70歳を過ぎても車のローンは組める？注意点や安心して車を持てる方法を解説

70歳を過ぎても車のローンは組める？

70歳を過ぎても車のローンを組むことは可能です。一般社団法人日本自動車工業会の「2021年度乗用車試乗動向調査」（2022年3月）によれば、直近2年以内に新車を購入した70歳以上の方のうち、ローン購入をした方は16.4%。現金一括購入をしている方が圧倒的に多いものの、70歳以上の方の約6人に1人がローン購入をしています。

次回の購入方法に関しても、70歳以上の方の中で「ローン購入をしたい」と回答した方は13.6%です。ローンを組むことは、70歳を過ぎた方にとっても車の購入方法のひとつの選択肢といえます。

実際に70歳を過ぎても車のローンを組めたという体験談*も以下でご紹介しましょう。

親が70歳を過ぎても車のローンを組めました

30代男性・埼玉県在住

現金一括購入は負担が大きいので、ローンを希望していました。ただ、なかなかの高齢でローンが通らないので、身内のところで従業員になって年収120万円ほどを得て、息子である私が連帯保証人となり、なんとか100万円の自社ローンを利用できました。生活は楽になったようですが、判断能力や体力が落ちているので、ローンを組んでまで購入してよかったのかちょっと不安です。

20代女性・岩手県在住

祖父が70歳を過ぎていて、年収200万円くらいだったのですが車のローンを組みたいとのことで、私が連帯保証人になりました。自社ローンで、頭金を20万円くらい支払って、80万円を分割で支払っています。違うお店を利用したほうが良かったんじゃないかなとも思いますが、車を購入できて満足しているようです。

70代男性・群馬県在住

頭金を80万円くらい支払い、残り120万円を3年で返済しました。連帯保証人は不要でしたし、ローンを組んだら欲しいオプションが無料になったので、お得に車を買えたと思います。

このように、70歳を過ぎても車のローンを組めた例は多数あります。ただし、申込時だけでなく完済時の年齢が考慮されたり、収入による制限があったりして、利用できるローンが限られる、希望の条件で組めない、ローン審査に通りにくいというケースもあるでしょう。

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* クラベルさん編集部が、70歳を過ぎて車のローン審査に申し込んだ経験のある方、またはそのような方が身近にいる方を対象に行ったチャット調査ツール「Sprint」を用いたインターネット調査を基に掲載

70歳を過ぎても組める車のローンはどれ？

70歳を過ぎて車のローンを組む場合、まず注目しなければならないのはローン利用年齢の上限です。以下では車のローンを大まかに自社ローン、銀行系マイカーローン、ディーラーローンの3種類に分けて、それぞれ利用条件の傾向やメリット・デメリットを見ていきましょう。

自社ローンは最も組みやすい

自社ローンは、おもに中古車販売店が提供している独自の分割払いサービスです。一般的な車のローンが信販会社を通して審査を行うのに対し、自社ローンは販売店独自の基準で審査を行うため審査に通りやすい傾向があります。70歳を過ぎていても審査に通る可能性が最も高いローンといえるでしょう。

例えば、「カーマッチ」「カーライフグループ」などの中古車販売店では、年金受給者であっても借入れが可能となるケースがあるようです。とはいえ、自社ローンは契約期間が短い、借入れできる金額が少ない、手数料が上乗せされて割高になりやすい、保証人が必要などのデメリットもあります。

銀行系マイカーローンなら組めるケースも

銀行系マイカーローンは、銀行や信用金庫などの金融機関が提供するローンです。多くは完済時年齢を70歳までとしていますが、安定した収入があれば70歳以上でも利用できる場合があります。

例えば、「群馬銀行マイカーローン」や「滋賀銀行自動車購入ローン」などは、完済時の年齢が75歳以下であれば申し込めます。銀行系マイカーローンは、ほかのローンに比べて金利が低いものが多い点がメリットです。

一方で、銀行系マイカーローンは審査が厳しく、年齢制限をクリアしていても審査を通過できない可能性があるため注意しましょう。

ディーラーローンは組めない可能性が高い

ディーラーローンは、車のディーラーが信販会社などを通して提供しているローンです。銀行系マイカーローンよりは審査に通りやすいといわれていますが、年齢制限は70歳までが一般的で、70歳を過ぎてからディーラーローンを組むのは難しいといえます。

ディーラーローンを利用したい場合、70歳を過ぎても組めるローンを探す必要があります。例えば、ホンダファイナンスが提供するローンには年齢制限が設けられていないため、70歳以上でも申込みが可能です。なお、ディーラーローンでは車を担保にローンを組むため、完済まで車の売却ができない点に注意が必要です。

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車のローン審査でチェックされる項目

車のローン審査では、借入れに対する返済能力を判断するために、年齢だけでなく年収や雇用形態、勤続年数、家族構成などさまざまな項目をチェックされるのが一般的です。以下では、70歳を過ぎてローン審査に申し込む場合に特に気になるポイントを中心に見ていきましょう。

