借金ありでも車のローンを組む方法とは？審査通過のポイントや対策をFPが解説

借金があっても車のローンは組める？

結論からいえば、借金があっても車のローンを組むことは可能です。ただし、ローン会社が行う審査に通過する必要があります。

審査では、申込みをした方の経済状況をさまざまなポイントから総合的に判断して、融資の可否を決定します。そのため、借金がある場合でも、収入と借入れのバランスなどから返済能力があると認められれば、審査に通過して車のローンを組むことができます。

この収入と借入れのバランスを測る目安の一つとなるのが「返済負担率」です。

返済負担率とは、年間の返済総額が占める年間の手取り額における割合のことで、車のローン審査では、返済負担率が25～35％を超えると通過が難しいといわれています。

年間の返済総額には、車のローンのほか、車以外のローンやカードローンの借入れ、クレジットカードなどのキャッシング、携帯電話端末の分割払いといったものも含まれるため、借金がある場合は、その返済額も対象となります。

借金があっても車のローンに通る可能性があるかを知るには、年間の手取り額から返済負担率が基準以下に収まる金額を割り出し、そこから借金の返済額を引いた残りの金額に、車のローンの年間の返済額が収まるか確認してみましょう。

なお、返済負担率は以下の式で求められます。

ただし、車のローンを組めるか組めないかは、返済負担率以外の条件も見て総合的に判断されるため、返済負担率が基準以下でも審査に通らない場合があります。

返済負担率以外にどのような点を見られるのか、次の項で詳しく見ていきましょう。

ファイナンシャルプランナー・乙川由佳

返済負担率の審査基準が何％になるのかは、年収やローン会社によって異なります。そのため一概にはいえませんが、車のローンの借入額や月々の返済額は、借金の返済額も含めて返済負担率20～25％程度に収まるように調整するといいでしょう。

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借金以外に何を見られる？車のローンの審査基準

車のローン審査では、返済負担率と併せて年収や属性、信用情報、借入状況といった申込者情報も確認して、融資の可否や借入可能額などを決定します。各項目の審査基準は公にされておらず、また、ローン会社によっても異なりますが、一般的にいわれている基準から詳細を確認しておきましょう。

収入

車のローンを返済し続けられる安定した収入があるか、年収に対して返済額が高すぎないかなど、おもに借入期間にわたって滞りなく返済できる能力があるかを確認します。

なお、収入の基準は年収200万円程度が一般的といわれていますが、年収が200万円に満たなくても審査に通過することはあります。一方で、申込み条件に一定の年収を提示している車のローンもあります。

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たとえ十分な収入があっても、借金の借入額が多かったり、車のローンの返済額が高すぎたりする場合は審査通過が難しくなります。車のローンに申し込む際は、収入と返済のバランスを重視して借入額を検討することが大切です。

属性

属性とは車のローンの申込者に関する信用度の指標で、おもに年齢や性別、職業や雇用形態、勤務先、勤続年数といった情報が確認されます。

中でも収入の安定性に影響する雇用形態は、正社員や公務員が審査に有利とされています。とはいえ、アルバイトや非正規雇用、個人事業主だからというだけで車のローンが組めないわけではありません。勤続年数が長い、収入が安定しているといった場合は、それらを証明できる書類なども用意しておくといいでしょう。

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勤続年数は車のローンの返済における安定性を確認する一つの目安となるため、申込み時点で1年以上、できれば3年以上あるのが望ましいでしょう。転職の予定がある場合などは車のローンに申し込むタイミングも考慮して検討することが大切です。

信用情報

車のローンをはじめ、住宅ローンやカードローン、クレジットカードなどの申込みや契約、利用に関する個人の情報は、株式会社 シー・アイ・シー（CIC）、株式会社日本信用情報機構（JICC）、全国銀行個人信用情報センター（KSC）などの信用情報機関に登録されます。

