【専門家に訊く】燃費のいい軽自動車ランキングTOP10と燃費を良くする車の乗り方
2024.01.24
本サイトはアフィリエイト広告を含む場合があります。
もくじ
普通車に比べて比較的燃費がいいとされる軽自動車。ガソリン代が高騰している昨今、軽自動車の中でもより燃費性能が高い車種に注目が集まっています。
しかし、メーカーが発表するカタログ燃費と実際の燃費には差があることが多く、思っていたほどガソリン代が節約できないこともあります。そこで、本当に燃費のいい軽自動車10車種を自動車評論家の萩原文博さんにランキングしていただきました。専門家がこっそり教える燃費を良くする車の乗り方と併せて見ていきましょう。
【この記事でわかること】
✔自動車評論家が選ぶ本当に燃費のいい軽自動車10選
✔燃費のいい軽自動車を選ぶ際に押さえておきたいポイント
✔車のプロもやっている、軽自動車の燃費を良くする乗り方
燃費のいい軽自動車のはずが……。カタログ燃費の落とし穴
軽自動車の多くがWLTCモード燃費で23.0~25.0km/L以上を誇り、JC08モード燃費では30.0km/L越えも散見されるなど、最近の軽自動車は高い燃費性能を打ち出していますが、実際の所有者からは20.0km/Lにも満たないといった声が聞かれることがあります。
なぜこのようなことが起こるのか。自動車評論家の萩原文博さんによると、カタログ燃費と実燃費の違いに理由があるようです。
自動車評論家 萩原文博
自動車評論家が選ぶ!本当に燃費のいい軽自動車TOP10
カタログ燃費からではわからない、本当に燃費のいい軽自動車はどれなのか。萩原さんにWLTCモードの70%、アシスト付きは75%を基準として燃費のいい軽自動車10車種をランキングしていただきました。その結果がこちら!
自動車評論家が選ぶ燃費のいい軽自動車ランキングTOP10
1位:スズキ「アルト」
2位:スズキ「ワゴンR」
3位:スズキ「ワゴンRスマイル」
4位:スズキ「ハスラー」
5位:スズキ「アルトラパン」
6位:ダイハツ「ミライース」
7位:日産「デイズ」・三菱「eKワゴン」「eKクロス」
8位:ホンダ「N-WGN」
9位:ホンダ「N-ONE」
10位:ダイハツ「ムーヴキャンバス」
それぞれの車種の燃費についてご解説いただきましょう。
1位:車重の軽さとハイブリッドの効果で軽燃費のタイトルホルダー!スズキ「アルト」
カタログ燃費 | 23.5〜27.7km/L |
---|---|
実燃費 | 16.5〜20.7km/L |
推しポイント | 燃費性能だけでなく安全性も充実のベーシックモデル |
自動車評論家 萩原文博
現在、新車を購入することができる軽自動車の中で、燃費性能NO.1に輝くのはスズキ「アルト」です。1979年に登場した初代モデルから、経済性の高さや使い勝手の良さを兼ね備えた実用的な軽のベーシックモデルとして安定した人気を誇っています。
9代目となる現行モデルは、2021年12月に登場しました。上級グレードには新開発の高い熱効率を実現したエンジンにスズキ独自のマイルドハイブリッドシステムを搭載し、WLTCモードで軽自動車トップの27.7km/Lを達成しています。
走行性能では、低燃費と軽快な走りを実現するエンジンに加え、軽量・高剛性のプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」のほか、環状骨格構造や高減衰マスチックシーラーの採用により操縦安定性や乗り心地、静粛性を向上させています。
今回のランキング上位にはスズキ車が並んでいますが、ご自慢のマイルドハイブリッドとハーテクトによる軽量化が大きく貢献しているのが理由です。安全装備も運転しやすさに配慮にガラスエリアを大きくしたり、夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートなどを搭載する「スズキ セーフティ サポート」と6エアバッグを全車に標準装備したりするなど、ベーシックモデルにもかかわらず高い安全性を確保しています。