収入の安定性

収入の安定性は、ローン利用の可否を判断する重要なポイントです。一般的には年収・雇用形態・勤続年数・勤務先などを基に判断されますが、70歳以上ですでに定年退職している方は、年金収入の判断材料として過去の勤務先や勤続年数、年収が問われる場合があります。

例えば、大手企業に勤めていた場合や、公務員だった場合は、厚生年金や共済年金により多くの受給額が見込まれるため、審査では有利になります。ただし、年金は安定した収入として不十分とみなされるケースもあるため、年金以外にも資産収入やアルバイト等の収入があるほうがローンを組みやすいでしょう。

借入状況

住宅ローンやカードローン、教育ローンなど、ほかの借入状況もチェックされます。ローンを滞りなく返済するためには、収入と支出のバランスが取れていることが重要です。借入れが多いと車のローンを返済する余力がないとみなされるため、まだ返済が終わっていない借入れがある場合、審査に落ちる原因になってしまう可能性もあります。

なお、借入状況は次の項で説明する信用情報に記載されています。黙っていてもバレてしまうので、聞かれた場合は正直に申告しましょう。

信用情報

信用情報とは、個人信用情報機関に記録されているローンやクレジットの契約、申込みに関する情報のことです。車のローンでは信用情報を参考にして、契約者がローンを滞りなく返済できる人物かを判断します。

特に重視されるのが、過去の支払いの延滞や債務整理などの金融事故歴です。延滞は完済から5年、債務整理は7年ほど記録が残るとされています。金融事故歴が残っているあいだはローン審査の通過は難しいでしょう。また、審査申込みが多い場合もお金に困っているとみなされ審査に通りにくくなります。

なお、自社ローンではこの信用情報を照会しないケースがほとんどです。

70歳を過ぎても車のローン審査に通るためのコツ

車のローン審査の基準は金融機関やローン会社によって異なりますが、一番大切なのは借入額に対する返済能力があるかどうかです。年齢制限をクリアできているなら、対策次第ではローンを組める可能性があります。70歳を過ぎていてもローンを組みたい場合は、次のような審査対策を試してみましょう。

頭金を用意する

手っ取り早いのは、頭金を用意することです。頭金を支払うことによって、ローンの審査対象となる借入希望額を抑えられるため、審査に通りやすくなります。資金に余力がある場合は、可能な限り多めに頭金を用意しておくといいでしょう。

なお、車の購入時には税金や登録諸費用など、車両本体価格以外の支払いも多く、まとまったお金が出ていきます。その後の生活費も考えて、無理のない範囲で支払える金額に設定しましょう。

借入希望額をできる限り抑える

頭金を入れるのが難しい場合は、車の選び方を見直して借入額を抑えることを検討しましょう。車のグレードを下げる、安い車種に変更する、中古車を探してみるなどの方法で借入額を大きく抑えられ、審査通過の可能性が高まります。

ただし、価格を抑えたいからといって安全性能を外すのはおすすめできません。年齢を重ねるとどうしても注意力や反応速度が低下してしまうため、先進の予防安全性能で事故を未然に防ぐ対策はとても重要です。車を妥協したくない場合は、後述のローンを使わず車を持つ方法も選択肢に入れてみましょう。

他社の借入れを減らす

他社からの借入れが残っている場合は、繰上返済などを利用して借入額を減らすことも有効な対策です。返済額の負担を抑えることで、審査通過の可能性を高められます。

目安として、年間返済額の合計が年収の25～35%を超えると審査に通りにくいといわれています。これから組む予定のローン返済額も含めて計算し、見通しを立てておくといいでしょう。

借入期間を短く設定する

70歳を過ぎて車のローンに申し込む場合、年齢制限内であったとしても上限に近いため、借入期間を短くしたほうが審査には通りやすくなります。上でご紹介した口コミの調査でも、借入期間は1～3年といった回答が目立ちました。借入期間が短ければ、利息の負担も最小限に抑えられます。

ただし、分割回数が少なくなるとその分、月々の返済額が高くなるので、家計とのバランスに気を付けましょう。

連帯保証人を立てる

年金収入のみの方や年収が低い方は、連帯保証人を立てることで審査に通りやすくなるケースがあります。上でも、子供や孫に連帯保証人になってもらい、車のローンを組めた70歳以上の方の例をご紹介しました。

しかし、連帯保証人も申込者と同じように年収や信用情報を審査されますし、重い返済責任を負うことになります。そのため、車が必要な理由や返済計画をしっかりと説明して依頼しましょう。

70歳を過ぎて車のローンを組む際の注意点

70歳を過ぎても車のローンを組めるのは先述のとおりですが、実際にローンを組む前にいくつかの注意点を意識しておくことが大切です。注意点を知ったうえで計画を立てないと、今後の生活にしわ寄せがいってしまい、思い描くカーライフを楽しむことができません。

