個人事業主にはカーリースがお得って本当？経費処理の仕方から審査対策まで徹底紹介

個人事業主がカーリースで得られる６つのメリット

車をビジネスで利用する個人事業主にとって、カーリースは具体的にどのような利点があるのでしょうか。車を購入した場合と比較し、カーリースの特徴に基づく６つのメリットを解説します。

メリット1：初期費用が不要である

ひとつは、カーリースの場合、初期費用なしで車を乗り始められることです。一般的に車を購入した場合、車両本体価格に加えて、各種税金や自賠責保険料、納車費用、車庫証明書の代行手数料などが発生します。こうした諸費用は、本体車両価格の10～20％が相場だともいわれ、経済的にも大きな負担になってくるでしょう。

カーリースの場合、こうした各種税金を含む諸費用は、月額料金に含まれ定額化されています。大きな出費がなく車を利用し始められることは、特にビジネスを始めたばかりの個人事業主の方に大きなメリットだといえます。

メリット２：リース料金をまとめて全額経費に計上できるケースがある

前提として、事業で利用した車関係の費用のうち、税務上認められるものに関しては、経費として計上することができます。個人事業主にカーリースがおすすめなのは、カーリースと車を購入した場合とでは、その経費処理の仕方に違いがあるためです。

特に大きな違いは、車両本体価格の扱いです。カーリースでは、車両本体価格が含まれる毎月の利用料をそのまま「リース料」として経費に計上することができます。

一方、一括払いで車を購入した場合は、車が固定資産として見なされ、車両本体価格の支払いぶんを一括で経費に計上できず「減価償却」しなければいけないケースがあります。また、ローンで購入したケースでも、借入金は未払金（負債）として扱われ、一般的に経費計上できるのは利息分のみになってしまいます。カーリースの場合と比べ、経費処理に手間がかかり、一度に計上できる金額も変わってくるわけです。

なお、カーリースで利用する車は、固定資産として見なされません。そのため、固定資産税の課税対象にならない点もメリットだといえます。

メリット３：毎月定額で予算・経費を管理しやすい

カーリースの月額料金は毎月定額で、契約満了時まで原則変わりません。また、多くの場合、税金なども月々の料金に含まれており、プランによってはメンテナンス費用もリース料金に含めて定額化できるので、利用中、突発的な出費がなく乗り続けることができます。

あらかじめ車関係にかかる費用の見通しがつきやすく、予算および経費の管理もしやすいのもカーリースならではの特徴でしょう。

メリット４：車に関わる事務処理や手続きなどが楽

乗り始めの際の事務的な手続き、また、車検など定期的に発生する必要事項をカーリース会社がサポートしてくれる点も、個人事業主にはうれしいポイントでしょう。

また、カーリースでは税金、保険料、車検費用が月額料金に含まれるため、それらを項目ごとに仕訳し経費として計上する手間を省くことができます。経理業務のスマート化を図る上でもカーリースは効果的だといえます。

メリット５：「わ」「れ」ナンバーではなく利用できる

カーリースで利用する車では、レンタカーやカーシェアリングのような「わ」や「れ」ナンバーではなく、一般ナンバーが適用されます。

ビジネスの内容によっては、自身の名義でない車を事業に使用していることで取引先からネガティブな印象を持たれてしまう場合も考えられます。一般ナンバーが適応されるカーリースは、そういったリスクや不安を回避・解消し、安心して事業に活用できる車の持ち方といえます。

メリット６：マイカーローンより審査に通りやすい傾向がある

カーリースを契約する際には、マイカーローンと同様に審査が必要になります。特に個人事業主の場合、収入の安定性の点で審査に不利になる傾向があり、こうした審査の存在に大きな不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。

カーリースの場合、料金の仕組みから審査対象となる金額を抑えやすく、マイカーローンと比べて審査のハードルが低い傾向があります。実際にマイカーローン審査に落ちた方でカーリースを利用している方も多く、特に審査に不安を抱きがちな個人事業者にとってカーリースはおすすめのサービスだといえます。

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個人事業主が注意したいカーリースと車を購入した場合の経費処理の違い

特に個人事業主にとって大きな関心ごとになるのが、上記で説明した経費に関する内容でしょう。ここでは、車をローンで購入した場合、一括購入した場合、カーリースを利用した場合の３つのケースについて、車に関わる費用をどのように費用として計上するのかを詳しく解説していきます。