2位:新型エンジン+モーターのハイブリッドシステムで低燃費実現のスズキ「ワゴンR」
カタログ燃費 | 20.9〜25.2km/L |
---|---|
実燃費 | 14.6〜19.0km/L |
推しポイント | 100万円以下でも手に入るグレードを設定する軽の王道モデル |
自動車評論家 萩原文博
ボディサイズに制約のある軽自動車で全高を高くして広い室内空間を実現したハイトワゴン。このハイトワゴンのパイオニアがスズキ「ワゴンR」です。
現行型のワゴンRは2017年に登場。デビュー当初から発進時にモーターのみで走行できるマイルドハイブリッドを搭載し、加えて軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の採用により、当時軽ハイトワゴンNO.1の低燃費を達成しました。2019年には新開発のエンジンとCVTを組み合わせた新しいパワートレインを搭載、軽快な走りと街乗りで頻繁に使用される低〜中速域で優れた加速性能を発揮します。
燃費性能はWLTCモードで、新パワートレインを搭載した2WD車で25.2km/Lを実現し、エコカー減税の対象にもなっています。2022年に実施した一部改良では、夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートを全車に標準装備したほか、車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)、及び車線逸脱抑制機能を一部のグレードを除き、標準装備とすることで安全機能を充実させています。
3位:軽スーパーハイトワゴンで燃費性能トップのスズキ「ワゴンRスマイル」
カタログ燃費 | 22.5〜25.1km/L |
---|---|
実燃費 | 15.8〜18.8km/L |
推しポイント | 高い利便性と燃費性能を両立した新感覚の軽スーパーハイトワゴン |
自動車評論家 萩原文博
現在、軽自動車の販売台数で上位を占めているのがスーパーハイトワゴンと呼ばれるモデル。リアにスライドドアを採用し、広い室内空間は多彩なシートアレンジが可能です。その高い利便性により子育てママに人気で、以前はママワゴンとも呼ばれました。
2021年9月に登場したスズキ「ワゴンRスマイル」は、人気のワゴンRの派生モデルで、スーパーハイトワゴンの中では車高を低くすることで、ファミリーユースだけでなく幅広いユーザーに提案する新感覚モデルです。
走行&燃費性能の向上を追求して新開発のエンジンやスズキ独自のマイルドハイブリッドシステムを搭載し、車両重量の重さを感じさせない軽快な走りとWLTCモード25.1km/Lという優れた燃費性能を両立しています。
また、ワゴンRスマイルは走行性能の質感にもこだわり、構造用接着剤や高減衰マスチックシーラーの採用により、車内の静粛性と快適な乗り心地を実現しているのも特徴です。安全面では、デュアルカメラブレーキサポートを搭載した「スズキ セーフティ サポート」を全車に標準装備。さらに、全方位モニター用カメラ装着車には、狭路でのすれ違い時の接触防止をサポートするすれ違い支援機能をスズキ初採用するなど高いホスピタリティも魅力です。
4位:全グレードハイブリッドシステムを搭載した軽SUVのスズキ「ハスラー」
カタログ燃費 | 20.8〜25.0km/L |
---|---|
実燃費 | 15.6〜18.8km/L |
推しポイント | 軽トップレベル高い走行性能が魅力のSUV |
自動車評論家 萩原文博
軽ハイトワゴンに悪路走破性をプラスしたクロスオーバーSUVがスズキ「ハスラー」です。2014年に販売開始した初代モデルは納車まで1年近く掛かるほどのヒットモデルとなりました。2代目となる現行型ハスラーは、2019年に登場。より広くて使い勝手の良さを追求してスーパーハイトワゴンのスペーシアをベースとしています。