以下では、70歳を過ぎた方が特に注意するべきポイントを詳しく解説します。

月々の返済額が負担になりやすい

70歳を過ぎると、働くことが難しくなり収入が減ったり、病気をして出費が増えたりする可能性があるため、将来的に月々の返済額が負担になりやすいといえます。借りられるかどうかではなく返せるかどうかを意識して、期間と返済額をよく検討しましょう。

期間を決める場合、完済時の年齢まで運転の不安なく車に乗れるか、返済中も今と同じ健康状態を維持できそうかなどについて考えておくことが大切です。一方で、期間が短いとその分、月々の負担が大きくなります。

返済額は年金など自分の収入に見合った無理のない金額か、継続的に返していけるのかといった点に注意し、しっかりとした返済計画を立てましょう。もし連帯保証人を立てるのであれば、保証人の方とも相談することをおすすめします。

購入できる車種は限定される

70歳を過ぎている方はローンの借入可能額が低くなりがちなので、自ずと選べる車も限定されます。新車で条件に合う車が見つからない場合は、中古車という選択も検討しましょう。

ただし、運転支援機能の充実も重視したいポイント。60歳以上の運転者の約半数は反応速度や注意力、視力の低下を不安視しているとのデータもあります*。具体的には「衝突被害軽減ブレーキ」「誤発進防止システム」など、運転手のミスをカバーしてくれる機能がある車がおすすめです。

例えば、安全機能が充実した車を安く購入したい場合は、日産「デイズ」、ホンダ「N BOX」などをチェックしてみましょう。

* 一般社団法人日本自動車工業会「2021年度乗用車試乗動向調査」（2022年3月）より

初期費用や維持費も考慮する必要がある

車を買う場合は、初期費用や維持費も考慮してローンの借入額を決める必要があります。初期費用や維持費が家計の負担となり、返済が難しくなるケースがあるからです。

目安として、税金や登録諸費用といった初期費用には車両本体価格の1～2割程度、維持費として代表的な車検は普通車で10万円程度かかると想定しておきましょう。このほか、ガソリン代や自動車保険（任意保険）料などの維持費も生じます。

これらを支払っても無理なくローンを返済できる金額を借り入れることが大切です。

ローンよりも楽に車を持てると話題！月々10,000円台からのサービス

もっと楽に車を持てる方法に、今話題のカーリースがあります。カーリースなら、初期費用0円、維持費コミコミの定額で手軽に新車を持てるうえ、さまざまな場面でサポートを受けられます。そのため、70歳を過ぎて費用面だけでなく車選びやカーライフに不安のある方にもぴったりです。

以下でその魅力を詳しくご紹介しましょう。

カーリースとは？

カーリースとは、好きな車を選んでリース会社から一定期間、定額制で貸し出してもらうサービスです。契約期間中にかかる費用を契約月数で割っているため、一般的に初期費用がかからず、維持費のほとんどを定額料金に含めることができます。

カーリースの月額料金は、上の図のように車両本体価格から残価を差し引く仕組みなので、車のローンよりも月々の支払額を抑えやすいのが特徴です。そのため、車にかけられる予算内で、最新の安全運転支援機能のついたハイグレードの車を利用できる可能性もあります。

70歳以上の方がカーリースを利用するメリット

カーリースには上の図のようにたくさんのメリットがあります。

先述のとおり、カーリースは残価を差し引く仕組みがあるので、ローンよりも審査対象となる金額を抑えやすいといえます。ローンに通りにくいといわれる70歳以上の方には、審査のハードルが低いことは大きなメリットとなるでしょう。

また、カーリースはリース会社が購入した車を借りるサービスなので、リース会社によるサポートが充実しているのもうれしいポイントです。契約前の車選びの段階から無料で相談でき、契約期間中のさまざまな疑問にも答えてもらえるので、安心して利用できるでしょう。

「所有するのは負担が大きいのでカーリースにしました」という体験談

Sさん（70代男性・千葉県在住・スズキ「ワゴンR」利用中）

元々車がすごく好きで、いろいろな車に乗っていた経験があるんですが、「車を所有する」というのは負担が大きいですよね。維持費もメンテナンスの手間もかかるので、心理的な負担も大きいと思います。カーリースは維持費の多くがコミコミでそんな心理的負担を減らせるのが魅力です。

軽自動車は昔はひどいと思っていたんですが、近年、衝突安全性に配慮した車にものすごく進化していますよね。実際使ってみると、広さや使い勝手は軽自動車のほうがいいかもしれない。最後に車をそのままもらえるプランにしたので、大事に使っています。

70歳を過ぎたら車の所有よりも利用を検討してみるのもおすすめ

70歳を過ぎても車のローンは組めますが、収入や健康状態が変わると車の所有は負担にもなります。今から車を持つなら、ローンで購入するより気軽に車に乗れるカーリースの利用も検討してみましょう。

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※この記事は2024年4月時点の情報で制作しています