信用情報機関には、滞納や自己破産など、金融事故と呼ばれる情報も記録されているため、ネガティブな要素があると車のローン審査で不利になる可能性があります。

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信用情報の照会では、これまでのローンやクレジットカードなどの利用状況から申込者の信用度を確認します。スマートフォンの分割購入など、こんなことで？と驚かれるようなことでも、滞納回数によっては信用情報に記録が残って金融事故になることがあります。なお、ブラックリストに載っている場合は、履歴が消えるまで車のローンの審査通過は難しいでしょう。

借入状況

おもに信用情報機関の記録から、現在の借入れや返済などの状況もチェックされます。車のローン審査では、返済負担率のほか、ローンなどへの申込みの頻度や、過去の審査の結果なども判断に用いられるとされています。

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借金があっても、滞ることなく返済している履歴があれば計画的に利用できている印象を与えられるため、ネガティブな要素にはなりにくいでしょう。

車のローンも借金に含まれる？借金が車のローンの借入額に影響することはある？

一般的に「お金を借りる」という意味合いでは、車のローンも借金に該当するでしょう。ただし、借金には種類があり、借入先や用途によって借入可能額やほかの借金への影響度が変わってきます。

〈借金の種類〉

*信販会社が発行するクレジットカードでのキャッシングは総量規制の対象

借金の種類の目安となるのが「総量規制」です。

総量規制とは、貸金業者に対して借り手の返済能力を超える貸付けを禁止するための法律で、消費者金融やクレジットカード会社といった貸金業者からの借入可能額は、年収の3分の1までと決められてます。

例えば年収300万円で30万円の借金がある場合、消費者金融から借入れられるのは70万円までとなります。

一方、銀行や信販会社から借り入れる車のローンは総量規制の対象外となるため、借金との総額が年収の3分の1を超える場合でも借入可能となります。ただし、車のローンの借入可能額を決める審査では返済負担率が見られるので、借金が車のローンの借入額にまったく影響しないというわけではありません。

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車のローン審査で借金を隠してもバレる？

車のローン審査では信用情報機関への照会が行われるため、申込みの際に借金があることを隠したり、借入残高を実際より低く申告したりしてもバレてしまいます。さらに、借金の申告に虚偽があったとして信用度が下がり、それが理由で審査に通らない可能性もあります。

虚偽申告は信用情報機関に記録されることもあり、今後ほかのローンやクレジットカードなどの審査にも影響するため、絶対にやめましょう。

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車のローン審査の申込みで現在の借金の残高を申告する際、誤って記載した場合でも虚偽とみなされることがあります。正確に申告できるように、事前に借金の残高を確認しておきましょう。

借金ありでも車のローン審査に通るための対策5つ

借金があると車のローン審査で不利になる傾向がありますが、事前にいくつかの対策をしておくことで審査のハードルを下げられる可能性があります。ここではすぐにできる審査対策5つを見ていきましょう。

借金ありの審査対策1：審査に通りやすいローンを選ぶ

車のローンの審査難度は各社で異なり、一般的には、金融機関が提供する銀行系マイカーローンは審査難度が高く、販売店で申し込めるディーラーローンは銀行系マイカーローンよりも審査が緩めの傾向があるといわれています。

車のローンが組めるか組めないかは審査を受けてみないとわかりませんが、借金ありの方の利用実績が多い、金利が高めに設定されているなど、審査に通る可能性がありそうな車のローンを選ぶとハードルを下げやすくなります。

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車の購入時に利用できる「自社ローン」は販売店が用意する支払方法の一種で、ローンではありません。そのぶん審査難度は低いですが、一般的なローンの利息の代わりに、手数料として車両価格の10～20％程度が上乗せされており、借金がある方では家計が圧迫されるリスクも高まるため、まずは一般的な車のローンの利用を検討したほうがいいでしょう。

借金ありの審査対策2：連帯保証人を用意する

連帯保証人とは、ローンの債務者と同等の責務を負い、債務者が返済を滞ったときなどに、債務者に代わって返済する義務が生じる人のことです。車のローンでは、個人では審査通過が難しいと判断された場合でも、連帯保証人をつけることでローンを組めることがあります。

