新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とし、2020年6月19日(金)にリリースされた接触確認アプリ『COCOA(ココア)』。

2020年10月9日(金)現在でダウンロード数は合計で1,821万件を超え、徐々に利用者も増えていますが、本アプリはリリース当初からさまざまな疑問の声が上がっていました。

そこでAppliv TOPICSではそれら疑問に対する公式の見解を得るべく、新型コロナウイルス感染症対策を推進する「厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部」にメールインタビューを依頼。厚生労働省としての正式な回答を得ることができました。

接触確認アプリ『COCOA(ココア)』とは

『COCOA(COVID-19 Contact Confirming Application)』とは厚生労働省と新型コロナウイルス感染症対策テックチームと連携して開発した、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について、通知を受けることができるアプリです。

『COCOA』はAppleとGoogleが共同開発したAPIを活用。利用者の同意のもと、スマホのBluetooth通信機能を利用し、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性を検知して記録します。

陽性者との接触の可能性が確認された場合、検査の受診などのサポートを早く受けることができます。

発表直後からさまざまな疑問が

出典:AppleとGoogle、新型コロナウイルス対策として、濃厚接触の可能性を検出する技術で協力|Apple

2020年4月11日(日本時間)に「AppleとGoogleが濃厚接触を検出・追跡するAPIを開発中」とのリリースが発表され、ネットを中心に話題に。

5月上旬には新型コロナウイルス感染症対策テックチームが実施する会合内にて、日本版の接触確認アプリの開発状況が公表されるとテレビなどでも大きく報道され、その存在が広く一般にも知られることとなりさまざまな疑問が湧き上がりました。

6月11日にアプリがリリースされると各メディアは大きく報じ、その中で特に議論となったのは「アプリのインストール数(普及率)」と「個人情報の収集」の二点でしょう。これらについて接触確認アプリに関わった開発者や有識者のSNSでの発言などをはじめ、多くのインタビュー記事やコメントが公開されてきましたが、これまで厚生労働省が民間のメディアに対してコメントを発表することはありませんでした。

『COCOA』の使い方や各種解説、ニュース記事を作成しているAppliv TOPICSでは、これらの疑問に厚生労働省公式の回答が必要と考え、厚生労働省へ『COCOA』についてのインタビューを打診。

東京都をはじめ各地で感染者が増加傾向にある時期だったためインタビューの実施こそ難しかったものの、「厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部」の担当者から、メールおよび電話での質疑応答を快諾して頂きました。

『COCOA』について質問と回答

アプリについて

───よろしくお願いします。まずはじめに『COCOA』を提供する取り組みに至った経緯を簡単に教えて下さい。

アプリの開発は受託事業者に加え、民間技術者が参加するオープンソースコミュニティーであるCOVID19- Rader Japanや、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策テックチームの協力団体・企業など、多くの民間の有志の方々から、ご協力をいただきました。

4月より内閣官房テックチームにおいて、接触確認アプリの検討を行っていましたが、Apple、GoogleがAPIの仕様を発表(一国一アプリ、保健機関所管)したことを受けて、5月に開発を厚生労働省に移管しました。

───『COCOA』で、どのようなことを実現したいと考えていますか。

新型コロナウイルス感染症においては、一部に特定の方から多くの方に感染が拡大したと疑われる事例があります。

『COCOA』に陽性者が登録することで過去に接触した可能性のある方に通知が届き、通知を受けた方が検査の受診等につながるサポートを早く受けることで、感染拡大防止につなげていきたいと考えております。

『COCOA』の使い方について詳しくはこちら

接触確認アプリ『COCOA』の使い方 新型コロナウィルス感染症の拡大防止に

───『COCOA』はシンプルな設計ですが、スマホにアプリを入れておくだけでいいのでしょうか? アプリを正しく使用するためのポイントをお聞かせください。

はい、アプリをインストールしたあとに難しい設定などはありませんが、スマートフォンのBluetooth(ブルートゥース)機能および接触ログ機能を必ず有効にしてください。これらが有効になっていない場合、接触確認アプリが機能しませんのでお気をつけください。

アプリのインストールはApp StoreまたはGoogle Playから行えますので、「COCOA」または「接触確認アプリ」で検索してダウンロードしてください。

▲アプリをインストール後、それぞれ有効にする必要がある。

───常にBluetoothをオンにしていると、スマホの充電の減りが激しいという声も多くあります。特にここだけはオンにしておいて欲しいという場所や場面はありますか? もしくは常にONにしていないと意味がないものなのでしょうか?

消費電力についてのお問い合わせは多く頂いておりますが、接触確認アプリは低消費電力なBluetooth Low Energyを使用しています。ご利用する端末や環境でも異なりますが、Bluetoothを常時ONにしていても大きく影響しない想定です。

どこで、いつ陽性者と接触するかはわかりませんので、できましたら常時ONにしていただければと思います。

Bluetooth Low Energyとは

低消費電力の通信規格。ヘッドホンやイヤホンなどPC周辺機器のデバイスを繋ぐために利用されているBluetooth規格とは異なり、通信相手を検索する際のチャンネル数の削減や、通信あたりのデータザイズを小さくする事などで消費電力を抑えています。スマートフォンではAndroid 4.3以降/iOS 5以降から採用されており、多くの端末が対応しています。

───なるほど。では、実際に接触通知を受けた方はどうすれば良いでしょうか?