マイカーローンで車を購入した場合：返済額のうち経費計上できるのは利息ぶんのみ

マイカーローンを組んで車を購入した場合、まず初期費用として税金や自賠責保険料、各種手数料を支払うことになります。それらは、税金や保険料、手数料などの内容に従って仕訳し、項目ごとに経費を計上する必要があります。

毎月の借入金の返済に関しては、ローンの元金部分と利息部分を分けて考える必要があります。そのうち、元金部分は未払金となり、利息部分のみ「支払利息」として経費に計上できます。

定期的に発生する税金や保険料、車検代、ガソリン代、駐車場代などの維持費も、事業で使ったぶんは必要経費として計上できます。ただし、初期費用と同様に、税金は「租税公課」、保険料は「保険料」、車検代、ガソリン代、駐車場代は「車両費」とそれぞれ項目ごとに仕訳し処理しなければならないので手間がかかります。

一括払いで車を購入した場合：車両本体価格は年ごとに減価償却を行う

車を一括で購入する場合も、マイカーローンと同様に初期費用や維持費は項目ごとに経費計上する必要があります。

注意が必要なのは、車両本体価格です。白色申告の場合は10万円未満、青色申告の場合は30万円未満までは、一括で経費として計上することができますが、それを超える場合は固定資産として見なされ「減価償却」が必要になります。

「減価償却」とは国が定めた法定耐用年数に従って、経費を計上していく方法で、新車の場合は6年、中古車の場合は4年が耐用年数になります。例えば耐用年数が6年の新車を180万円で購入した場合、その全額を購入した年に経費計上するのではなく、6年かけて、30万円ずつ経費を計上していくことになります。

カーリースの場合：月額料金をまとめてリース料として全額計上できる

*税務上、経費として認められた場合

カーリースの場合、一般的に初期費用はリース料金に含まれるため発生しません。

月額料金については、車両本体価格に加え、自動車重量税や自動車税（種別割）などの税金、自賠責保険料、各種手数料などが含まれます。個別に支払った場合、それぞれの項目で経費を計上する必要がありますが、カーリースの月額料金に含めた場合は、それらを仕分けせずリース料金として全額経費に計上することができます。

月額料金に含まれないガソリン代や駐車場代、洗車代などは、項目ごとに経費を計上します。

個人事業主がリース料金を経費計上できるのはどういう場合？

個人事業主がカーリースを利用する場合、経費に計上できるのは事業に使用したぶんのみで、私用で使った場合は経費から省くのが原則です。

では、同じ車を事業と私用で併用している場合は、どうその金額を算出すればいいのでしょうか。

その際に適応されるのが「家事按分」という考え方です。

家事按分とは、プライベートと事業の両方を兼ねている支出がある場合、自身の定めた割合に応じてそれぞれの金額を算出する方法です。その割合は慣習によるところが多く、車の場合は、事業に使った日数や走行距離で計算するのが一般的です。

例えば走行距離で計算するケースを例に説明しましょう。1ヵ月のリース料金が50,000円で、事業で300km、プライベートで100km走ったとします。その場合、事業では使った分は75％になるため、50,000円×0.75=37,500円を経費として計上します。

個人事業主が知っておきたいカーリースのデメリットと対処法

カーリースを利用すると節税や経費処理など、さまざまなメリットが得られます。一方で、カーリースには購入した場合と異なるデメリットも存在します。ここからは、おもな３つのデメリットとその対処法を紹介します。

デメリット１：車の所有権は契約者でなくリース会社にある

カーリースとは、リース会社が契約者に一定期間車を貸し出すサービスです。契約者はあくまで車を借りて利用しており、車の所有権はリース会社にあります。そのため、住宅ローンなどの借入れをする際に、車を担保にすることはできません。

また、契約満了時に車を返却することが前提であり、原則として原状回復できないレベルのカスタマイズはできません。事業用にカスタマイズを検討している場合は、原状回復が可能か事前に確認しておきましょう。

車の所有権がないことへの対処法

カーリースの中には、契約満了時に車がもらえるもの、また、月々数百円の負担で契約満了時に車がもらえるオプションを用意しているものもあります。自身の車のように乗りたい場合や、原状回復が難しいレベルのカスタマイズを行いたい場合などは、そうしたサービスを利用するといいでしょう。