連帯保証人も申込者と同様の審査を受けるため、安定した収入があり、借金がない方が望ましいでしょう。

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車のローンの中には、連帯保証人の代わりとなる保証会社を紹介してもらえる所もあります。連帯保証人を頼める人がいない場合は、保証会社を利用できる車のローンから候補を選ぶといいでしょう。

借金ありの審査対策3：借入希望額を少なくする

借金がある中で車のローンに申し込む際は、借入希望額をできる限り抑えることも有効な審査対策となります。なぜなら、返済負担率をはじめとする収入や現在の借金とのバランスが取りやすくなるからです。

具体的には、車両本体価格が安い車種を選ぶ、グレードを下げて必要な機能だけを後付けする、中古車を購入する、頭金を用意するといった方法があります。

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車は長年使用する物だけに、機能や定員数などが用途に合っていることも重要です。車を購入する目的から譲れない条件を決め、それらを満たしたうえで借入額を抑えられる方法を検討しましょう。

借金ありの審査対策4：信用情報の開示請求をする

自身の信用情報は、各信用情報機関への開示請求によって確認することが可能です。不利な情報が記録されている場合、解消してから車のローン審査に申し込むことで、審査のハードルを下げられる可能性があります。

なお、金融事故情報は解消された日から1～7年程度のあいだ履歴が残ります。ブラックリストなどネガティブな情報の場合は、履歴が消えるのを待って車のローンに申し込むようにしましょう。

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信用情報の開示請求により、気付いていなかった延滞や未払いなどの情報を知れることがあります。現在の借金以外にもそのような履歴があった場合は、速やかに解消するようにしましょう。

借金ありの審査対策5：現在の借金を完済、または繰上返済する

現在の借金を完済したり残高を減らしたりすることで、車のローンにあてられる返済負担率の割合を増やすことができます。

とはいえ、借金の返済にはまとまった資金が必要です。完済や繰上返済などをできるゆとりがない場合は、金利が低いローンに借り換えたり、ローン会社に相談して月々の返済額を下げたりする方法も検討してみましょう。

また、複数の会社から借金をしている場合は、一本化することで利息分の負担を減らせる可能性があります。

ファイナンシャルプランナー・乙川由佳

借金の完済や繰上返済を行う際は、支払った後の生活も考慮して金額を検討しましょう。生活費に加えて、車の維持費や、事故や病気といった予期せぬ出費にも備えたうえで返済計画を立てることをおすすめします。

借金ありで車のローンを組むときの注意点

借金ありで車のローン審査に申し込む際は、対策と併せて注意しておきたい点もあります。ここでは事前に押さえておきたい注意点3つについて確認しておきましょう。

短期間に複数の審査に申し込まない

信用情報機関には、ローンやクレジットカードなどへの申込み履歴も記載されています。短期間に複数の申込みを行っていた場合、経済的に困っているとみなされて、審査のハードルが上がる可能性があります。また、審査落ちが続いていた場合も、信用度が低いと判断されることがあります。

むやみに申し込むことはせず、車のローンが組める可能性が高い数社に候補を絞ってから申込みを行うようにしましょう。

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銀行系マイカーローンには、本審査前に審査通過の可能性を確認できる仮審査があります。仮審査の申込みは信用情報に記録されますが、結果は載らないため、審査の目安を知りたいときに活用してみましょう。

手数料や利息などの負担を確認する

現在の借金を完済または繰上返済する場合や一本化する場合、手数料がかかることがあります。また、情報開示請求も手数料が必要です。新たに組む車のローンも契約時に初期費用がかかりますから、借金や車のローンの返済とは別に、手数料についてもシミュレーションしておきましょう。

また、金利が高いと審査のハードルが下がりやすい半面、利息負担が大きくなります。借金と車のローンそれぞれで利息を支払っている状態となることから、審査の通りやすさだけでなく、家計への影響なども考慮して、適切な金利で借入れできるローンを探すようにしましょう。

