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子どもがいるご家庭での食事。時には外食をしたり、テイクアウトや総菜、宅配弁当を利用するなど、いつもと気分を変えて楽しむのも良いものです。

前回のコラムでご紹介した通り、子どもの心身の健康を育むためには栄養面だけではない「食事を楽しむ」気持ちが大切です。

本記事では、子どもと一緒に外食や中食をする際に気をつけたいこと、気になる点などを、ラクタさんにお寄せいただいた疑問を中心にお答えしていきます。外食や中食は、上手に活用すれば子どもの心身を育てる貴重な機会にもなるのです。

著者
庭乃 桃( 料理・食文化研究家、女子栄養大学 食生活指導士)

東京大学大学院修了。料理家として「おいしい」をとりまくさまざまな食文化や食卓の風景に目を向けながら、企業向けレシピの開発、食関連の執筆、講演など多方面で活動中。

【レシピ開発(敬称略・順不同)】
欧州連合(EU)、日本私立学校振興・共済事業団、株式会社カーブスジャパン、岩谷産業株式会社、カリフォルニアくるみ協会、全国かまぼこ連合会(現・一般社団法人 日本かまぼこ協会) ほか。

【コラム執筆(敬称略・順不同)】
カリフォルニアくるみ協会、ホットペッパーグルメ 食を楽しみたい人のグルメ情報マガジン『メシ通』、レシピサイトNadia、食ZENラボほか。

【著書】
『おいしく世界史』(柏書房)

【テレビ出演】
NHK「ひるまえほっと」

公式サイト
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外食・中食は子どもに悪影響?

さまざまなメニューを手軽に楽しむことができる外食。そしてコロナ禍以降、さらに需要が増えてきたデリバリーやテイクアウト、総菜や冷凍食品、宅配弁当などの中食。こうした食事は、家庭の味とはまた違った食体験を子どもたちにもたらしてくれます。

しかしその一方で、栄養バランスの偏りや体への影響など、子どものいるご家庭では何かと気にかかることも多いと言われます。

塩分、脂肪、刺激物に注意

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)より作成

外食や中食をとり入れる上でやはり気をつけたいのが、塩分と脂肪です。

外食や中食は、多くが濃いめの味付けで作られています。また揚げ物なども少なくないため、体が小さく内臓機能が未発達な子どもには多くなりすぎることがあります。

また、小学生くらいの子どもの場合、唐辛子やわさびなどの刺激物も無理には食べさせず、できれば消化器官が完成すると言われる10歳くらいまで待った方が無難です。

大人と同じような食事を食べられるようになったとはいえ、子どもの成長には個人差があるため、できればカロリー表示や食品成分表示などを参考にしながらそのつど体調を考えて与えるようにしましょう。

メニューえらびの工夫

最近は外食や中食でも食べられる料理の選択肢がかなり増えてきているため、メニューえらびに工夫するのもひとつのやり方です。

カロリー表示や食品成分表示を参考にするのはもちろん、塩分や脂肪が控えめのもの、添加物の少ないもの、野菜を多く使っているものなど、各企業共にさまざまなメニューを開発しているのでそれを活用するのも良いでしょう。

しかし、外食や中食を利用する際には、ある程度割り切って楽しむ気持ちも必要です。

あまり細かく気にしすぎるよりは、多少栄養バランスに偏りがあっても、足りない分は別のタイミングで調整するつもりでまずは食事そのものを楽しんでみましょう。

さまざまなメニューが味わえる外食や中食では、子ども自身、食べる意欲がわくことも多いので、会話をしながら楽しく食べることそのものがなにより豊かな食体験につながります。

適切な量と頻度は?