デメリット２：中途解約ができないケースがほとんど

カーリースの場合、原則中途解約ができません。カーリースではあらかじめ契約年数を定め、車両本体価格や税金などの諸費用をその年数で分割し、月額料金を設定しているためです。

やむをえない事情でカーリースを中途解約する場合は、違約金や解約料として、残りの期間分のリース料金を請求されることがあります。なお、そうした費用は一括請求となるケースがほとんどです。

中途解約できないことへの対処法

カーリースを契約する際には、どのくらいの期間、車が必要かをシミュレーションしたうえで、契約年数を決めるようにしましょう。近年は、1年単位で細かく契約期間を決められるカーリース、中途解約しても違約金が発生しないカーリースもあります。ただし、そうしたカーリースの場合、月々のリース料金が高くなるケースもあるため、注意も必要です。

デメリット３：サービス会社やプランによっては走行距離など利用制限がある

カーリースによくある走行距離などの利用制限が、個人事業主の方にとってデメリットになることもあるでしょう。

車は走行距離が多くなると劣化が進むものです。そのため、リース会社はあらかじめ定めた契約満了時の残価に基づき、走行距離に制限を設けているわけです。なお、定められた走行距離を超過してしまった場合、追加料金が請求されるのが一般的です。

利用制限があることへの対処法

利用制限はサービス会社やプランによって変わるので、いくつかのカーリースを比較検討するのが得策でしょう。また、車をもらえるカーリースを利用すれば、残価の概念がなくなるので、走行距離制限なく、車に乗ることができます。

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個人向けカーリースと法人向けカーリースは何が違う？

カーリースには個人向けと法人向けがあることも知っておきましょう。

個人向けカーリースは一般的に、プライベートの利用、事業の利用、プライベートと事業を併用した利用が可能で、契約者は個人になります。審査は申し込んだ個人事業主の方が対象です。

一方、法人向けのカーリースは、事業用の利用もしくはプライベートと事業を併用した利用に限られ、審査対象も事業内容や業績などがおもになります。また、法人向けのカーリースを利用する場合、法人名義の銀行口座を持っていることが条件になるケースがあります。

なお、商用車などビジネスにあった車両も取り扱っているなどの利点があります。

個人向けカーリースの審査でチェックされるポイントと審査対策

前提として、カーリースの審査基準はそれぞれのリース会社によって異なり、一般に公表もされていません。また、カーローンより通りやすい傾向にあるといわれているものの、必ず通るわけではありませんので、しっかりと対策した上で審査に臨むようにしましょう。

ここからは、個人向けカーリースでおもにチェックされるポイントと対策を解説していきます。

１：所得

カーリースの審査では、契約期間中、月額料金を滞りなく支払うことができるのか、契約者の支払い能力がチェックされます。そのひとつの判断材料となるのが所得です。個人事業主の場合、過去3年分の所得がチェックされ、その平均値で判断される場合もあります。確定申告書などを事前に用意しておくといいでしょう。

なお、カーリースの審査において、所得はあくまで支払い能力の目安のひとつと考えましょう。より重視されるのは、返済負担率と呼ばれる指標です。これは所得に対して、カーリースの利用料とすでにある借入れの返済額などを含めた年間の返済総額がどのくらいあるかを示すもので、一般的にこの数字が30～35％以下に収まっているのが望ましいとされます。

対策としては、返済負担率が30～35％に収まるように、車種やプランを選ぶことが挙げられます。なお、カーリースの場合、契約年数を長くすることで審査対象となる利用料金を抑えられる場合もあります。

２：職種と事業年数

収入の安定性、継続性の点から、職種や事業年数も審査ではチェックされます。一般的に事業年数は1年以上が目安、3年以上だと望ましいといわれています。

事業を開始して間もない場合は、連帯保証人を立てると審査に通る可能性が高まります。また、企業との取引に関する契約書など事業の安定性を示せる資料があれば、申込時に提出しておくといいでしょう。

３：信用情報

マイカーローンの審査と同様に、カーリースでも信用情報がチェックされます。過去に、自己破産や個人再生などの債務整理を行っていたり、税金やクレジットカードの支払い遅延や延滞を起こしていたり、信用情報に事故記録があったりすると、審査に落ちてしまう可能性が高まります。

