お盆も過ぎて、いよいよ夏もクライマックス。すなわちそれは、夏の楽しさを描いた楽曲から、夏の儚さを描いた楽曲へと変わる時期でもあります。
さて今週もやってきました、4つの音楽サービスのランキングをお届けする「音楽再生数ランキング」。楽曲のテイストが大きく変化するこの時期のランキングはどうなっているのでしょうか。早速、チェックしていきましょう。
【8月3週】音楽再生数ランキング。Aviciiの復活、Valentineのデビューなど、勢いを増す洋楽勢
最終更新日:2017年08月17日
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LINE MUSIC
世界的DJ Afrojackが発掘&プロデュースしたことで話題を呼ぶValentineのデビュー作「Break into the Darkを抑え、1位に輝いたのは「打上花火/DAOKO&米津玄師」です。
今月18日公開予定の「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の主題歌となる本楽曲は、MV公開から約1週間で約550万回再生されるほどの白熱っぷり。話題作に敏感なユーザーが多い、LINE MUSICだからこその結果となりました。
AWA
AWAランキングでは「Shape of You/Ed Sheeran」が3週連続で1位となりました。またランキング全体では、さほど大きな変化はなかったものの、今週になって「Break Free/Ariana Grande feat.Zedd」がトップ10圏外から5位に急浮上。
Ariana Grandeといえば、先週来日ツアーを終えたばかり。ライブでは9/27に日本限定でベストアルバムのリリースが発表されるなど、改めて彼女の歌声に関心が集まったのではないでしょうか。
Google Play Music
「RAIN/SEKAI NO OWARI」が6週連続で1位となりました。
ランキング全体としても、大きな変化はなかったものの「Shape of You/Ed Sheeran」が再びトップ10圏内に定着し始めるなど、じわりじわりと洋楽の勢いを感じさせる内容となりました。
Spotify
なんと「Shape of You/Ed Sheeran」が8週連続で1位という、彼の人気・実力を証明する結果となりました。
ランキング全体としては7位にAviciiの新曲「Without You」がランクイン。2016年に突如、活動休止を宣言してから約1年……復活を告げるかのような本作はEDMの華やかなノリを持ちながらも、どこか悲し気なエモさの残る楽曲。EDM全盛な現代の音楽シーンをさらに盛り上げてくれるのではないでしょうか。
総括:Ed Sheeran、Avicii、Valentineなど……拡大する洋楽勢力
Valentineのデビュー曲、Aviciiの復活、Ariana Grandeの再ランクイン、そしてEd Sheeranの全チャートランクインなど、全体として洋楽勢のランクインが多くみられる結果となりました。
今まで「洋楽は日本人の耳に馴染まない」と、ごく一部に受け入れられないと言われていましたが、それはもう過去の話。アシッドジャズにインスパイアされるSuchmosや、00年代のガレージロックシーンを彷彿とさせるDYGLなどのボーダレスな邦楽アーティストが、注目を集めるのも頷ける内容です。
おすすめの1曲:「打上花火/DAOKO×米津玄師」
洋楽勢がランキングを席巻する中、「これぞ邦楽」と言わんばかりの楽曲展開がされる「打上花火/DAOKO×米津玄師」が、筆者が選ぶ今週のおすすめ曲です。
「打上花火」はB→C#→D#m→F#の4コードのループで基本的なメロディラインを構成。王道のコード進行で耳馴染みのあるメロディでありながらも、ループにすることで曲の盛り上がりを最低限に抑え、独特の寂しげな夏の恋の終わりを描きます。
ハチ時代から米津玄師の楽曲を聴いてきた筆者からすると、少々クセが弱く「米津玄師らしさが欠ける」楽曲という印象でしたが、サビに入ると印象は一変。ループの最後が暗い印象を与えるマイナーコードに変更され、王道コード進行特有の「ただ明るい印象」にならず、どこかセンチメンタルな余韻を含む展開に。
耳馴染みのある王道コード進行の中に埋め込まれたマイナーコードから、米津玄師らしい「儚いの夏の終わり」というメッセージが感じられる1曲です。
果たしてこれからの音楽シーンはどのように変化していくのでしょうか。次回のランキングもお楽しみに。
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