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インターネットからの申込みで繰上返済手数料が無料になったり、住宅ローンなどほかの借入れがあると金利が優遇されたりする車のローンもあります。各ローン会社の情報をチェックして、総合的に見て負担を抑えられる所を選ぶようにしましょう。

維持費の負担も考慮して返済計画を立てる

無事に車のローンが組めても、その後は数年にわたって月々返済していかなければなりません。また、車を持つと、ガソリン代や駐車場代、税金、メンテナンスや車検の費用など維持費もかかります。現在の借金を返済しながらこれらの費用を支払っても家計を圧迫しないよう、しっかりとシミュレーションをしたうえで返済計画を立て、借入額や月々の返済額を検討しましょう。

ファイナンシャルプランナー・乙川由佳

車の維持費は借金や車のローンの返済額とは別に必要なうえ、エリアや車の利用頻度、購入する車種などによっても金額が変わってきます。また、年数が経つほどにメンテナンスや修理にかかる費用も上がる傾向があるため、返済計画を立てる際は、利用シーンを想定してシミュレーションすることが大切です。

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借金ありで車のローンが組めない方でも新車に乗れる方法

車のローンが組めないときでも、新車に乗れる方法があります。どのような方法なのか、実際に車のローン審査に落ちても欲しかった車種の新車に乗れている3名の方の声と併せて見ていきましょう。

ローンが組めない中でも新車に乗れた3名の体験談

Kさん（40代）ダイハツ「ムーブ」を利用中

仕事で車が必要だったのですが、車のローンを組めなくて困っていました。そんなとき、カーリースなら車のローンよりも審査に通りやすいと聞いてすぐに申し込み、無事に車を用意できました。車検などの不定期な出費もないので、安心して車に乗れています。

Iさん（30代）ダイハツ「ウェイク」を利用中

それなりに名の知れた会社に勤めていて勤続年数も4年以上あったのに、車のローン審査に落ちました。おそらく、学生時代のクレジットカードの滞納が影響したんだと思います。新車はあきらめて一括で中古車を買いましたが、不具合が起きて乗り換えることに。その際、知人に進められたカーリースに申し込んでみたところ、審査に通り、念願の新車を持つことができました！

Kさん（60代）ホンダ「S660」を利用中

還暦も過ぎたことだし好きな車に乗りたいと思っていたのですが、いろいろあって車のローンが組めない状況でした。ダメもとでカーリースに申し込んだら審査に通ったので、「本当ですか？」って電話しちゃいましたよ（笑）。おかげで今は相棒と呼べる車をかわいがる毎日です。

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3名の方が利用しているのが、月々定額で新車に乗れるカーリースです。カーリースとは、リース会社が契約者に代わって車を購入し、月々10,000円台からの定額の料金で一定期間車を貸し出すサービスです。

リース会社が車を購入すること、期間を定めるぶん車両本体価格が安くなることなどから、車のローンよりも審査のハードルが下がるといわれています。

なお、レンタカーと違い、車種やグレードからオプションまで契約者が新車購入時と同様に選べるうえ、用意された新車は自分専用の車として利用できます。また、一般ナンバーや希望ナンバーが付与されるので、カーリースであることもわかりません。

さらに車がもらえるプランを選べば、期間を気にせずに長く乗り続けることも可能です。そのため、カーリースなら車を購入した場合と変わらないカーライフを実現できます。

また、月々の料金には新車新規登録費用や各種税金、手数料などが含まれていることから、初期費用0円、維持費の自己負担も最小限に抑えて新車に乗ることができます。車検やメンテナンスの費用も定額になるプランなら、まとまった費用の心配もなくなります。

維持費も含めて月々定額になることで、借金と車のローンを返済しながら不定期に発生する維持費を支払うよりも家計管理がしやすくなるでしょう。また、初期費用がかからず、月額料金も無理のない金額に設定しやすいことから、借金があってもワンランク上の車種に乗れる可能性もあります。

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※この記事は2024年2月時点の情報で制作しています