カーリースで中途解約はできる？かかる費用や手続きについて解説

カーリースで中途解約は可能？

カーリース契約の途中での解約ができるのかどうか、また、その理由について理解しておくと、自分に合ったリース会社やプランの選択ができるようになります。そこで、中途解約の基本的なルールと中途解約が認められるケースについて詳しく解説します。

原則として、カーリースで中途解約はできない

車のサブスクリプションサービスともいわれるカーリースでは、原則として中途解約は認められていません。同じサブスクでも、やめたくなったら解約が可能な音楽や動画の配信サービスとは、この点が異なるので注意が必要です。

また、カーリース同様に長期契約を結ぶ生命保険の場合、中途解約はできるものの、返戻金はそれまでに払い込んだ保険料よりも少なくなってしまうことが多いでしょう。

しかし、原則カーリースでは中途解約ができません。その理由については次項でご紹介します。

カーリースで中途解約が認められない理由

なぜ中途解約が認められていないかというと、リース会社に損害が出てしまうからです。

カーリースでは、契約者の代わりにリース会社が車を購入します。その購入金額から残価を差し引き、諸費用を上乗せした金額がリース料金の総額になり、これを契約月数で割った金額が月額料金となります。

リース会社は契約期間を通してリース料金を支払ってもらうことで、その総額を回収しています。そのため、契約の途中で支払いがストップすると、ビジネスとして成り立たなくなってしまうのです。

中途解約が認められるケースもある

原則認められないとはいえ、長い契約期間中には中途解約を避けられない事態が発生することもあります。リース会社が中途解約を認めるのは、おもに次のような場合です。

１：契約者の死亡、病気やケガなどの場合

契約者が亡くなった場合、病気やケガなどで長期間にわたって運転ができなくなった場合は、例外として中途解約が認められることがあります。なお、契約者が亡くなった場合は、家族や法定相続人が相続し、車に乗り続けられるケースもあります。

２：事故による破損や盗難などの場合

事故や盗難などによって、リース車両が使用できないような状況になった場合には、契約は終了となります。

３：海外赴任、家族構成の変化などの場合

急な海外赴任やライフスタイルの変化といった個人的な事情では、上の１、２のケースと比べると中途解約は難しい可能性がありますが、場合によっては認められるケースも。なお、免許返納時は解約が認められることがほとんどです。

ただし、どのようなケースで中途解約を認めるかはリース会社によって異なるうえ、理由は何であれ中途解約になると違約金や解約金が必要になります。できるだけ中途解約にならないように気を付けたほうがいいでしょう。

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カーリースを中途解約する場合の違約金

中途解約を考える際、違約金の問題は避けて通れません。中途解約の際の費用を事前に把握し、想定外の出費のリスクを抑えるためにも、違約金の内訳やいくらくらいかかるのかの目安について、以下で確認していきましょう。

中途解約にかかる違約金の内訳

中途解約にかかる違約金の詳細はリース会社によって異なりますが、一般的には残りの契約期間で支払う予定だったリース料金をまとめて支払うことになります。それ以外には内訳として、次のようなものが含まれます。

〈違約金のおもな内訳（残りの期間のリース料金は除く）〉

• 残価の精算分（残価設定がある場合※査定で設定残価よりも価値が高かったときは、その分差し引かれる）
• 修理費用（傷やへこみなどができていた場合）
• 事務手数料
• 遅延損害金（これまでの支払いに遅延があった場合）

これらの合計金額から、未経過分の税金、自賠責保険料などの費用、メンテナンスを含むプランの場合は解約から契約満了までのメンテナンス費用分を差し引いた金額が違約金になります。

中途解約の違約金はいくらくらい？

違約金はおおむね、残りの契約期間で支払うはずだったリース料金に近い金額になると考えていいでしょう。例えば、月額料金40,000円、7年契約のカーリースを丸4年が経った時点で解約すると、残り3年分の料金、つまり144万円程度が違約金になると考えられます。

とはいえ、残りの期間の自動車税（種別割）や車検法定費用に加え、車の状態が良ければ設定残価との差分が144万円から差し引かれます。そのため、実際には数万円から数十万円低くなることもあるでしょう。