現行型ハスラーは、ひと目でハスラーと分かる個性的なデザインと、アウトドアアイテムから発想を得て機能性を追求したタフさや力強さが特徴です。荷室側からも操作可能なリアシートスライドや、荷室下に防汚タイプラゲッジアンダーボックスを採用するなど、アウトドアユースでの使い勝手を進化させています。
ハスラーが搭載しているパワートレインは新開発の自然吸気エンジン+CVTとパワフルなターボエンジン+CVTの2種類で、すべてのグレードで駆動方式は2WDと4WDを選択可能です。また、全グレードにスズキ独自のマイルドハイブリッドを採用したことで、WLTCモードで20.8〜25.0km/Lと全グレードで20.0km/L以上という優れた燃費性能も実現しています。
5位:見た目の可愛らしさ+低燃費という天が二物を与えたスズキ「アルトラパン」
カタログ燃費 | 24.6〜26.2km/L |
---|---|
実燃費 | 17.2〜18.3km/L |
推しポイント | モデルライフは長いが唯一無二のかわいさ |
自動車評論家 萩原文博
ウサギをアイコンに採用したカワイイ系モデルがスズキ「アルトラパン」です。旧型アルトの派生モデルとして2015年に登場したアルトラパンは、女性が車に求めるものの調査・分析を行い、企画から開発、デザイン、機能・装備、アクセサリーの設定にいたるまで、女性視点をふんだんに盛り込んだモデルです。
ラパンの外観デザインは、箱型のエクステリアに丸みを加えた特徴的な「まる しかくい」フォルム。インテリアは、ソファやテーブルといったモチーフを取り入れ、自分の部屋のようにくつろげる空間を演出しています。
アルトラパンは新プラットフォームと効率を高めたパワートレインの採用などにより、120kgの大幅な軽量化と低燃費を実現しているのが特徴です。搭載しているエンジンは1種類で、上級グレードにはエネチャージと呼ばれるアシストシステムを採用しています。
カタログ上のWLTCモード燃費はアルトに次ぐ24.6〜26.2km/Lを達成していますが、マイルドハイブリッドを採用した上位のスズキ車と比べると実燃費が落ちるので、5位としました。2022年の一部改良で、夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートを全車に標準装備するなど安全性の向上やレトロ感漂うラパンLCという新グレードを設定するなど、魅力は色褪せていません。
6位:低燃費を実現するためのイーステクノロジーを採用したダイハツ「ミライース」
カタログ燃費 | 23.2〜25.0km/L |
---|---|
実燃費 | 16.2〜17.5km/L |
推しポイント | シルバー層に寄り添った装備が魅力のベーシックモデル |
自動車評論家 萩原文博
「低燃費」「低価格」「省資源」を極めた、誰もが乗れる「第3のエコカー」として初代ダイハツ「ミライース」は2011年に登場しました。そして、2017年に登場した現行型ミライースは、軽自動車の本質である「低燃費・低価格」に加えて、「安全・安心」を追求した軽のベーシックモデルです。
ミライースのメインターゲットは、女性や高齢者、地方のユーザーが中心。そこで「低価格」「低燃費」「安心・安全」を追求し、ユーザーの日常に寄り添う「いつでも、誰でも気軽に乗れる軽自動車」をベースとしたダイハツの目指すユーザーオリエンテッドな車に仕立てています。
搭載するエンジンは、モーターアシストなどの飛び道具は使わず、徹底的にさまざまなロスを低減しエネルギー効率を改善。トランスミッションもケースの薄肉化を図り軽量化を実施するなど、さまざまな工夫を施し、燃費性能はWLTCモードで23.2〜25.0km/Lを実現しています。
