば日本のコンテンツ、ひいては文化自体がどんどん衰退していってしまうという結果になりかねませんので、その点をご理解いただきたいです。軽率に動画をあげることの積み重ねがそういったことにつながっていくので、我々や役所による教育なんかが必要なんだと思います。親御さんの教育ですとかご自身の学習とかも大事とは思うんですけども、やっぱり国全体として取り組んでいくことが重要なのかなと考えています。

「違法だよ!あげるくん」はまだまだ続く、今後の展開に期待

- 今後新たな展開などの予定はあるのでしょうか?

品田:つい数か月前にあげるくんの新作を出しまして、今のところは予定がないんです(笑)。民放連では6月からが新体制ということもあり、まさに今新体制で予算に応じて新たな検討が始まっていく段階となっています。

- また新たなバージョンのあげるくんのCMができたりするんですね

品田:そうですね。あげるくんについては引き続き中心として行っていく予定です。時代時代に応じて新たなものを作成し、息長く続けられたらいいなぁと個人的には思います。

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