外食や中食を食事にとり入れる場合、子どもにはどのくらいの量を食べさせてよいのでしょうか。また、気になる頻度についても考えてみます。

年齢に合わせた程度と個人差

学童期(6~12歳頃)の子どもは、体の発育に個人差が大きいため、これだけ食べるのがよいという厳密な決まりはありません。

ただ、食べ過ぎれば当然体調を崩すこともあるので、そのつど様子をみながら無理なく食べさせるのがおすすめです。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)より抜粋

ひとつの目安としては、「日本人の食事摂取基準」(2020年度版)に上記の値が掲載されています。こちらにある推定エネルギー必要量(子どもが一日に必要とするエネルギー量)のうち、だいたい1/3量を一食にできるようにするのも良いでしょう。

とはいえ食育の観点から言えば、この時期の子どもは食べる量を自分で調節したり、食事の適量が自分でわかるようになるというのもひとつの目標です。

むしろ外食や中食を、自分でメニューを選んだり、どのくらいで食べ終わるかを考えさせる良い機会ととらえるのがよいかもしれません。

外食・中食の頻度

外食・中食の頻度については、そのつどの食事の内容によるところが大きいと言えます。

たとえば揚げ物料理に多く使われている飽和脂肪酸は、摂り過ぎると生活習慣病などの原因になることがわかっています。また、おにぎりやパン、麺類ばかりを食べて、たんぱく質や野菜が少ないと栄養不足に陥ります。

そこで、たとえば味の濃い料理や揚げ物ばかりを続けて食べるのは避け、ファストフードの次は回転寿司にする、肉料理の次は魚料理にする、野菜の料理を一品加えるなど、できる範囲で食事の内容を意識するようにしてみるのはどうでしょうか。

外食や中食の頻度を細かく気にしすぎるよりは、まずは食事の内容そのものを見直してみることが大切です。

市販の冷凍食品と冷凍弁当のちがい

手軽で便利な市販の冷凍食品と宅配の冷凍弁当。いったいどのようなちがいがあるのでしょうか。

単品おかずは栄養バランスの偏りに注意

さまざまな種類がある冷凍食品ですが、食卓に並べる際には少し注意が必要なこともあります。

子どもが好きなおかずばかりを選んでいると、気づかないうちに栄養不足になることがあるからです。

一方、宅配などで受け取れる冷凍弁当は、あらかじめ献立が決まっているので栄養バランスに配慮されているものが多く、カロリーや塩分量なども明記されています。

そのため、全体としてそれぞれがどんな内容の食事をとっているのかを把握しやすいというメリットがあります。

冷凍弁当を賢く利用する

宅配の冷凍弁当は、塩分や糖質、カロリーなどを控えた商品も多いため、それぞれの健康状況に応じて家族の食事内容を調整しやすいと言えます。

成長期の子どもはどの栄養素もしっかり摂っていく必要があるため、さしあたりは学校給食のやり方にならって、日頃から摂り過ぎになりがちな塩分が控えめのものや、不足しがちな野菜が多めに使われているものなどをチェックすると良いでしょう。

宅配弁当には、普段あまり自宅では作らないようなタイプのおかずが入っていることもあるため新たな味に出会うきっかけにもなります。

子どもにとっては、お弁当というそのスタイル自体が新鮮で食べる意欲がわく場合もあるので、上手に活用していきましょう。

食育の機会としての活用

食の世界を広げよう

外食や中食での食事は、子どもが普段あまり食べ慣れない料理に触れる良い機会でもあります。せっかくならば、食の世界を広げる場、家族で楽しく食べる機会として大いに活用しましょう。

また、子どもはさまざまな食のあり方に触れることで、その後の食生活を豊かに送ることができるようになります。

大人になるにつれ、自分に合った自分らしい食生活をえらび取ることができるよう、食事を通してさまざまな会話を交わしながら家族での交流を持つようにしましょう。

子どもと一緒に楽しむ気持ちを

健康的な子どもの食生活にとって大切なのは、栄養バランスや味だけでなく一緒に食べる人との楽しい時間です。

子育て中は、忙しさにまぎれて親自身も知らず知らずのうちに栄養不足になっていることがあります。

こうした外食や中食の機会を上手にとり入れていくことで、自分自身の体もいたわり、子どもと一緒に楽しい食事の時間を過ごすことができればそれがなによりの食育となることでしょう。

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