なお、違約金は一括払いをすることが大半です。契約途中で解約したい場合、残りの契約期間や車の状態などにもよりますが、まとまった出費は避けられないといえます。

違約金を支払えない場合はどうしたらいい？

事故や盗難など、やむをえない理由で中途解約となることもあります。その際、高額請求となることも多い違約金を、一括で支払えない場合はどうすればいいのでしょうか。

まずは、リース会社に自身の経済状況について伝え、相談してみましょう。そのほかには、銀行のフリーローンを利用する方法もあります。使途が自由なローンであれば、違約金にあてられる可能性があります。ただし、違約金の一括払いを確実に避けられる方法というわけではないので注意が必要です。

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実際にカーリースの契約を途中で解約した方の体験談

実際に、カーリースの契約途中での解約を経験した方は、どのように解約手続きを進めたのでしょうか。中途解約にいたった経緯や違約金の額、感想など、リアルな体験談*をご紹介しましょう。

60代男性・愛知県在住

日産「リーフ」を5年契約していたのですが、家庭の事情で新車が必要になり、中途解約を申し出ました。残りの期間分のリース料金と、追加で15万円ほどを一括で支払いました。費用が余計にかかったので、保険などもっと契約時に中途解約への備えをしておけばよかったと思っています。

20代女性・新潟県在住

中古の日産「モコ」を、数年で乗り換えるつもりで3年契約していました。でも、ほかに乗りたい車を見つけて、解約OKのプランだったので、対面手続きで中途解約をしました。とはいえ、解約には50万円前後かかり高いと感じましたね。解約金のかからないプランにしておけばよかったです。

30代男性・千葉県在住

トヨタ「ヴォクシー」を契約してたんですが、事故のために中途解約することになりました。保険で支払ったとはいえ、残りの契約月数分の金額を請求されて、人に言えないほど高かったです。でも、カーリースはプランがわかりやすい、メンテナンスが含まれる、納車が早いなど魅力も多く、トータルでは利用してよかったと思っています。

実際に中途解約をした方のリアルな口コミを確認すると、解約には数十万円程度のまとまった費用がかかると想定しておいたほうがいいようです。

一方で、維持費が楽だった、ローンに比べて安かったなど、カーリースへの肯定的な意見も聞かれました。中途解約への対策や備えをしっかり行うことが、カーリースを上手に使う鍵となるでしょう。

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* クラベルさん編集部が、カーリースの契約途中で解約をしたことがある方を対象に行ったチャット調査ツール「Sprint」を用いたインターネット調査を基に掲載

カーリースの中途解約の手順

中途解約の手続きについて事前に知識を持っておくことで、突然の状況でも慌てずに対処できます。具体的な手続きはリース会社ごとに異なりますが、手続きをスムーズに進めるためにも、以下で中途解約の一般的な手順について見ていきましょう。

1. リース会社に相談する

やむをえない事情があって中途解約を希望する場合には、まずリース会社に連絡して、中途解約希望の旨とその理由を伝えましょう。リース会社は連絡された内容を基に、中途解約が認められるか判断します。

2. リース会社が車の回収・査定を行う

中途解約が認められたら、リース会社による車の回収と査定が行われます。査定では車の状態を確認して現在の車両の価値が算出されますが、車に傷やへこみがあったり走行距離が長かったりすると、車両の価値が低くなるので、その分違約金が高くなってしまいます。

査定の後、残りの契約期間で支払う予定だったリース料金や事務手数料なども合わせて、違約金がいくらになるかが決まります。

3. 中途解約の意思を確認し、必要書類を提出する

違約金の金額が算出された後、契約者に費用負担の詳細が説明されます。そのうえで、中途解約の最終的な意思確認が行われます。契約者がこの条件に同意した場合、リース会社から中途解約の合意書などの必要な書類が届き、記入後返送します。

4. 違約金を支払う

最後に違約金の振込みをすれば、中途解約の手続きは終了です。通常、一括での支払いになるのは先ほど述べたとおりです。

カーリースの中途解約を防ぐための対策

中途解約での違約金の支払いを避けるために、事前にできる対策を講じて安心してカーリースを利用したいものです。以下では、ライフスタイルの変化を考慮した契約の仕方や、乗換えが可能なカーリースの選び方など、具体的な方法をご紹介しましょう。