同じベーシックモデルのスズキ「アルト」との燃費差は、やはりマイルドハイブリッドシステムの有無によるもの。モデルライフが長くなってきた現行ミライースは健闘しているものの、この数値に留まっています。ユーザーに寄り添う装備として、数字を大きく表示するメーターパネルや高性能なステレオカメラを採用したスマートアシストIIIという安全装備を装備しています。
7位:先進の運転支援機能で加減速をコントロールしてくれる日産「デイズ」・三菱「eKワゴン」「eKクロス」
カタログ燃費 | 19.4〜23.3km/L |
---|---|
実燃費 | 13.6〜17.5km/L |
推しポイント | 小型車に匹敵するクオリティの高さが特徴 |
自動車評論家 萩原文博
日産と三菱の合弁会社であるNMKVマネジメントのもと、日産が企画、開発を行った軽自動車が2019年に登場した日産「デイズ」です。そして兄弟車として、三菱「eKワゴン」「eKクロス)が販売されています。
現行型デイズは、新開発のプラットフォーム、エンジン、CVTを採用し、走行&燃費性能をはじめ、居住性や利便性を一新し、小型車に迫る質感の高さを実現しています。新開発されたエンジンとCVTに加えて、新たにリチウムイオンバッテリーを搭載したマイルドハイブリッドのスマートシンプルハイブリッドを採用。動力性能が大きく進化し、力強い走りを可能としただけでなく、燃費性能はWLTCモードで19.4〜23.3km/Lと向上しています。
軽量化という点でスズキに後れはとっているものの、スマートシンプルハイブリッドは、モーターを小型化しながらも、新たに採用したリチウムイオンバッテリーと組み合わせることで、出力は同等、回生量は約2倍となりました。ブレーキで失われていたエネルギーを無駄なく再利用することで燃費性能を向上させています。
安全装備では、軽自動車として初めて、プロパイロットを採用。さらに、ユーザーがより安心して運転ができる先進事故自動通報システムSOSコール(ヘルプネット)も軽自動車として初めて設定しました。充実した安全装備、質の高い走行性能、そして優れた燃費性能はこれまでの軽自動車とは一線を画すパフォーマンスとなっています。
8位:燃費優先を自動制御できるECONスイッチを採用するホンダ「N-WGN」
カタログ燃費 | 20.0〜23.2km/L |
---|---|
実燃費 | 14.0〜16.2km/L |
推しポイント | 2段ラックボードを備えたラゲッジルームが秀逸 |
自動車評論家 萩原文博
ホンダが発売しているハイトワゴンが「N-WGN(ワゴン)」です。プレーンな外観が特徴のN-WGNと押し出し感を強めたN-WGNカスタムの2つのモデルを用意しています。
2代目の現行型N-WGNは2019年8月に発売されました。現行型N-WGNのボディの骨格には、燃料タンクを前席の下に収めるホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用。毎日の運転をより心地よくする広い室内空間と使い勝手のよい荷室を可能としています。
N-WGNの特筆すべきポイントは利便性の高いラゲッジスペースで、現行モデルではさらに開口部を下げたことで重い荷物や高さのある荷物を載せやすく、備え付けのボードを使えば上下2段に積み分けることもでき、シーンに合わせた荷室アレンジが可能となっています。
搭載されているエンジンは自然吸気タイプとターボの2種類でトランスミッションはCVTのみ。全グレードで2WDと4WDの駆動方式が選べて、燃費性能はWLTCモードで20.0〜23.2km/Lと、エンジンや駆動方式による差が小さいのが特徴です。
安全装備は8つの機能に加え、後方誤発進抑制機能やオートハイビームを装備したホンダ独自の安全運転システム、ホンダセンシングを標準装備。さらに、さまざまな体格のドライバーが最適な運転姿勢を確保できるよう、運転席ハイトアジャスターに加えホンダの軽自動車で初めてとなるテレスコピック&チルトステアリング機構を標準装備するなど細かい気配りが施されているのが特徴です。
9位:ホンダ独自のパワーと低燃費を両立した技術を搭載したホンダ「N-ONE」