信用情報は、下記の信用情報機関に開示請求することもできますので、心当たりのある方は事前にチェックしておくようにしましょう。

なお、こうした記録は、完済など問題を解決した後、一定期間が経てば信用情報から消えます。今すぐ車が必要でない場合は、信用情報がクリーンになってから申し込むのも得策です。また、社会的信用のある方に連帯保証人になってもらうのも有効な審査対策です。

４：その他の借入金

カーリースの審査では、既存の借入金についても確認されます。すでに多額の借入金がある場合や、複数からの借入金がある場合は、経済的な余裕がないと判断されかねません。加えて上記で説明した返済負担率にも影響する事項です。

負担のない範囲で、完済できるものがあれば整理しておくといいでしょう。また、繰上返済をすることで元金部分を減らすことができ、利息ぶんを抑えられるケースもあります。

法人向けカーリースの審査でチェックされるポイントと審査対策

法人化を検討している場合、個人事業主のうちに申し込むのと、法人化した後で申し込むのでは、カーリースの審査にどのような違いがあるのでしょうか。法人の場合でも、原則、支払い能力の有無が審査でチェックされるといわれています。そのおもな項目を見ていきましょう。

なお、法人契約する場合は、企業の経営状況を知るために必要な決算書などの書類、また、営業許可証の提出が求められることもあります。事前に必要書類をチェックし準備しておくようにしましょう。

１：資本金と売上高

法人向けのカーリースにおいて、重要なチェック項目といわれるのが資本金と売上高です。資本金が少ない法人の場合でも、売上高が高く、成長性が見込めれば、審査に通る可能性は高まります。一方、赤字が続いているケース、直近の決算の状況が良くないケースでは、審査に通るのが難しくなる傾向があります。

個人向けカーリースの場合と同様に、売上高に対してバランスの取れた車種やプランを選択することが重要です。

２：事業内容と事業の継続年数

事業内容や継続年数も審査で見られる項目です。水商売やパチンコ店など娯楽産業の場合は不利になるといわれ、また、反社会的勢力と関わりがある場合、一般的に契約はできません。

事業の継続年数も、個人契約の場合と同様に、長いほど安定した経営状況にあると判断される傾向があります。

こうした事業内容や継続年数は対策しにくいものですが、不安がある場合は、カーリースの担当者に相談するのもひとつの方法でしょう。

３：債務残高・債務整理歴

黒字であるか、赤字であるかだけでなく、資産や利益に対して債務の残高が多すぎる場合も注意が必要です。また、審査では経営者本人の信用情報もチェックされ、債務整理歴など信用情報に金融事故の記録がある場合も審査に落ちてしまう可能性が高まります。

審査の前に債務を減らし、経営状況を健全化させること、また、信用情報に不安がある場合は、信用情報機関に情報開示請求を行い、確認しておくようにしましょう。

個人事業主がカーリースを選ぶときのポイント

個人事業主が、事業でも利用することを前提に車を借りる場合、カーリース会社選びも重要になってきます。特に次の２つに注意してリース会社を検討するといいでしょう。

１：事業用途に合った車種があるか

事業の内容次第では、大型バンや運送用のトラックといった商用車を利用したい方もいらっしゃるでしょう。車種のラインナップはリース会社によって異なりますので、自身の事業用途に合った車種があるかは、重要なチェック項目になります。

２：車のメンテナンスのためのサービスが充実しているか

事業で車を利用する場合、定期的にメンテナンスをしっかり行うことも重要です。基本料金の中にメンテナンス費が含まれているのか、もしくはメンテナンスプランをオプションでつけられるのかも確認しておくといいでしょう。

なお、メンテナンス費を月額料金に含めて定額化しておけば経費処理の手間を省くことができるので、特に個人事業主の方にはおすすめです。

マイカーコンシェルジュがいるカーリースなら自分に合ったプランを相談できる！

個人事業に合う最適なプランが判断しにくい方は、カーリース専門家が在籍するリース会社がおすすめです。

業界最安水準の定額カルモくんの場合、「お試し審査」を受けた後でマイカーカーコンシェルジュと自分にあった車種やプランを相談することができます。キャンセルも可能なので気軽に試してみましょう。

※この記事は2024年３月時点の情報で制作しています