ライフスタイルの変化を想定して契約期間を選ぶ

中途解約で違約金を支払うリスクを下げるには、契約前に、将来のライフスタイルの変化を考慮して契約期間を選ぶ必要があります。

もし海外への転勤が多い仕事に就いているなら、その周期に合わせて契約期間を選ぶようにしましょう。周期がはっきりしない場合は、短めの年数で契約しておいたほうが無難です。

また、現在は独身でも結婚、出産、子供の成長など、それぞれのステージで適した車種は変わっていきます。そうした変化に見合った年数を選んで契約するといいでしょう。

契約途中での乗換えが可能なカーリースを利用する

カーリースでは契約期間中、同じ車に乗り続けるのが一般的ですが、中には契約後、一定の年数が経過すると乗換えができるプランを提供しているリース会社もあります。

将来的なライフスタイルの変化を考えると非常に便利なサービスといえますが、そうしたプランは比較的料金が高めの傾向があるので注意が必要です。

料金が安いリース会社との契約を短い年数で繰り返していくのと、どちらがコストを抑えられるか、トータルで比較検討するといいでしょう。

車両保険付きの自動車保険（任意保険）で全損事故に備える

万が一、事故や盗難により中途解約を余儀なくされてしまった場合に備えて、自動車保険（任意保険）に加入しておくことも大切です。

全損事故に遭うと、リース車両が使えなくなるうえに違約金を支払わなければなりません。しかし、任意保険の車両保険に入っておけば、もしもの際には保険金で補償を受けることができます。

中には中途解約費用を全額カバーするリースカー専用の特約をつけられる保険会社もあるので、リース契約の際に併せて加入を検討するといいでしょう。

中途解約が可能なカーリースを利用する際の注意点

一般的にはカーリースの中途解約は難しいとされていますが、中には中途解約が可能なリース会社もあります。その魅力的な特徴に目を奪われがちですが、実は想定外の出費が発生する可能性も。そこで、後悔しないためにも、中途解約が可能なカーリースを選ぶ際の注意点をしっかりと確認しておきましょう。

まとまった額の初期費用がかかる可能性がある

一般的なカーリースは、初期費用が0円で毎月定額の料金だけで利用できるのがメリットといわれています。しかし中途解約が可能なカーリースでは、違約金はかからないものの契約の際に初期費用がかかるケースがあるので注意が必要です。

その際の初期費用は、リース料金の数ヵ月分に相当する金額となることもあり、家計に大きな負担をかける可能性があります。

そのほか、初期費用はかからなくても毎月の支払額にオプション料金が上乗せされるリース会社もあります。中途解約可能なカーリースについて調べる際には、どのような費用がかかるのかを含めて検討するようにしましょう。

途中で解約する際に条件が設けられているケースもある

中途解約が可能なカーリースの中には、中途解約のための条件が設けられているケースもあります。例として、「契約者の死亡や障害の発生、運転免許の取消しや返納、海外転勤などの場合に限られる」「契約満了の◯年前から可能になる」などが挙げられます。

いつでも好きなときにどのような理由でもやめられるというわけではないので、こうした条件までしっかりと確認して、納得したうえで申し込むようにしましょう。

完全定額！まずは審査に通るか試してみる

契約年数を１年単位で選べる「おトクにマイカー 定額カルモくん」であれば、ライフステージに合わせた期間で契約できるので、中途解約を避けやすいといえます。しかも料金は業界最安水準でずっと定額。まずは審査に通るか確かめて、利用を検討してみましょう。

途中で解約しなくてもいいよう、最適なカーリースを選ぶことが重要

カーリースではやむをえない理由で中途解約が認められたとしても、多くの場合、違約金の支払いが発生します。違約金は通常一括払いで、高額になるケースもあるので、できるだけ中途解約になるような事態は避けたいものです。

そのためにはライフスタイルの変化に合わせて契約期間を選ぶ必要があります。１年単位で選べるカーリースであれば、希望の契約期間を選びやすいのでおすすめといえます。もし中途解約が可能なカーリースを選ぶなら、費用や条件をしっかりと確認してから利用するようにしましょう。

※この記事は2023年10月時点の情報で制作しています