アプリで接触通知を受けた方については、症状の有無や感染者等との接触の心当たりにかかわらず、全員に検査を受けていただけるようにし、アプリの画面についても必要な改修を進めています。

───検査にかかる費用はどうなるのでしょう?

アプリで通知を受けPCR検査等を受ける場合は、検査費用の自己負担はありません。ただし初診料等のみ患者の自己負担となります。

アプリ普及の数値目標は「設定していない」

───ここから少し、質問を変えさせて頂きたいと思います。アプリの効果について「一定の割合まで普及する必要がある」という言説が注目され、ユーザーの関心を引いています。クラスター班としてのご意見を聞かせていただけますか?

『COCOA』は、みなさん一人ひとりの同意とご協力を頂きながら普及を進めています。できるだけ多くの方にダウンロードして頂き、利用者が増えることで感染拡大防止につながることを期待しています。

───日本大学生産工学部の研究によれば「約半数の⼈々がアプリを利⽤し、感染者と接触したことを知った⼈は、外出を半分にすることができれば、感染者数が半減する」という目安が示されています。クラスター班としてインストール数の数値目標などはあるのでしょうか?

数値目標などはありませんが、より多くの方にご利用していただけるよう普及を進めています。

▲日本大学生産工学部が発表した資料内の画像。アプリの利用率と接触確認後の外出自粛度に伴って感染者数が増減するのが分かる。
出典:COCOA(接触確認アプリ)を利⽤したCOVID-19(コロナ)感染者数削減効果| ⽇本⼤学⽣産⼯学部(PDF)

運用を開始してからの利用者の反応

───アプリをリリースしてからのユーザーの反応を聞かせてください。アプリ利用者からどのような問い合わせが寄せられていますか?

ユーザーの方からは、さまざまなお問い合わせを頂いております。厚生労働省のHPに主な問い合わせ内容とその回答を公開しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。一部を以下でご紹介します。

▲厚生労働省HPのQ&Aの一部。さまざまな質問と回答が掲載されている。
出典:接触確認アプリ利用者向けQ&A

接触確認アプリ利用者向けQ&A

───『COCOA』の情報が発表されてから、個人情報についての疑問や不安の声が多く上がっています。利用者のプライバシーは守られるのでしょうか。

接触確認アプリについて、プライバシーに関するご心配のお声をいただくことがありますが、

・電話番号などの個人情報や位置情報は取得しない
・ブルートゥースを利用し、近接した可能性がある場合にランダムな符号を交換して記録することによってアプリ利用者同士でもどこで、いつ、誰と接触したのかが互いにわからない
・近接した可能性に関するランダムな符号は端末内でのみ記録され14日経過後に自動で無効となる

などの仕様によって、プライバシーに最大限配慮した安心な仕組みとなっています。

───『COCOA』は、コロナウィルスの陽性者が登録してはじめて機能するアプリだと思いますが、陽性者の登録を促すために行政側で行っていることはありますか?

接触通知を受けた方が検査の受診等につながるサポートを素早く受けることができることや、検査をする場合は行政検査として検査費用の自己負担を求めないことを周知していきたいです。

また感染が確認された方については、保健所等より丁寧に陽性者登録へのご協力をお願いしてます。

アプリの今後について

───今後の方針についてお聞きします。『COCOA』のダウンロード促進の施策などは予定していますか?もし予定している場合、どのような施策なのか可能な範囲で教えてください。

接触確認アプリの利用拡大に向けて、各通信事業者による案内送付や、経団連などの経済団体からの勧奨などを行ってきました。

今後、著名人の方々からも『COCOA』についてPRを行っていただけるよう、ご相談をさせていただいています。引き続き、必要な改善を行いつつ民間や自治体の皆様のご協力をいただきながら、アプリの周知・普及を進めたいと考えております。

▲内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室が公開した、接触確認アプリ『COCOA』への協力をお願いするCM。

───最後に、今後ユーザーにお願いしたいことはありますか?

接触確認アプリ『COCOA』は、利用者が増えることで感染拡大の防止につながることが期待されるものです。「安心」のためにみんなでこのシステムを作り上げたいと考えているので、周囲の方にも利用を呼びかけていただけると嬉しいです。

───ありがとうございました。

みんなで協力すればより効果を発揮する

『COCOA』アプリの普及率に関してさまざまな意見がありますが、厚労省としてはあくませ目標設定はなく、より多くの方に利用してもらえるよう努力していくというのが基本方針のようです。

前述の日本大学生産工学部の研究では「約半数の⼈々がアプリを利⽤し、感染者と接触したことを知った⼈は、外出を半分にすることができれば、感染者数が半減する」という目安でしたが、オックスフォード大学の研究によれば『COCOA』同様の曝露通知システムで、15%程度の普及率で一定の効果があると発表されています。

数字はさまざまですが、より多くの方が『COCOA』(またはそれに準ずるシステム)を利用し協力することで感染を抑えていくことができるというのは共通の認識なので、まだ本アプリを利用していない方はインストールを検討してみてはいかがでしょうか。

参考:New research shows tracing apps can save lives at all levels of uptake

厚生労働省の公式サイトはこちら

新型コロナウイルス接触確認アプリ
新型コロナウイルス接触確認アプリ

Ministry of Health, Labour and Welfare - Japan

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