カタログ燃費 | 20.1〜23.0km/L |
---|---|
実燃費 | 14.0〜16.2km/L |
推しポイント | MT車も選べる走り重視の軽スポーツモデル |
自動車評論家 萩原文博
ホンダが現在販売している軽自動車の中で、最も走行性能を追求したモデルが「N-ONE」です。2代目となる現行モデルは2020年11月に登場。外観デザインは初代モデルから受け継いだ「丸・四角・台形」をN-ONEらしさを構成する基本のかたちと定めながら、よりN-ONEらしさを感じさせるデザインに磨き上げています。
インテリアは、ホンダの乗用車の原点であるN360から継承する思想から生まれた、燃料タンクを前席の下に収めるホンダ独自のセンタータンクレイアウトにより、ミニマルで心地よい室内空間を追求しているのが特徴です。
グレード体系は自然吸気エンジンを搭載するオリジナルとプレミアム。パワフルなターボエンジンを搭載するプレミアムツアラーとRSの4タイプを用意。なかでもスポーティなRSには6速MT車も設定しています。スポーティモデルながら燃費性能はWLTCモードで20.1〜23.0km/Lとターボ4WD車でも20km/L以上という低燃費を実現しています。
先進の安全運転支援システム、ホンダセンシングは全車に標準装備。さらに、軽自動車の6速MT車ではじめて、初めてACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKAS(車線維持支援システム)を採用しています。運転席にはホールド性の高いセパレートシートを採用し、日々車を運転するなかで身近に「運転の楽しさ」「操る喜び」を感じられるのがN-0NEの醍醐味といえます。
10位:搭載するエンジンによる燃費差を最小限に抑えたダイハツ「ムーヴキャンバス」
カタログ燃費 | 18.2〜22.9km/L |
---|---|
実燃費 | 12.7〜16.1km/L |
推しポイント | キュートだけでなくシックなモデルも用意 |
自動車評論家 萩原文博
ダイハツ「ムーヴキャンバス」は、自身のライフスタイルを楽しむ女性に寄り添う新感覚スタイルワゴンとして2016年に登場しました。利便性の高いリアスライドドアを採用し、ハイトワゴン初の両側スライドドア採用による新しいパッケージングによりヒットモデルとなりました。
2代目となる現行型のムーヴキャンバスは2022年7月に登場。初代の可愛らしさを継承しながらすっきりと洗練させた「ストライプス」と、上質で落ち着いた「セオリー」を設定し、異なる2つの世界を演出しているのが特徴です。旧型では自然吸気エンジンのみでしたが、現行型ではパワフルなターボエンジンも設定、新プラットフォームの採用により約50kgの車体軽量化を実現するなど燃費性能はWLTCモードで18.2〜22.9km/Lを実現しています。
ライバル車のスズキ「ワゴンRスマイル」に対して数値が負けているのは、やはりマイルドハイブリッドが非搭載だからです。ムーヴキャンバスは、最新の予防安全機能「スマートアシスト」を採用し安全性能の向上や、コネクテッドサービスのダイハツコネクトを採用し、ユーザーに安全・安心を提供しているのが魅力です。
燃費のいい軽自動車を選ぶ際のポイント
燃費のいい軽自動車に乗りたいと思っても、カタログ燃費を比較するだけでは失敗する可能性があります。では、どのような点に着目して選べばいいのか、萩原さんに燃費のいい軽自動車を選ぶ際に押さえておきたいポイントを3つあげていただきました。
発進時や加速時にアシストするマイルドハイブリッド車を選ぶ
自動車評論家 萩原文博
軽自動車はエンジンの排気量や最高出力に制限があります。したがって、発進加速や追い越しの加速などは苦手です。こうしたシーンで燃費性能を抑えつつ、スムーズな加速を行えるのに効果があるのが、マイルドハイブリッドシステムです。
これはモーター機能付き発電機とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムをエンジンに組み合わせて、エンジンの苦手な低い回転域などでモーターがアシストする機能です。この機能を採用しているのがスズキと日産、三菱です。先ほどのランキングでもスズキ車が上位を独占したのは、このマイルドハイブリッドを装着しているのが理由の一つです。
車両重量の軽い車種を選ぶ
自動車評論家 萩原文博
前述の通り軽自動車には660ccという排気量の制限があります。したがって車両重量が重いと加速させるのに燃料を多く使用するため、燃費が悪化してしまいます。
現在、軽自動車の新車販売上位のホンダ「N BOX」やダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」といったスーパーハイトワゴンは、広い室内空間や便利なスライドドア採用の陰で車両重量が重くなり燃費性能は振るいません。一方で、車両重量が600kg台と軽いスズキ「アルト」やダイハツ「ミライース」といったモデルは、燃費性能が向上します。
ユーザーの使い方に合わせて車種は選んでもらいたいですが、そんなに人も荷物も乗せないというのであれば、小さくて軽量の車種を選んだ方が良いでしょう。
運転支援機能が充実した車種を選ぶ
自動車評論家 萩原文博
運転支援機能と燃費性能は一見すると結びつかないと思います。しかし、最も燃費性能を左右するのはドライバーのスキルです。
運転支援システムはドライバーのスキルに関係なく、ブレーキやアクセルなどを制御してくれ、無駄を省いてくれます。特に高速道路などでアダプティブクルーズコントロール(ACC)という機能を利用すれば、人間よりもより無駄のないアクセルワークを行ってくれるので、燃費がさらに向上します。運転支援機能というと安全性と思われがちですが、実は燃費性能にも大きく関わっているのです。
自働車評論家直伝!燃費を良くする車の乗り方
燃費のいい軽自動車でも、パフォーマンスを十分に発揮できなければ燃費は悪くなるでしょう。燃費を良くする方法はあるのか、また、車のプロがひそかにやっている燃費が良くなる車の乗り方をインタビューしてみました。
目の前だけでなく、ちょっと先の交通状況を見ながら運転する
車の乗り方で燃費はどれくらい変わりますか?
自動車評論家 萩原文博
ドライバーのスキルによって燃費は大きく変わります。目の前の車だけしか見ていないで、ギリギリまでアクセルペダルを踏み、急ブレーキを踏む。このような運転をしていたら、どんな低燃費車でも実力は発揮できません。
ドライバーは目の前の車だけでなく、先の状況を把握・予想して運転すれば燃費性能は向上します。例えば目の前の信号は青でも、その先の信号が赤になるというのを早めに認識できれば、アクセルペダルから足を離して惰性で走行するだけでもかなり燃料を抑えることができます。
もちろん後続車など周囲への配慮が前提ですが、こういう一歩先を考えながらの運転をすれば、燃費を向上させるだけでなく、安全運転にも効果があります。
高速道路などでは運転支援機能を積極的に利用する
車のプロや専門家ならあたりまえにやっているような、燃費を良くする乗り方があれば教えてください。
自動車評論家 萩原文博
仕事柄、遠方に車で出掛けることが多いのですが、高速道路ではほとんどACC(アダプティブクルーズコントロール)を利用しています。この機能を利用すると、人間が行う無駄なペダル操作を無くすだけでなく、ギアの抵抗を極限まで抑えることができるので、燃費が向上します。
実際にスポーツカーの日産「GT-R」でテストした際でも、クルーズコントロールを多用したほうが燃費性能は良かったです。人間は無意識のうちにハンドルやペダル操作を行ってしまうので、状況に応じてシステムに任せたほうが燃費性能を向上させることができます。
加速する際にアクセルは深く短めに踏む
軽自動車ならではの燃費のいい運転のコツはありますか?
自動車評論家 萩原文博
軽自動車に乗っているユーザーで多いのが、ジワーッとアクセルペダルを踏むことです。一見すると燃費に良さそうですが、実は良くありません。軽自動車に多く採用されているトランスミッションのCVTは、回転を一気に上げたほうが、すぐに効率の良い領域に入り燃費性能が向上します。
したがって、アクセルペダルは多めに踏み、すぐに離したほうが低燃費につながるのです。低燃費を実現するためには、アクセルやブレーキをできるだけ踏まないで走行するというのがコツです。
ドライバーが意識することが大切
燃費のいい軽自動車でも、運転スキルによって効果が変わるのですね。
自動車評論家 萩原文博
排気量やパワーに制約のある軽自動車だからこそ、アクセルやブレーキペダルの操作を丁寧に行うのは効果があります。また、ナビゲーションを駆使して、渋滞を回避するルートやアップダウンの少ないルートを設定、走行するなどといった工夫もあります。
まず、ダラダラとアクセルを踏まないこと。そして止まるときはブレーキだけでなく、早めのアクセルオフでエンジンブレーキを利用すること。これを行って行けば必ず燃費は向上しますので、ぜひすぐに取り入れて実践してください。
燃費のいい軽自動車は高い。コストを抑えて新車に乗れる方法はある?
燃費の良し悪しで、同じ走行距離でも維持費は大きく変わってきます。節約のためにと燃費のいい軽自動車を購入しても、選び方や乗り方で思ったほどの燃費性能を実感できないこともあるでしょう。また、燃費性能が優れた軽自動車は価格も高い傾向があるため、予算をオーバーしてしまう可能性もあります。
コストをできる限り抑えて燃費のいい軽自動車に乗りたいなら、初期費用不要、維持費も込みで月々10,000円台からの定額制で新車に乗れるカーリースを利用するのも一つの方法です。多くの節約家にも注目されているカーリースなら、予算内で乗れる燃費のいい軽自動車の選択肢も増えるでしょう。
マイカーローンでもカーリースでも、与信審査は必ず受ける必要があります。
定額カルモくんの「お試し審査」は、仮の車種で先に審査を済ませておけるサービスなので、のちの手続きがスピーディーに進められます。
結果は最短即日、キャンセルも可能なお試し審査に、まずはこちらから申し込んでおきましょう。
※この記事は2023年9月時点の情報で制作しています
おすすめ記事Suggested
2024年5月
最新人気ランキングRanking
- カーリース会社
- 利用車種
1位
おトクにマイカー 定額カルモくん
2位
オリックス カーリース・オンライン
3位
オートフラット
4位
コスモMyカーリース
5位
ニコノリ
カーリースのランキングをもっと見る
1位
ホンダ「N BOX」
2位
スズキ「ハスラー」
3位
スズキ「スペーシア」
4位
トヨタ「ヤリス」
5位
スズキ「ワゴンRスマイル」
利用車種のランキングをもっと見る
2018年10月以降の車のカタログやスペック表の燃費の数値には、車の燃費を計測する際の国際基準である「WLTCモード(Worldwide harmonized Light vehicles Cycle)」が使用されています。
以前に採用されていた日本独自の算出方法「JC08モード」よりも正確な燃費数値を表示できるようになったのですが、WLTCモード燃費を測るときは特殊な機器の上に車を置いて計測することから、実際に走行した際の実燃費との差が生じてしまうのです。
また、実際にユーザーが運転する際には、エアコンやオーディオといった電装品を使用します。しかし燃費の測定時にはこういった電装品はすべてOFFとなっていることも影響しています。
WLTCモードでもカタログ数値の8割程度が実燃費と考えておいたほうが良いでしょう。排気量の小さな軽自動車は電装品に加えてドライバーの運転の仕方や道路状況による影響がさらに大きくなります。自分自身が多くの新車に乗って実燃費を計測した経験もあわせて考えると、軽自動車の場合はWLTCの7割程度、マイルドハイブリッドと呼ばれるモーターアシスト付きであれば7割5分程度だと思います。